トランスフォーマー・マスターピースブランドの第17弾として登場したのは、サイバトロンのブレーンである戦略家プロール。
ダイアクロン・カーロボット時代における人気車種であった、NISSAN フェアレディZ 280Zをモチーフとし、なおかつ子供に人気のあるパトカーという事で、カーロボの中でも人気の一体でした。
そのフェアレディ・モデル自体は、数あるカーロボのラインナップ中、エポックメイキングとも言うべき変形パターンを持ち、下半身の回転や大胆な「胸ボンネット」、ヒロイックな頭部造形等、以後のカーロボの指針を示した重要なモデルです。その影響の大きさは、サイバトロン・エンブレムのデザインの元が、このフェアレディ・モデルの頭部であった事からも伺い知れます。
さて、今回のマスターピース版ですが、完成度の高いオリジナルの変形ギミックを踏襲しつつ、よりアニメ設定に近いプロポーションになるよう、各部を大幅にブラッシュアップ。特に目を引くのは、ドアに角度が付くこだわりのギミックと、脚部の伸縮ギミック。特に後者は、スマートなアニメ設定を再現すべく、単なる伸縮ではなく複数の関節部で複雑に折りたたむ方式となっており、細身のイメージを持つプロールの脚部を見事に再現しています。
ビークルモードは、日産自動車の監修を経ただけあって、実在感は抜群。国産車でありながら、北米市場を意識したトランスフォーマーならではのマーキングが「らしさ」に拍車をかけており、完成度は非常に高いものとなっています。バイナルテックやGTといったシリーズのコンセプトとは異なり、内装や車としての構造を再現しているわけではありませんが、G1アニメの忠実な再現という意味では、これ以上のものはありませんし、バリエーションとなるストリークやスモークスクリーンにも俄然期待出来るというものです。
まずはロボットモードから。
フロントビュー。アニメ設定にグッと近づけたプロポーションの解釈と、マスターピースとしての機能性を示す密度が秀逸。オリジナルのトイもアニメ設定に近く、完成度の高いものでしたが、肩の砲塔の有無、よりウイングらしさを表現したドア、スマートな脚部等、様々なブラッシュアップが見られます。
真正面から。プロールらしいプロポーションに、違和感なく可動を盛り込む工夫を見て取れます。オリジナルと比べると、随分とヒロイックな体型になっています。
リアビュー。旧トイに近似した外観を持ちます。脚部は複雑な折りたたみ機構の為、後ろから見るとスカスカになってしまっていますが、機構自体の密度の所為か、あまり気になりません。サイドウインドウの処理に注目。
上半身アップ。ボンネットそのものが主張する胸部はやはり「素晴らしい発明」だと思います。頭部はアニメ設定に忠実な、知性を感じられる造形。赤い部分にやや塗装の荒れが見られましたので、撮影後にレタッチしました。
手持ち武器として、セミオートマチックライフルを装備。ランボル/アラートは武器を掌にジョイント接続しても、握り込むと外れてしまいましたが、こちらはジョイントと握り込みとの兼ね合いが完璧でした。
ストリークの為にあると言っても過言ではないギミックを搭載。背中にショルダーキャノンを収納しています。
このように上部へ展開します。
砲身を伸ばせば、ショルダーキャノンの装備完了。アニメでは装備していませんが、シーンによっては装備しているカットがあるようです。確認出来てませんが…。
なお、Amazon.co.jpの予約特典として、ミサイルランチャーが1基付属していました。ショルダーキャノンに取り付けて、オリジナル・トイの雰囲気を再現する事が出来…ていません(笑)。ストリークにも1基付属する予定なので、2基揃えて再現して下さいね、という事。
アクション性はマスターピース標準といった具合で、一通りのポーズは再現出来るでしょう。
下から見上げると、いかにもプロールといった雰囲気で、嬉しくなってしまいます。
ここからは、トランスフォームの過程を。
まず、下半身を180度回転させます。
下半身を180度回転させたら、背中のジョイントを解除。
背中のジョイントを解除すると、内部機構が露出します。
ボンネットの中央パーツを展開。オリジナル・トイでは頭部と一体化していた部分です。
続いて脚部を畳みます。
数箇所の関節をたたみ、コンパクトに収納。
サイドウインドウを所定の位置に展開します。
続いて、脚部の内側のパーツの変形。
脚部内側のパーツを、180度展開します。
脚部を収納していきます。回転ギミックだけでなく、関節を用いた移動も盛り込まれ、スマートな脚部をどのように再現するかという工夫を見る事が出来ます。
両脚部を格納した状態。
左右をジョイントで固定します。
中央パーツを収納します。
かかとのパーツも収納します。片方がエギゾーストパイプになっているのが面白い処。
続いて、ボンネットの変形に入りますが、準備として、腕部を所定の位置に動かしておきます。
腕部を左右に開きます。
肩部を動かして、タイヤが下向きになるようにします。
ボンネットと胴体のジョイントを外します。
ボンネットを展開していくと、内部にフェンダーミラーが格納されているのが分かります。腕部は、基部ごと前に90度倒します。
この時点でこのような形状になっています。
ドアを水平にします。なお、ショルダーキャノンが写真のように水平になっていないと、後で支障が出るので注意。
ドアを閉じます。後部とジョイントを接続する為、基本的にビークルモードでのドアの開閉は前提とされていないわけです。
横から見た図。フェンダーの部分がありません。前述のように内部に畳まれており、頭部基部の固定部品としても使用されています。
フェンダー部を所定の位置に展開します。
頭部を収納していきます。ここのクリアランスは見事と言うほかありません。
このように格納されます。
車体上部を所定の位置に移動させます。
後部、ボンネット中央部の順番でジョイントを接続します。
ここから腕部を収納していきます。
オリジナル・トイの┌と┘を組み合わせるような秀逸な収納方法は鮮烈でしたが、今回はオーソドックスな畳み方となっています。
左右の腕部をジョイントでカッチリと合わせ、収納します。
カーモード完成。カウンタックモデルよりも分割線が少ない為、より実車のイメージに近くなっています。分割線の入り方は、オリジナル・トイを踏襲しているのが実に興味深い処。
フロントより。この独特の顔が懐かしいですね。機能美に溢れていると思います。
サイド。内部のショルダーキャノンが目立ちますが、外装としては実車の印象に非常に近いです。
リアビュー。塗装で再現されたランプ類がややチープですが、コンパクトなリア部がよく再現されています。
セミオートマチックライフルは、グリップを変形させてカーモード用の接続部を出す事が出来ます。
このようにパトランプの上部に接続可能。オリジナル・トイにもアニメにもないギミックですが、余剰パーツを極力何とかするという、最近のマスターピースの方針に従っているようです。
予約特典のミサイルランチャーも後部に接続する事が出来ます。これもやはり2基装備したい処ですね。
このプロールは予想の遙か上を行く完成度でしたので、ストリークもスモークスクリーンも安心して待機出来ます。特にスモークスクリーンは、アニメにおける設定画がプロールと大幅に異なる為、色々と差異を再現する為の工夫が盛り込まれるようです。楽しみですね。
この勢いで、マイスターやホイルジャックといった面々、そして悲願のアイアンハイドまで行って欲しいものです。
ハリウッド版のトランスフォーマーがどうしても受け入れられない(あのデザインで砂とか入ってジャリジャリしないのか?)ので、良いですねぇ、この形。これからもレビューを期待しております。
話は変わりますが、ガンダムビルドファイターズの第一話にギャンが出てきたのでこちらのブログを思い出してしまいました。ラルさんって何者なんだ・・・(笑)
私も何だかんだ言いつつも、やっぱりG1トランスフォーマーのデザインが大好きなんですよね。
マスターピース「だけ」は何とかして買っているので、これからもレビュー(?)します。よろしくお願いします。
ガンダムビルドファイターズ、意外に評価が高いようですね。私はまだ見ていないのですが…^^;