Gアーマーといえば、その玩具的なシステムやフォルムによって、劇場版では「なかったこと」にされてしまった、不遇の機体。しかしながら、シンプルなシステムであるガンダムに、変形合体の醍醐味を付加する魅力等からファンも多く、MGでもHGUCでも商品化される事となりました。
RX-78-2 ガンダムのHGUC版は2001年5月、GアーマーのHGUC版であるこのキットは2004年10月に発売。HGUCガンダムは、数あるガンダムキットの中でも人気が高く、組みやすさと完成度のバランスは随一と言えるでしょう。
HGUC Gアーマーは、このガンダムの一部パーツを仕様変更し、Gファイターをセットしたもの。劇中に登場した形態全てをほぼ完璧に再現する事が可能な、プレイバリューの高さを誇ります。
ガンダム自体は、合わせ目を消さなければならない部分が割と多いのですが、Gファイターは殆ど合わせ目を消す箇所がありません。Gファイターのフォルムは、劇中設定とギミックを巧く折衷したものとなっており、満足度は非常に高いものとなっております。
今回はアンテナを削った程度で、他はキットそのままです。いじるのが勿体ないくらい、HGUCガンダムのスタイルは好きですね。
塗装は例によって黒サフ、GXクールホワイトによる白立ち上げとしています。コアファイター関係の塗り分けはかなり面倒ですが、ここをキチッとやっておくと完成度がグッと上がります。
まずは、HGUCガンダムから。
パースが付く構図だと、アニメの印象にかなり近づきます。モールドも控え目でスッキリしたフォルムです。
上半身アップ。頭部のモールドは十数年前のキットでもシャープですね。
リアビュー。脚部の艶めかしいラインが印象的。なお、関節はグレーでなくややくすんだホワイトとしています。その方がアニメ設定に近いので。更に、拳は往年の色指定であるグリーンに。
全ての武装を外した状態。やはりグリーンの拳は正解です。
ビームサーベルはクリアパーツが二本付属しています。さすがにRGや新しいMGのようなアクション性は持ち合わせていません。
肩の引き出し関節により、ビームライフルの両手持ちが難なくこなせます。シールドの裏は、赤系に塗っておくとアニメっぽくなります。シャアザクの赤を使用しました。
ハイパーバズーカが付属。合わせ目をバッチリ消しておくと、一体感が出て雰囲気が良くなります。構えは自然。
ハイパーバズーカは、パーツの差し替えにより腰部にマウント出来ます。旧HGから定番となっているギミックですね。
フル装備状態。ビームジャベリンやガンダムハンマーといった武器は、残念ながら付属していません。
同スケールのコアファイターが付属。キャノピーは100均のラピーテープでデコレートしました。
コアファイターのリアビュー。ランディングギアも塗り分けました(見えてませんが・笑)。
続いてGファイターです。
Gファイターにはスタンドが付属しています。なかなかシャープなフォルムです。
リアビュー。Gアーマーのバーニア周りにはかなり充実したディテールが施されています。
コクピットには、HGUCガンタンクのような「こけし」が座っていたので、ビルダーズパーツHDのMSフィギュア01を切り貼りして載せました。セイラをイメージしたカラーリングで。
ビームキャノンの砲身は可動。この砲身は合わせ目があるので、消しておくと良いでしょう。
キャタピラを内部に収納し、主翼を後部に回して高速形態に変形。ただし、劇中ではキャタピラは半分収納された状態であり、キットで無理矢理再現出来ない事もないですが、少々不格好になってしまうので、独自解釈は正解かも。
さて、ここからは合体を。
まずは下準備。合体させると脚部の塗装が剥がれまくるので、クッキングシートで保護(笑)。
ガンダムとGファイターを合体させると、Gアーマーに。各部のロック機構が優秀で、一体感があります。
Gアーマー正面から。長い機体ですね(笑)。
リアビュー。ガンダムの露出部は少々不格好な印象ですが、そこがまた味でもあります。
戦車形態のGブル。劇中設定を再現する為に、腹部装甲を外せるようになっており、MG版よりも再現度は非常に高いです。
Gブルのリアビュー。
Gブル・イージー。コアブロックがなく、腹部装甲を装着。この再現度もピカイチです。
キットの説明書にない遊びを。シールドに余ったポリキャップを取り付けます。
それをGファイター前部に取り付けると、Gブル・イージー・イージーを再現可能!
戦闘機形態のGスカイ。コアファイターとBパーツは専用パーツで接続します。
Gスカイのリアビュー。
Bパーツを除いた戦闘機形態のGスカイ・イージー。「二次元のウソ」を補完すべく、専用パーツを使用します。違和感のないアイディアが秀逸。これが劇場版のコアブースターの元になっているようです。シルエットに共通部分が多く見られます。
そして、対ザクレロ戦で見られたガンダムMAモード。珍妙な形態ですが、結構人気のあるモードであり、HGUCで真面目に再現したのは素晴らしいと思います。
ガンダムMAモードのリアビュー。
ガンダムは、AパーツとBパーツに分割出来るよう仕様変更が行われていますが、腹部の豊富なパーツによって、ガンダム自体の合体をある程度再現出来ます。
Gブルイージー用の腹部パーツを使えば、劇中のAパーツを再現出来ます。
Gブル用のコアブロックは、著しく出っ張った接続軸を除けばコアブロックそのもの。
軸合わせに続いて合体!
ややGファイターは小さめですが、ちゃんとガンダムを載せる事が出来ます。ディスプレイの幅が拡がりますね。
合体による脚部の塗装剥がれ以外は、すこぶる完成度とプレイバリューが高いキット。パチ組みで遊びまくるのもいいかも知れません。
Gアーマーだとやたら長いのに、GファイターになるとSD体型になって「可愛く」見えてしまうのが面白いんですよね。
私はZZとかVとか三機合体に妙にハマッてしまいまして、(でもなぜかSガンには興味がない)ハイコンZZの軟質素材で出来たアンテナがビョン、となるの見て、「これHGと混ぜたら完全変形できんか?」と思って幾星霜です。
Vガンもトップリム、コアファイター、ボトムリムの合体から一気に変形するのをやりたいんですが、MGも昔の1/60V2も一回分割してから変形させて合体し直さないといけないのが不満でした。
そういやVの飛行形態って具体的な名称がなかったような気がします。Vファイターとでも言うんでしょうか。
私も合体系ガンダム好きです。でも、ちゃんと変形合体して丈夫なキットって、ないんですよね(笑)。
VもV2も、細かい部分が結構無茶な変形なので、一体変形を再現出来るものって、出現しそうにないですね。
Vの飛行形態、設定画自体もなかったように思います。恐らくあの形態は現場処理なのだと思いますが、後付けでの名称も付加されない辺り、作品人気の尺度と言いますか、何と言いますか…(笑)。