パトレンジャー単独回と称しても差し支えないエピソード。咲也をメインとし、圭一郎編とは少し違う角度から警察官の在り方を問う、コミカルながらも熱さのある好編でした。
今回、魁利たちは快盗の扮装こそあれ、変身後のシーンが皆無という挑戦的な作劇になっており、90年代のパターン破りを彷彿とさせながらも、パトレンジャーの活躍はセオリーどおりに描かれ、非常に面白い印象を与えてくれる構成でした。
戦隊初のパターン破りといえば…
いきなり本題からズレますが、これは申し上げておかないと当ブログとしてダメな気がするので。
「ゴレンジャー」では、メンバーが転換しない回は存在しません。逆にアオレンジャーは出て来ても新命が出て来ない話は散見されますが、これは単に宮内洋さんのスケジュールに配慮した措置でした。
その宮内さんが続いて登場したのが「ジャッカー」。その最終話の前編にて、宮内さん演ずる番場壮吉のチェンジしたビッグワンは登場しますが、なんと本来の「主役」であるはずの4人=ジャッカー電撃隊はチェンジしないまま次回に至ります。
この回は、メンバー間で恋愛模様を繰り広げるシーンも盛り込まれており(「仮面ライダーストロンガー」における茂とユリ子の発展形とも言えますが)、かなり実験的なエピソードなので、未見の方は是非。
スダル・ウルキュー
蛸壺がモチーフになっているギャングラー怪人。ネーミングですが、「ウルトラQ」に登場する大ダコ怪獣スダールが元ネタ??
怪獣番組のパイオニアにして、既に「酢蛸」をネーミングソースにしているぶっ飛んだユーモアに驚くと共に、今回それが引用されたと思しき事項に、二度驚く私でした…。
今回は姿を消すという本来の能力と、かまいたちを発生させるというコレクションの能力をちゃんと併せて利用し、社会に大混乱を巻き起こしました。パトレンジャーの「倒すべき相手」として格好のキャラクター造形となっています。
面白いのは、加えて咲也に対する逆恨みがあり、咲也が訳の分からないまま立場を危うくしてしまう展開になっていること。これで多層的なストーリーテリングを展開させ、クライマックスで収斂するという、見事な構成をものにしています。
梁上審議官
今回の最優秀助演男優賞はこの人に決まり。
世間体至上主義で厭味な上司をカリカチュアライズした、見事なキャラクターでした。最後の最後で、パトレンジャーがその活躍を大々的に報じられたことで掌を返すのも痛快でしたね。
この先も登場して欲しいですねぇ。一見無能に見える上司が、実は動かしがたい鉄の意志を持っているとか、燃える展開ってよくありますよね。そんなのを期待してます(笑)。
咲也
ここのところ株が急上昇中の咲也くん。
今回はスダルの人間態によるナンパ攻撃から女性を救ったことで、スダルに恨まれるという役回り。とは言え、スダルが咲也の命を狙うという話にはならず、透明能力を使って咲也に審議官や他の面々へ無礼を働かせるという、なんとも卑怯かつ稚拙かつ効果的な復讐を果たすのでした。
スダルの所為で咲也に殴られる形となった圭一郎は、普段仲間を徹底的に信頼しているにも関わらず、怒りに震えるしかなかったところを見るに付け、実はちょっと危なっかしい後輩だと見ている節がありますね。事実、審議官に口応えしようとする咲也を止めてましたし。その危なっかしさが、とりあえず謹慎という処分を通させたというのも、強ち外れてはいないように思います。
70年代のウルトラシリーズでは、主人公にのみ囁く悪魔の声が周囲の信頼感を削いでいくという展開が多く見られますが、あれの少々コミカルな現代版という雰囲気もありました。
そんな咲也は、断片的な情報を元にスダルの正体に気付くという、捜査官としての優秀さの片鱗を見せるシーンに恵まれ、ますます株が上昇。クビ覚悟で飛び出していく往年の刑事ドラマっぽい展開もナイス。もう言うことなしなんですが、若干軟派な面がスポイルされつつあるので、もう少しそのあたりを頑張って欲しいですね(笑)。
経験者・透真
透真もギャングラーに濡れ衣を着せられた経験があり、そのことが咲也への「聞き込み」に繋がったのではないかと思います。
とりあえずはジュレも被害を受けているので、咲也への「尋問(?)」はギリギリ不自然ではないといったところでしたが、その会話が元で咲也に気付きがもたらされたり、カラーボールか何かでスダルに色を付けて透明化能力に待ったをかけたりなど、後のシーンに無駄なく繋がって行くあたりの醍醐味はさすがといったところでした。
透真がグッドストライカーにその怒りのほどを伝えて警察に協力するよう諭すくだりでは、咲也の代弁者としての役割をも果たしており、やはり前述の経験が強く影響しているようですね。
ヒルトップ管理官の株も
グングン上昇。
コミカルなシーンは当然のようにこなし、シリアスなシーンでも包容力と厳しさをちゃんと感じさせるのが凄いです。自らも処分覚悟で咲也にチェンジャーを渡すなど、責任の所在についての自覚も完璧に弁えていて、歴代司令官に並ぶ存在感ですよね。
ゲキファン
コウモリの意匠の付いた、ゲキブルーの武器が今回のルパンコレクションでした。
モチーフが扇というレアな武器なので分かりましたが、今回は公式サイトでも「過激な」というワードにしかヒントが隠されていないので、そこから「ゲキレンジャー」を連想するのは至難の業。お手柔らかに頼みます…。
次回
いよいよ追加戦士の季節。と言っても20話で初登場というのは、結構遅めですね。奇抜なポジションのキャラクターなので、色々と楽しみです。
ジュレで咲也が操られたシーン、殴られた圭一郎が初美花に乗っかって気絶していたのは羨ましい。。。色々と配慮してるのか、頭が乗っているだけでしたが。笑
圭一郎がお詫びに持ってきた「パトレンまんじゅう」ってやっぱり3色まんじゅうなのでしょうか。中身がちょっと気になりました。
そして、グッディに嗅覚があったとは!!
今回の活躍はまさに警察犬並みの活躍ですね。ところで鼻の穴はどこにあるんだろう・・・?
ルパンコレクションは「ゲキファン」でしたか。
まったくもっての余談ですが、実は私はゲキレンジャーを見ていなくて、でもCMでやってる「キュウレンジャースペーススクワッド」にメレが出ているのでキャラクターを知るべくレンタルしてみている最中なんです。
ちょうどシャッキーチェン辺りまで見ていたので、主様の解説とリアルタイムさにビックリしました。
いよいよ来週は追加戦士。予告シーンから見える雰囲気として魁利とケーハクっぽさが被るキャラにならないか心配ですが、今はただただ黙って待ちましょう。
すいません。名前が消えてしまいました。
6月20日 8:38 のコメントは「白秋」です。
警察犬と言えば、やはりデカレンジャーのマーフィですが、グッドストライカーも頑張って存在感をアピールしていますよね。やっぱり三ツ矢さんの芝居が素晴らしいからでしょうか。
ゲキレンジャーは私が戦隊ファンサイトに乗り換えた記念すべき作品なので、色々と思い出深いものがあります。元々カンフー映画も好きだったので、余計にハマりましたね。
咲也の悪い意味で今時の若者的なところが出てしまいましたね。それでいてやはりパトレンジャーに選ばれるだけの優秀さも兼ね備えているという。
お詫びの品として、宣伝を兼ねた(?)パトレン饅頭を渡すところが実に圭一郎らしいズレたところ。しかし、その品を咲也にまわしてしまうのは、流石に失礼ではないかと(汗)。
そして、なんだかんだでルパレン側からのパトレンの面々に対する好感度が上がっているという事実。素顔の状態では、本当に仲良くなっているみたいですよね。
あとになってルパレンが変身していないことに気がついたのですが、中間とも言える快盗姿になっているので、まったく仕事をしていないわけではないところが上手いですね。大人の事情的な部分では、それだけ予算も節約できるでしょうし(苦笑)。
今時の若者っぽさ、意外と戦隊ではスルーされる要素(単なるキャラ付けに過ぎない作品は割とありますが)なので、咲也の造形には新鮮味がありますよね。
私もパトレンまんじゅうを咲也に回したのは「ナシ」だと思いました。ギャグなんですけど、怪盗紳士の後継を名乗るにはちょっとね…という感があります。
大人の事情に関しては、普段着とは別にユニフォームがあるのは強みですね。
カクレンジャーやゴーゴーファイブ、宇宙刑事の艦内服が近いところでしょうか。
透明な敵に色を付けて見えるようにする話は、帰ってきたウルトラマン第7話「怪獣レインボー作戦」に出てくる怪獣ゴルバゴスが有名ですが、今回はルパンコレクションを奪う為だけで、後は関係なかったです(汗)
梁上審議官のようなキャラが出てくると作品に厚みが出てきますね。
そもそも警察戦隊なのに5人(4人+1体?)しか出ないので、非常に世界観が狭い戦隊でしたが、こうして、他のキャラが出てくるのは嬉しいです。
今回変身しないルパン側は大人の事情があったのかもしれませんが、ブレッツ・アレニシカの体(頭部は別)を再利用したスダル・ウルキューといい、現場の努力はすばらしいものがありますね。
次回はいよいよ新キャラ登場、さてどんなタイプなのか待ち遠しいです。
それではまた
怪獣レインボー作戦、いいですよね。まだMATがギスギスしてて、それでいて任務が粛々と進んでいく感覚がいいです。
上司の造形は、感覚的に「相棒」あたりの影響が強いですね。同じ社の制作ですし。色々な人物が出て来て欲しいとは思いますが、パトレン側の層だけを厚くするわけにも行かないでしょうから、難しいでしょうねぇ。
追加戦士は毎年結構不安なんですけど、出てくるとすぐに慣れるというパターンの繰り返しなんですよね(笑)。