ウルトラシリーズのメカコレ第三弾は、大方の予想を良い意味で裏切った「特殊潜航艇S号」。ウルトラマンの第一話で「特殊潜航艇S16号」としてデビューして以来、都合三隻が登場。後発の二隻はそれぞれ、S21号、S25号となっていました。
S16号が第一話でビートルに搭載されて竜ヶ森湖まで運ばれ、ベムラーを空海二面攻撃する様子は、特殊装備で怪獣に対処する科学特捜隊の近未来感を印象付けるのに一役買っていました。ウルトラマンと一心同体となった後のハヤタ隊員初の活躍が、この特殊潜航艇S16号に搭乗してのものだったという点も外せません。
カラーリングはビートルとの統一感が担保され、トータルイメージの構築に貢献しています。流線型のラインから漂う近未来感も抜群です。
キットについて
立体化の機会が少ないメカなので、貴重なリリースとなります。ビートルと同様、カラーリングはパーツ分割とデカールにて再現されており、デカール自体は少なめなので、完成にこぎ着けるのは容易です。
セイル部は、説明書の上では差し替えによって展開状態と収納状態を再現できる仕様となっていますが、実際には内部のパーツを前後に動かすことで可動するようになっており、ボディの主部品を接着した後でも両状態を再現することが可能です。
なお、ミニサイズ版も付属しており、ビートルの下部に取り付けられます。メカコレを集めれば遊びの幅が拡がる、この配慮は嬉しいですね。
塗装について
黒サフ、クレオスの基本色シルバー、シャインレッドという順序はビートルと同様。デカール貼り付け後のクリアーがけ、研ぎ出し、シャドウ吹き、ガイアカラーのセミグロスクリアーという手順も同様です。
なお、このキットはシルバーボディの真ん中に合わせ目が出るので、ちゃんと消しておけば完成度が上がります。
各部ショット
流麗なスタイルを的確に再現したキットです。ナンバリングは劇中の三隻分から選択出来ます。ここでは順当にS16号仕様を選択。流星マークの発色が非常に良いです。
リアビュー。後部の曲面は合わせ目を消すのが少々手間となります。安定翼パーツを取り外すと、セイルの上下スイッチとなるパーツを露出させることが可能となります。
下面はスッキリ。赤いパーツが回り込んでいる辺りは面白いところ。
セイル収納状態。単純なギミックですが、シルエットが変わって印象も違って見えます。
ミニサイズのS号との対比。このミニサイズのカラーリングはデカールによる再現となりますが、小面積の曲面に貼り込む苦労はなかなかのものです(笑)。
ミニサイズ版をビートルに装着。専用のディスプレイスタンド用パーツも付属しているという充実振りが嬉しい処。
実に格好良いです。ちゃんとVTOL用のバーニアを避けて装着する辺り、設計の確かさまで感じられます。なお、ミニサイズ版も安定翼の取り外しギミックがあるので、セイルを取り外して搭載モードにします。
初代ウルトラマンの第一話に登場するメカではありますが、一応マイナーなメカだけにリリースには驚きました。丁寧に設計されているのが分かる構成で、以降のメカコレにも俄然期待が高まるというものです。