トランスフォーマー・マスターピース第12弾は、ランボルという意外なセレクト!
今回、マスターピース化されたランボルは、カーモードでコンボイのコンテナ内部に格納出来る大きさとなっており、ロボットモードでは、アニメ劇中のイメージよりもやや小さい背丈になっています。大きさの概念が薄いG1において、初代トイの、特に初期ラインナップの対比は感覚的に納得出来るものであり、今回のランボルの大きさにも影響を与えていると思います。
なお、サイズが小型化されたことにより、値段も従来のマスターピースと比べて安価になりました。サイズとプライスのダウンは、コレクターにとって嬉しいものではないでしょうか。今後は、従来のものを踏襲した大型のハイプライス商品と、小型のロープライス(といっても、スタンダードなTFよりは高めですが)商品の両方をバランス良くラインナップに加えていくようで、展開が楽しみです。
ところでこのランボル、これまでのアイテムとは異なり、カーモードが実在する車とあって(スタースクリームも「実在する戦闘機」ですが、コンシューマ向けのマーチャントではない)、ランボルギーニ社の正規ライセンスを受けて商品化されています。旧トイも同モチーフでしたが、当時は実におおらかで、ライセンスなど何処吹く風(笑)。TFにライセンスという考え方が登場するのは、恐らく「カーロボット」のJRXではないかと思うのですが、本格化したのはバイナルテックから。バイナルテックにおける「ランボル」は、ランボルギーニを彷彿させるネーミングにも関わらず(本来はSideswipeなのでNo problem)、モチーフがダッジバイパーになっており、バイナルテック展開当時のライセンス取得の困難さが窺い知れます。
晴れて、オリジナルの姿を、しかも「お墨付き」の形で再現する事となったランボル。バイナルテックも素晴らしい商品でしたが、やはりオリジナル・スタイルが復活する喜びは格別中の格別。その上、あの超ローダウンな極薄ボディが、マッシヴなロボットモードへと変化する醍醐味は素晴らしいの一言であり、バイナルテック〜オルタニティの流れとはまた別の「トランスフォーマーとしてのリアルさ」は、マスターピースならではでしょう。
まず、ロボットモードから。
アニメ設定を踏襲したロボットモード正面。左肩のミサイルランチャーが、ランボルの特徴となっています。元々、旧トイ自体もアニメとのイメージの相違が少ないアイテムでしたが、肩部のタイヤがなく、脚部の処理がよりロボットらしくなった事で、よりアニメのイメージに近づいています。
真正面から。旧トイと各部のバランスが近似していますが、カーモードの「薄さ」を再現する為に、様々な機構が盛り込まれています。
リアビュー。脚部に注目。カウンタックのリア部のモールドが施されていますが、実はフェイク。実際にリア部に表出するのはこの部分の裏側であり、アニメ設定を再現する為にわざわざ刻まれたものです。
上半身アップで。頭部は、バイナルテックのランボルと比べても、よりアニメ設定を意識したものになりました。正にランボルそのもの。
アクション性能もマスターピースらしいものとなっています。構えているのは、フレアーガン。設けられたダボによって保持する機構で、しっかりと握り込めないのはやや残念。
両手を収納し、付属のパイルドライバーを取り付け可能。
Amazon.co.jp先行予約特典である、メッキバージョンのパイルドライバーも同様に取り付けが可能です。
ここからは、トランスフォームの過程を追ってみましょう。
リア部から変形を開始します。
バックパックを展開し、上部に移動。
続いて腕部の変形です。
腕部のカバーを展開し、拳を基部より回転させて収納します。
カバーを閉じて完全に収納。ここで、カバーの閉じ具合が完全になるよう、やや強く握り込んでおくと、カーモードでの一体感が増します。
両拳を収納したら、そのままバンザイ状態にします。
肘関節を屈曲させ、肩の付け根と下腕を接続します。
頭部をカパッと開きます。ここがカーモードをコンパクトにする為の秀逸な工夫の一つ。
胸部と腰部のジョイントを外し、胸部を上に跳ね上げます。
続いて、腰部を伸展させます。
このように伸展します。この辺りの機構には、オルタニティのノウハウが活かされているように見えます。
次に、腰部のフロントアーマーを…。
このように上に展開します。
脚部はいわゆる「ハコ」になっており、足首に見えているカーモードのリアバンパーによるロックを解除して…。
脛のバネルを上部に跳ね上げ、下肢の内側のバネルを折りたたみます。
続いて、足の変形。
ここはもはや定番。かかとを足に収納し、伸ばします。その際、カーモードのリアスポイラーを立てておきます。
脚部は当アイテムで最も複雑な機構が集中しています。まず、サイド部分を回転させます。
そのまま膝で折り曲げ、足の裏が背中に付くようにして行きます。
各部をロックしていくと、カーモードのリア部が形成されます。旧トイでは伸縮させていた部分を、屈曲で代替する事により、容積を減らしています。
展開していたサイド部分を更に収納していきます。
更に、カーモード上部をロック。
リアスポイラーも定位置へ。リア部はほぼ完成です。
ここから腕部の移動です。肩の基部ごと後ろへ回転させていきます。
腕部をロックすると、カーモードのサイド部分になります。
最後に、フロント部分を定位置へ回転させていきます。
フロント部をロックし…。
前輪を展開すれば、カーモード完成!
ドアの辺りに分割線が目立つ構成ではありますが、スタイリング自体はカウンタックLP500Sそのものといった趣です。素晴らしい。
カーモードのフロント。カーモードでは全面的に塗装面が表出するようになっており、なかなかに美麗。ヘッドライトのクリアパーツは、非常に透明度の高いものとなっており、その全体の雰囲気を良質なものにしていると思います。
サイド。前述のように分割線が目立つ構成。この部分は、変形過程でよく調整しておかないと、隙間に悩まされる箇所です。
リアビュー。脚部の構成上、バンパー下に実車にないパーツが露出してしまっていますが、TFらしい雰囲気でまとめられている為、私としてはあまり気になりません。
ミサイルランチャーとフレアーガンを合体させ、取り付ける事が可能。取り付け箇所はスプリングによって塞がる構造になっており、その機構自体に高級感が漂います。
MP-10 コンボイのコンテナに収納可能。これはダイアクロン世代にとって非常に嬉しい配慮ですね。車体下面を盛大に擦ってしまいますけど(笑)。
スロープの角度がキツいので、やはり盛大に擦ってしまうようです(笑)。しかし、やっぱりいいですよね、基地遊びは。
MP-10 コンボイとの対比はこんな感じです。アニメ本編からすると、コンボイがややオーバースケールな感はあるものの、ロボット、ビークル双方のスケール感の落とし処としては、絶妙なのではないかと思います。
このランボル型のリペイントキャラとしては、アラートが居り、既にマスターピースのラインナップが予定されています。同型のトイでありながら、アラートはアニメにおけるデザインがランボルと大幅に異なる為、「アラートに見せる」為のパーツ変更等が施されているようで楽しみです。
ランボルは非常に満足のいくアイテムだったので、これから、初期のいわゆるオートボットが充実してくれると嬉しいですね!