ギャグ編の体裁をとりつつ、コグレさんと魁利たちの微妙な関係にスポットを当て、ちょっとハートウォーミングな後味を残す秀逸な一編。
分裂・性格の先鋭化といったギミックこそオーソドックスですが、それらが面白可笑しく、しかも丁寧に描写されているため、見所満載となりました。
サブタイトルは、懐かしの「欽ドン」の名物コーナーのパロディですね。イモ欽トリオとか、よせなべトリオとか、中原理恵さんの芸達者振りとか、色々思い出があります(笑)。
ドリューン・サンブ
土竜(もぐら)だからドリューンなんですね(笑)。
引きこもりギャングラーという設定があるものの、意外とアクティヴに活動していて、せわしない印象も。デザインはメタリックなバイオレットカラーで、ヒロイックです。平成ライダーの怪人っぽさも感じます。
自前の能力はモグラらしく地中での活動が得意というもの。ルパンコレクションの能力はターゲットとなる人物をそれぞれ「良い人・悪い人・普通の人」の3人に分裂させるというものでした。この能力によってもたらされる混乱が第一の主眼でしたが、早急に元に戻さないと分裂の副作用でその人物が死んでしまうという、結構恐ろしい設定も加えられており、タイムリミット譚としても楽しめる作劇になっていました。
巨大戦に移るやいなや、地下に潜ってしまうという楽しい仕掛けも。その直後、市街地で発生する無数の土柱に、パトレンジャーが翻弄されるというシーンは迫力満点でしたね。
ルパンマグナム
分割線やCMで、すでにネタバレしちゃってますが(笑)、ルパンマグナムにはロボットモードが存在し、今回何の前触れもなく活躍することになりました。
地下での巨大ドリューン追跡シーンは、CGとミニチュア、そしてスーツを駆使して描かれ、そのスピーディに展開されるカット群に息をのみました。密閉された地下巨大通路という珍しい舞台でしたが、素晴らしい手腕によって見事に映像化されていましたね。
ただ、勢いで押し切ったので疑問をはさむ余地がなかったものの、やっぱり「前触れ」は欲しかったですね。
警察らしく
今回は、パトレンジャーはギャングラー殲滅よりも事態収拾、つまり作劇的には「援護」に回っています。これが、実に「らしい」んですよね。メインはコグレさん、つまり快盗側なんですが、警察側の丁寧な描写が光り、パトレンジャーの存在感もかなり大きかったように思います。
特に凄いのは、咲也の見事な運転でドリューンの猛威を回避するシーン。カメラの揺れに加え、座席で左右に揺さぶられまくる圭一郎とつかさの様子も相俟ってド迫力!
また、分裂させられた人々を地道に探し出し、くっつけて元に戻すという作業をずっとやっていた描写があり、こちらも警察らしさを盛り上げていました。ザ・たっちのお二人が登場し、そのリアリティを更に高めていたのが楽しいですね。いわゆる有名ゲストだったので、ドラマに絡んでくるのかと思いきや、ほぼエキストラに近いという(笑)。まあ、コグレさんの話だったので、このくらいの登場でちょうど良かったのでしょう。
コグレさんと快盗
今回は、コグレさんの正体こそ不明なままですが、その人となりについては少し明らかになりました。
コグレさんが魁利たちにもたらすコレクションやギャングラーの情報は、実は得意の変装術で独自に調査していたことが判明。その財力で、専門の調査チームでも持っているのかと思わせておいて、まさかの自前(笑)。
しかし、自身に戦闘力はほぼないに等しいので、実際にコレクションを回収する実働部隊として、魁利たちルパンレンジャーは不可欠なのでした。そして、魁利たちをいかに危険な目に遭わせているかは知りつつも、あえて見ないようにしていたというわけです。
今回、コグレさんは魁利、透真、初美花の戦いを遂に目の当たりにし、逆に魁利たちは身の危険を省みずに調査に邁進するコグレさんを目撃し、互いがそれぞれの使命感を確認することになりました。ノエルもですが、つかみどころのない、一歩間違えれば腹黒いと評価されかねないキャラクターだったコグレさんが、いわゆる「いい人」に近付いた瞬間でした。
その「いい人」ぶりについては、分裂した「良いコグレさん」によって補強されているのが巧いところ。「悪いコグレさん」にしても、単に「昭和な不良」でしかなく、実質的にコグレさんの善良性が担保されたと断言しても差し支えないレベルでした。
それにしても、三人に分裂した様子を、素晴らしい演技力で表現する温水さんは、やはり後見人キャラとして申し分ない俳優さんですね。拍手です。
ドロンチェンジャー
今回のルパンコレクションは、「分身(わけみ)の術」ということで、カクレンジャーのドロンチェンジャーでした。エンブレムのところが三人の人間のシルエットになっており、劇中設定との親和性が増していて面白いです。
次回
今度はパトレンジャーのターン。咲也メインの回はどれも完成度が高いので、次回も楽しみですね。射撃の腕が炸裂するか!?
基本的に利害の一致でチームを組んでいる快盗側にも、ちゃんとノエルを含めて絆のようなものがある・・・良いお話でした。
分裂する効果はあくまでルパンコレクションによるものなので、怪人を倒しても元には戻らないというのがミソでしたね。それにしても戻す機能がないとは・・・なんて迷惑な(汗)。
今回のギャングラーの引きこもりという設定は、やはりルパンマグナムのロボモードを活躍させるための逆算のような気がします。ルパンカイザーよりも一回り小さいので狭い場所でも戦えるところからの地下バトルというか。基本オープンセットのロボ戦で地下というのは珍しいですね。地底というのは・・・あったかな?
思えばウルトラマンというか円谷系は地底での話が多かった気が。
一人三役の合成の技術には本当に感心しきりでした。無茶苦茶自然ですよね。ゴーカイジャーVSギャバンで、大葉さんの三役の合成に丸一日ぐらいかかったという話を思い出しましたよ。
薄い関係ではなく、ちゃんと人間同士の関係性が快盗側にも示されたのは、大きな成果でしたね。
怪人倒したら万事解決じゃなかったのも、仰るとおり「ミソ」でした。
地下と言えば、チェンジマンの最終話でバズーの「体内」に入ったのが思い出されます。今回とはかなり雰囲気も異なりますが(^_^;
欽ドンの良い子悪い子普通の子、って懐かしいですね。昔、イモ欽トリオのLPレコード持ってましたよ。西山浩司さんのソロ曲が良かったんですよねぇ。。。
オープニングの、ザ・たっちさん。小ネタ満載でしたね。パトレン1号とのクルクル回って、「ど~っちだ?」は、いやそれ意味ねえし!って感じですし、チョットチョット!は圭ちゃんが言うの?って。笑
3人がくっついて1人に戻った最後でも、おじぎの後に何となくでもチョットチョットしてほしかったぐらいです。
ノエルの登場回でコグレさんとの仲があまりよくない感じを打ち出していて、それぞれの行動は謎めいていたのですが、今回でコグレさんの中身が少し分かって、しかも後ろめたさを感じているという人間味が溢れたのは、怪盗側の結びつきが強まっていく感じがした良いシーンでした。
来週は穏やか圭ちゃん。笑顔がどことなくぎこちないように見えたのは気のせいでしょうかね・・・笑
なんと!レコードをお持ちでしたか。私は欽ドンではなく、欽どこのわらべのアルバム(?)をカセットテープで持ってました(笑)。
ザ・たっちのお二人は、意外に一般市民の域を守っていて、ちょっとビックリしましたね。確かに小ネタは多かったですが、ご本人たちはねじ込んで来ませんでしたから。
これでノエルもコグレさんも結構いい人になって来たので、今度はいよいよ「過去」にスポットが当たるような気も。
き~んどん♪シャララランとか良い子悪い子普通の子とか、色々思い出してしまいましたが、ザ・たっちのの三人(?)にもゆ~たい合体(違)とか言ってほしかったです(おいおい)
地底の描写は。言われるとおり円谷プロの作品ではお馴染みですけど、東映では珍しいですね。
個人的には、スター・ウォーズのデス・スター攻略戦に対抗する形で、要塞内の戦闘シーンを描いた宇宙からのメッセージを思い出しました。
内容的には、まんま宇宙で時代劇やっただけでしたけど(笑)あのシーンは俺達だってこれだけの事が出来るんだという、矢島特撮研究所の意地を感じさせましたね。
ルパンコレクションを奪うルパンレンジャーに対し、市民の生活を守る事が使命であるパトレンジャーと、両戦隊のカラーの違いも見れましたし、前の話の感想でも触れられていた、ルパンレンジャーによる被害の描写も短いカットながら、キチンと描かれていたのはさすがです。
とにかく今回は、温水さんの演技の上手さが光った内容でしたね。
それではまた
私はなんといっても中原理恵さんですね。アフロヘアで悪い嫁を表現するという斬新さが素晴らしい! 後にクリストファー・リーヴ版スーパーマンのロイスの声だと知って余計に興味がわきましたが、残念ながら近年はほぼ引退状態のようで。
すみません、話がズレまくりました。
両戦隊のスタンスの違いが鮮やかに描かれる回はいいですね。共闘ばかりがテーマではないという意気込みが伝わってくるようで楽しいです!
前回でカイリの闇墜ちなどを危惧してましたが、一般人を戦いに巻き込まないなどの良心があったことにホッとしました。
今回の新しいロボの存在が、逆に今後パトレンジャーを引き立ててくれるのではないかと期待してたりします。
グッディがいなければそれぞれの戦隊は巨大化できないですが、ルパンマグナムロボがあれば、ルパンカイザーの必要性は当面は少なくなるので、パトカイザーの出番が増えるのではないかと思います。
さくやが次回の主役みたいですが、ルパンマグナムが銃の名手であるさくやを気に入るみたいな展開とかあったら面白いかもしれないですね。もしグッディみたいな自我がルパンマグナムにあるなら、カイリの他にもう一人の相棒ってのもありなんじゃないかなと(ボウケンジャーのズバーンみたいな)
やっぱり魁利の良心が担保されるのは、東映のヒロイズムとして非常に納得できるところですね。
そしてルパンマグナム、既に「次回」を観てしまった上でのレスになってしまいましたが、実際にルパンマグナムがパトカイザーとの「共闘」を実現させていました!! お見事です。
コアになるガジェットの奪い合い、あるいは譲り合いという醍醐味はスポイルされましたが、そこに関するドラマは結構繰り広げられたので、次を目指すのにちょうどいいかも知れませんね。