毎シーズン、大抵この時期になると登場する追加戦士。
あの手この手で、安定し始めた世界観に揺さぶりをかける役割を担わせることになりますが、巧く機能するシーズンもあれば、残念ながら逆効果な場合も。
さて、今シーズンの「あの手この手」は一体どう作用するでしょうか??
今回の登場編に限った印象ではありますが、あらゆる手段と描写を駆使した贅沢三昧な画面作りが鮮烈で、素晴らしいデビューになったと思います。
追加戦士は…
「ジャッカー」のビッグワンが嚆矢、「バイオマン」のマグネ戦士が(中身がJAC俳優…後のジャスピオンということもあって)単発ゲストながらも追加戦士の原形、「マスクマン」のX1マスクが後の追加戦士の在り方を示唆、そして「ジュウレンジャー」でドラゴンレンジャーが登場し、「ダイレンジャー」でキバレンジャーを登場させて追加戦士を定番化させました。
それからは、「ゴーゴーファイブ」のような例外を除いて、ほぼ毎シーズン追加戦士に該当するキャラクターが登場し続けることになります。
彼らは基本的に初期レギュラーのパターン破りを担うことになるのが常ですが、中にはすぐに溶け込んで初めから居たような雰囲気を醸し出す者も居て、色々と楽しませてくれるわけです。
ただ、近年は平成ライダーとの差別化の意味もあるのか、ライバル的なポジションに就く印象は薄く、単に仲間が増えるという感覚でのマンネリ化が起き始めているような気はします。マーチャンダイジングの要請を欠くことはできないと分かってはいるものの、何となく潔い初期メンバー貫徹を観てみたい感もあるのです。
高尾ノエル登場!
正直なところ、今シーズンはその構造上、追加戦士の出る幕はないものと思っていて(2戦隊の対立や腹の探り合いだけで、充分4クールもたせるポテンシャルがある)、ノエル登場の報には驚いたわけですが、快盗でも警察でもないとなれば探偵くらいしかないのでは…と思っていたら、そちらは劇場版でココリコの田中さんが担当するようです(笑)。
そして、ノエルは快盗でも警察でもあるという、ダブルフェイスな「スパイ」の要素を湛えて登場。私などは膝を叩いたわけです。ジェームズ・ボンドもイーサン・ハントも超法規的活動を許された、正義(MI6もImpossible Mission Forceも自国の政情安定=正義なので、日本のヒロイズムとはかなりニュアンス違いますが)のために働く人物ですからね。いわば、快盗でも警察でもありながら、一方で快盗でも警察でもないと言って良いのではないでしょうか。
そんなノエルは、パリジャンを気取る陽気なキザ男という、バトルフランスを思わせる造形で登場しました。
ただし、バトルフランス=志田京介のような女性に弱い洒落男といった雰囲気よりは、敏腕故に飄々としている感覚になっており、ある意味魁利たち三人よりもルパン三世(それも緑ジャケの第一作)の印象に近いですね。人を食ったような言動なんかは、正にそのままです。
その腕前をビジュアルで表現するのが、ノエル役の元木聖也さんの身体能力!! パルクールに堪能とのことで、劇中で早くもその技の数々を披露していました。パルクール、あと四半世紀早かったら私もやりたかったです(笑)。レベルこそ段違いですが、似たようなことは練習してましたからね。カンフーアクションブームとかの影響で…。
そしてその笑顔も武器。一見、本気で笑っているのか探ってしまうような独特の笑顔が強烈な印象を残します。オーバーアクションなジェスチャーはパリジャンのカリカチュアライズとしての表現だと思いますが、却って信用するのが危険な匂いを醸し出しており、この辺りは古畑任三郎のよう。
コレクションに手を加えて警察の装備に仕立てた張本人という驚愕の設定も付与されており、実はアルセーヌ・ルパンの末裔なんじゃないか…と思わせたりするんですよね。先々の展開が楽しみです。
X
特定の年代なら「THE TRUTH IS OUT THERE」と言いたくなるネーミングのルパンエックス & パトレンエックス。戦隊ファンならば、前述のX1マスク、もし「デンジマン」でヘドラー将軍が化けた怪盗Xを思い出したならば、もう救いようのないファンです(笑)。
冗談はさておき、追加戦士の定番色として定着しつつあるゴールドとシルバーを使い分け、快盗モードと警察モード双方の特徴あるアクションを流麗に披露するエックスは、正に追加戦士の鮮烈なデビューに相応しい能力の持ち主でした。メタリック故に堅牢という描写も見事でしたね。
電車を模したガジェットは正直なところ、文字通り「回りくどい」と感じてしまいましたが、ビークルの特撮になると途端に実在感溢れるシーンが続出する驚嘆の画面が展開され、いわゆるワンダバ好きに響きまくったのではないでしょうか。
回りくどいといえば、グレンダイザーのようなコクピット移動の描写が実に回りくどく(笑)、往年のロボットアニメファンに響くものになっていましたね。
孫悟空
ギャングラー怪人は完全に孫悟空モチーフのサルダン・ホウでした。金庫を二つ有した「ステイタス・ダブル」だそうですが、これから先、その設定がどう活かされるのか、興味がありますね。
バイオブレス
今回ルパンコレクションは二つ登場。一つ目は物凄ーーく簡略化された「バイオマン」のテクノブレス。弟が当時おもちゃを持っていましたが、凄く出来の良いものでした。この辺りから、トイがプロップにも使用されるようになったんでしたっけ。
星獅子
二つ目は、「ダイレンジャー」の星獅子。雲を発生させるという能力は、多分星獅子の技である「大蜃気楼」由来かと。香炉にアレンジしたデザインが見事でした。
次回
なんだか感想成分の薄い文章になってしまいました。次回はノエルをめぐって色々あるようですね。今回で私の中の不安要素はほとんど払拭されたので、純粋に楽しめそうですよ!
自分的に印象に残っている追加戦士は、タイムレンジャーのタイムファイアーですかね。もう一人のレッドにして、ライバルという第三勢力に近い立ち位置がラストも含めて印象的でした。
今回のノエル登場回は、本当に文句なしでしたね。個人的には冒頭のルパンX新聞に載る→圭一郎記事を読んで怒る→魁利登場→ノエル出現→逮捕。ここまでの流れが無駄なく本当に自然で、さらに警察、快盗双方と接点が出来るという・・・。実に感心しました。
ノエル自身は上位互換タイプというか、完璧なキャラクターという印象ですね。本文でも書かれていますが、原典のアルセーヌ・ルパンも表向きはああいうユーモアのある洒落男だったりするんですよね。その分闇も抱えているんですが。
Xトレインのコックピット移動も、ツボでした。ルパンカイザーとパトカイザーの合体時のシート移動も好きだったんですが、最近見ないですねぇ・・・。
ところで、他のメンバーにくらべるとシンプルな名前の高尾ノエルですが、やっぱり何かにひっかけてるんでしょうか。ノエルは確かフランス語でクリスマスのことだったと思うのですが。
私もタイムファイアーのインパクトは忘れられません。もう一人レッドを出すという挑戦的な設定は、後々まで影響を及ぼしてますね。
仰るとおり、冒頭の「仕掛け」の秀逸さは素晴らし過ぎます。よくあんなプロットを考えられるなぁ…と思います。
「ノエル」は確かにクリスマスですけど、どういう意味が込められているのか、まだ分かりませんね。どこかに考察が転がっていないか探してみます(笑)。
追加戦士登場の回、内容が盛り沢山で展開の速さと情報量の多さに頭がドキドキしっぱなしです。
今回一番驚いたのが追加戦士を演じる俳優、元木さんの身体能力の高さ!
跳んだり跳ねたり回ったりと、あんな風に動けるって素晴らしくて羨ましいです。
ギャングラーの金庫について「ステイタスダブル」とか「ステイタスゴールド」とか言っていましたが、金庫二つ持ち、ってギャングラーの中でも格上なんでしょうか?
あと、今更ながらゴーシュの金庫が金色なんだ、って気づきました。今まで何を見てきたのやら・・・汗
怪盗と警察、彼の本当の素顔はどっちなんだろう。。。笑
とにかく強烈なインパクトで初登場でしたので、次回も期待大です。
あれだけの内容を詰め込んでナチュラルに流れていく構成力、見事ですよね。
金庫の色とか数とか、何を意味しているのかよく分かりませんが、なんとなく「ダイナマン」の尻尾とかを思い出してしまいます(笑)。
ノエルの正体は色々想像できると思いますが、社会的地位は間違いなく警察官で、その志はアルセーヌ・ルパンの後継者という感覚ですかね??
高尾ノエル役の元木聖也さんですが、今年の4月までBSNHKの「おとうさんといっしょ」で、お兄さんをやっていただけあって、人気が出そうですね。
登場してからの流れが素晴らしく、ワクワクしながら見てたんですけど、一方今までの雰囲気と違う展開に、あまり変わって欲しくないな~という相反する思いにかられるのも、この時期の特徴ですか(おいおい)
とにかく、しばらくは彼を中心に動きそうなので、楽しみに見てみます。
それではまた
「お兄さん」の件は存じ上げませんでした。面白い経歴をお持ちなんですね。
雰囲気が少し変わるのは、まあこの時期仕方ないところではありますが、ノエルが調停役になって快盗と警察が和解するという話にはなりそうにないので、とりあえず安心です。
むしろ心配なのは、あれだけの能力がみるみる弱体化することです。前年のツルギとか酷かったので(笑)。