シャア・アズナブルの渾名「赤い彗星」を体現した、量産機のチューンナップカスタム機。そのミリタリー感覚溢れる設定とマンガチックな演出、双方が非常に巧くマッチしたのが、いわゆる「シャアザク」でしょう。
その後も劇中では、同様の設定で何機か乗り継いでいくシャアの姿が見られます。
現在に至るまで、数多くのカテゴリで商品化されているシャアザク。その原点たる商品が、このベストメカコレクション版になります。
キットについて
ベストメカコレクションとしては、ガンダム、量産型ムサイに続いてのラインナップとなります。マシンガンを両手で構えられる優れた腕部可動はガンダムより進化。しかしながら、一方で足首は脛と一体化して動かない仕様になっており、苦慮の痕跡が見受けられるキットです。
頭部造形やマシンガン、動力パイプに見られる精密性が見所。前述のマシンガン両手持ちが可能な腕部の設計は、発売当時の状況を考えると凄いところです。また、各所の曲線の艶めかしさは、現在の先鋭化されたキットにはない魅力となります。
後発の1/100が名キットとして名を馳せているので、評価が低くなりがちですが、全体的な完成度は充分高いものだと思います。
改造、塗装など
頭部はモノアイレールをくり抜いて、中にプラパイプ等で作った内部パーツを接着。モノアイ自体は、どこかで入手していたジュエルシールを蛍光クリアーで塗装し貼り付けています。マシンガンのスコープにも同様に貼り付けました。
足首を切り離し、ボールジョイントで接続、首関節と股関節もボールジョイント化しています。ボールデンアームアームズで大量に余ってしまう肘や膝用の関節を、ボディに仕込んで前後スイング肩をでっち上げ、肩が少し上に付くようにしてシルエットを調整しています。これは先のガンダムも同様です。
手首もボールジョイントで接続していますが、こちらはWAVE製の余っていたものを使用。手首は親指が主張するように削ったり、持ち手として機能するようコトブキヤのプラパイプを仕込んだりしています。
塗装はアクリジョンベースカラーのグレーとホワイトを混ぜたサフの上に、一旦水性ホビーカラーのつや消しホワイトをベースホワイトとして吹き、その上から基本色を塗装しました。ピンクはサーモンピンク、胴はあずき色、黒はミッドナイトブルー、マシンガンはミディアムブルー、バックパックはモンザレッドです。影になる部分は焼鉄色を適当に筆塗りしました。クリアコートは、例によってつや消しクリアにフラットベースを追加したものです。すべて新水性ホビーカラーです。
各部ショット
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関節の改造で少しプロポーションが改善していますが、基本的にプレーンなベストメカコレクションのシルエットです。誤解を恐れずに言えば「フィギュア的な魅力」に満ちていると思います。
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シンプルな後ろ姿。スラスターすらない「設定どおり」のバックパックは、この時期のキットならでは。
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シンプルな構造ながら、マシンガンを両手持ちできるポテンシャル! 一気に躍動感が生まれます。
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マシンガンの持ち手は単なる丸棒ですが、保持している状態だと気になりません。マズルは開口しておきました。
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やはり足首が動くと説得力が増しますが、加工は結構大変ですね。
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モノアイだけは現代風になってしまいましたが、左肩のスパイクも延長して尖らせたり、地味な工作は色々やっています。
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あおりの説得力こそ旧キットの魅力。脚部の形状は1/100でも解釈が変わっているので、独特のスリムな作画のイメージ再現度はこのキットが随一ですね。
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ガンダムと並べて。こうして当時為し得なかった完成度で並べられるのは感慨深いです。
次はグフの予定ですが、なかなか進みません。間に別作品のベストメカコレクションを入れてしまったので…(笑)。
随分とお久しぶりになってしまいました(大汗)。
シャアザクの足首が曲がらないというのは、プラモ狂四郎第一話の勝負の決め手でした。
ご存じですか?「プラモ狂四郎」。自分はガチど真ん中世代です。
こちらこそ、キラメイジャーが全くアップできておらず申し訳ございません。
プラモ狂四郎自体は読んでいなかったのですが、勿論色々な情報を後から仕入れて存じております。ザクの足首の件も有名ですよね。
当時の可動工作で足首が動くようになっても、多分固定とそれほど変わらなかったのではないか…と思ったりもしますね(笑)。