バンダイのスター・ウォーズ商品、とりわけプラモデル群は活気がある印象ですが、そのプラモデルの新ラインである「ビークルモデル」は、小サイズの箱スケールモデルながら、その細密なモールドでスケール感を惑わせる面白いシリーズとしてスタートしました。
スター・デストロイヤーと同時リリースとなった、このXウイングは、バンダイとしては先発の1/48や1/72といった大中型モデルを、そのまま縮小したかのような密度感で、スター・ウォーズファンや模型ファンにアピールしました。
Xウイング自体は、スター・ウォーズを象徴するメカニックの一つであり、最新作「フォースの覚醒」でもそのマイナー・チェンジ版が登場するなど、人気の高い機体です。国内外問わず、多くのメカデザインに影響を与えました。
キットについて
シルエットのシンプルさとは裏腹に、結構複雑な構造をしているXウイングですが、少ないパーツがパズルのように組み合わさり、その形状を成立させる過程が当キットの凄さです。
掌サイズの小スケールなので、キャノピーがクリアパーツになっていなかったり、パーツによる色分けが皆無だったりと、それなりに「廉価版」の匂いもします。ただし、完成後はそれらの要素がデメリットになることはなく、むしろ「味」になっている辺り、企画の確かさが感じられるところです。
塗装について
合わせ目は基本的に気にしなくて良いです。黒サフ後にベースカラー(Mr.GXホワイトとグレー少量)をベタ吹きし、足りない色を適宜補っていきました。
このキット最大の問題点は、デカールではなくシールが付属しているところ。今回は、このシールを使ってどこまで塗装っぽく出来るかにチャレンジしました。というより、シールを使わないと面倒なマーキングばかりなのです(笑)。
シールはなるべく余白を切り取って、注意深く密着させました。その後、先のベースカラーでシールの上からドライブラシを行い、ベースカラーに馴染ませました。さらにシャドウ吹きを施す際にも、シールの上から遠慮無く(シールを侵食しないよう注意して)行い、あくまで塗装として扱うことで、違和感を軽減しています。ウォッシングについても同様です。
最後にガイアカラーのEx-フラットクリアーを全体に吹いて終了です。勿論、シールにはあらかじめ砂吹きしておきました。
なお、R2-D2は物凄く小さいながらも、ちゃんとR2-D2として彫刻されているので、頑張って塗装すると完成度がぐんと上がります。また、ノズル内部はシルバーとガイアカラーの蛍光ピンクを吹きました。勿論、ブラックライトで光らせる為です。
各部ショット
いわゆるルーク機のカラーリングになります。各部の精密なモールドがスケール感を麻痺させます。
リアビュー。比較的シンプルなフロントビューに比べ、細密なモールドがビッシリといった印象。スラスター部はウォッシングとシャドウ吹きを派手にして、反乱軍メカらしくしています。
なんと、このサイズでウイングを閉じることが可能。しかも2パーツがちょうどクロスするような構成で、左右の連動がそれっぽく見えるようになっています。なお、ディスプレイスタンドが付属し、ボールジョイントで角度が付けられます。下面のモールドも精密。
エンジン部分の密度は凄まじいことになっています。これ、掌サイズですよ。
R2-D2を頑張って塗りました。R2の周囲の彫刻も凄い事になっています。エンジン円パーツのゴールドの部分は、シールだとモールドを潰してしまうので筆塗りとしました。
ブラックライトでノズルが光ります。蛍光ピンクは写真との相性が今一つなのか、ちょっと分かり難いですが、実物はもっと光って見えます。お手軽に電飾っぽい効果が出るのでオススメです。
次は最新作のXウイングとタイ・ファイターがリリース予定。サクサク組めるので、本当に楽しいシリーズです。塗装で完成度を飛躍的に上げられるので、塗り甲斐もありますしね!