ノエルを各メンバーと関わらせようという企画(?)第一弾。
今回は咲也と初美花の一向に発展しそうにない関係にスポットを当て、ノエルが色々と世話を焼くという、かなりオーソドックスなコメディを展開します。
登場以降、いわゆる「食えない男」のイメージを強めてきたノエルですが、今回は他意のない純粋なノリを見せ、意外な印象を視聴者に与えました。何となく警察寄りなポジショニングを見せることにより、彼のポリシーが少しだけ見えた気がしますね。
デメラン・ヤトミス
巨大なポイを武器に用いる金魚型のギャングラー怪人。コミカルなデザインの中に恐ろしさを兼ね備えた秀逸な姿をしています。
手にしたポイによって、人間を一瞬金魚の姿に変えた上で、金魚鉢状の容器に投げ込み、拉致するという能力を持っています。金魚鉢の中では人間の姿に戻っているのが面白いですね。
ミクロ化されたヒロインが捉えられ、それを救出するドラマが展開されるのは、戦隊における定番の一つですが、今回はちょっと変化球的なエッセンスを取り入れていました。そのあたりは後述。
初美花と咲也
咲也は相変わらず初美花に熱を上げているようですが、初美花はやはり少々迷惑そうな雰囲気。しかし、その感覚は少しずつ変化しているように見えます。
当初は、敵対する警察ということが前提にあって完全に「迷惑」あるいは「ウザい」が支配していたように見えました。その後、警察官としての使命感に燃え、子供相手でも懸命に職務を全うしようとする咲也の姿を垣間見ることで、少しだけ咲也の人物像にシンパシィを感じる様子が描かれました。
今回、初美花を助けようと命懸けの行動を取る咲也を目の当たりにして、咲也に対する感情はよりポジティヴに変化したように見えます。オチとして、初美花に「咲也さんって、イイ人ですね」というセリフを言わせ、咲也に対する恋愛感情は露ほどもないという表現をしていましたが、ここで工藤さんの突出した表情の表現力で「まんざらでもない」という感覚になっていたのは注目に値します。
読みを深めていくと、快盗と警察という立場上、初美花の方は壁を作らざるを得ないという感じなんですよね。まあ、このあたりの表現は監督の好みによっても変わってくるので、一貫性があるものかどうかは怪しいですけど…。
Amour!
パリからやって来たノエルはAmour(愛)を重視する人だそうです(笑)。というわけで、ノリノリで初美花と咲也の中を取り持つことに。この時点でいい予感などしないわけですが、案の定、初美花に咲也を追わせるノエルの策略によって、偶然とはいえ初美花は囚われの身となってしまうわけです。
ただ、今回のノエルの行動は純粋に「世話好き」な面が表出しただけであり、後ろに何の損得勘定もないのです。意外というか、好感度が急上昇したというか。
さらに、初美花を危険な目に遭わせた責任をも感じ、警察側の立場として咲也への協力を惜しまなかったのも良い感じでした。その裏に、咲也に華を持たせようという計算がなさそうに見える(少しはあったかも知れませんが、責任を強く感じている咲也に報いようという面が強い)のも好感度高し。とにかく、ノエルは目的意識外の行動に関しては結構無頓着で、利他的な行動をためらわない人物だという像が示される事になったわけです。
しばらくは「食えない男」として描写され続ける、すなわち初期メンバーが翻弄され続けると持っていましたので、本当に意外でした。
変身不能!
囚われの身となった初美花ですが、快盗チェンジすれば難なく脱出できる可能性があったと言えます。クライマックスで、咲也一人の銃撃では金魚鉢を内部から破壊できなかったことから、もしかすると一人では困難だったかも知れませんが、よく考えてみると普通にワイヤーで脱出できそうな気もします。
しかし快盗チェンジできなかったのは、近所のパン屋さんが居たからという理由!
正体バレが徹底してネックになる戦隊ヒーローは珍しく、さらには正体を明かしてでも囚われた人々を助けたいという感情よりも、自分たちの目的の方が重要だとしているのもまた、非常に珍しい。
何となく正体を隠しているヒーローは多いものの、そこに大義名分を伴う理由が明示されていないのがほとんどである中、今シーズンの快盗のようなケースはかなり新鮮に映りますね。昭和ウルトラは、バレた時が地球を去る時という図式でしたが、それに近いものがあると思います。
エックスエンペラー
列車の合体ロボということで、「トッキュウジャー」との差別化に期待していたわけですが、トッキュウオーが併走での合体だったのに対し、まさかの交差合体! これは驚きました。ミニチュア表現による重量感も素晴らしかったですね。
ロボ戦が始まってからも、側転でガラットチェンジしてしまうのが凄い。正に両面を持つ男が操縦するロボでした。上半身と下半身のカラーリングが逆転するのも楽しいデザインで、実に巧いですね。
ゴセイブラスター
今回のルパンコレクションはゴセイブラスターでした。ヘッダーの付いている形状からすぐに推察できるものでしたが、公式サイトのヒントは少しひねってあって、「転送」というキーワードが「天装」を内包しているというものでした。
次回
次回のノエルは透真にちょっかいを出すようです(笑)。ジュレのシェフであることにスポットを当てるとは、いい仕事をしますよね! 楽しみに待ちましょう。
ノエルは基本的に善人ではあるんですよね。というかヒーローなんだからそうじゃないと困るんですが。
私の記憶が間違っていなければ、今回はパトレン2号とルパンレッド、ブルーそれにパトレンXしか変身していないというかなり変則的な回だったかと。Xが追加されたとは言え、片方の戦隊だけならまだしも、入り乱れた形にしていながらもお話として破綻していないって、結構すごいことでは!?
エックスエンペラーのX型合体は驚くと同時に目からウロコでした。トッキュウジャーの時にも散々言われましたが、基本細長い列車の変形合体って難しいんですよね。それこそトランスフォーマーの時代から勇者シリーズ、最新のシンカリオンまで、かなり工夫されていますし、どうしてもアニメ的なウソをつかないと絵的にカッコよくならないという・・・。その点で、エックスエンペラーの変形合体はかなり良い感じだと思います。
あと、今更ではありますが、カイザーもエンペラーも同じ「皇帝」を意味しています。2号ロボではなく、同等という扱いなのかもしれません。
ノエルは確かに善人なんですよね。それこそ魁利よりもよっぽど…(笑)。
だから今回のような話が成立するわけですね。
先日にも変身後が揃わない回があって麻痺してましたが、今回もそうでしたね。様相としては複雑なのに、シンプルに見せる作劇の確かさが素晴らしいです。
「皇帝」で統一しているあたり、ナポレオンとかを意識しているのかも知れませんね。何かの伏線だったりして…。
もしかして、金魚の怪人って戦隊初でしょうかね。
そんなデメラン・ヤトミスですが、本拠地の洋館に現れた際、既に人間を何人か捕らえていた模様ですね。
後のシーンを見ると、恐らく最初に捕らわれた人間はゴーシュに渡されたものと思われますけど、一体何に使われたんでしょうか。
表面上だけ見ると、そうでもないギャングラーですが、ふと見せるシーンに悪の組織としての恐ろしさを感じさせられます。
まあ、それはともかく(笑)、謎めいた魅力を振りまいていたノエルですが、今回はおせっかいな部分とか人の良さを感じさせる場面がありましたね。
あんまり謎の部分ばかり見せると、小さい友達(おいっ)には冷たく感じさせるかもしれないので、ここでバランスを取ったという事でしょうか。
次回は透真という事なので、またまた新しい面を見せてくれることを期待したいです。
それではまた
金魚の怪人、宇宙刑事のボツ案にはあった覚えがありますけど、他は見ないような…。私の頭の中の乏しいデータベース上にはありませんねぇ。
ゴーシュがもらった人間たち、確かに「その後」が全く描かれないので恐ろしいですね。70年代だと結構放置されているパターンも多かったんですけど、現代だと気になります。
ノエルは裏では何やってるか分からないけど「いい人」なんですよね(笑)。あっさりした人格に落ち着かないよう期待してます。
咲也と初美花って、基本的に良い人(性格)なんですよね。
悪い言い方だと、ちょっとお間抜け的な感じ・・・でもそれも愛嬌があるということで良いんですけどね。笑
ノエルに踊らされた(操られた?)二人がギャングラーに巻き込まれて、でも怒るとか、憎むとかがなくて、二人とも性格の良さが出ていて、更には仕掛けを作ったノエルも自己責任を感じて積極的に助けるために動いて・・・何だか見ていてホッコリするストーリー展開が素晴らしすぎます。
それとは逆に、オープニングのコグレさんとノエルのやりとり。コレクションの貸し借りという名の取り引き。
どっちも腹に一物持っている感じなので先々に向けて緊張感があって良かったです。
来週はギャングラーに新キャラ登場。
新たな楽しみが増えるとともに何かを忘れていってるような・・・
あれ?ザミーゴはどこへ行ったんだ?笑
咲也、初美花、ノエル、皆「いい人」なので、こんなドタバタになるわけですね(笑)。愛嬌があるのは良いことです。結構人物配置はギスギスした構図になっているので。
冒頭のコグレさんとのやり取りは大人っぽい感じで良かったですね。どう見ても「魁利たちの本当の味方ではない」雰囲気が出ていてミステリアスです。このあたりは、推理冒険譚の印象を巧く引用していると思います。
ザミーゴは、私はあんまり好きなタイプではない(今のところ魅力を感じない)ので、とりあえず放っておいてもいいんじゃないでしょうか(爆)。