Night Rider, a shadowy flight into the dangerous world of a man who does not exists.
ナイトライダー。陰謀と破壊と、犯罪の渦巻く現代に蘇る、正義の騎士。
というわけで、買ってしまいました。COMPLETE BLU-RAY™ BOX。財政的なものは度外視。飾ってなくてしまい込んでいたトランスフォーマーを売却して買いました(笑)。
COMPLETE BLU-RAY™ BOXの内容
ボックスの内容は上の写真のとおり。勿論、冒頭の写真手前のナイト2000は含まれません(このナイト2000はプラモデルです)。
外箱は、美麗な光沢加工が施されたシンプルなものです。ナイトフラッシャーのあしらわれたデザインがクール。「KNIGHT RIDER」のロゴは当時のタイトルロゴではなく、近年使用されているものですね。
BDはシーズン毎のケースに各々6枚ずつ納められていて、概ね1枚あたり3~4話ずつ収録されています。ほぼ、既発のDVDと同様の構成です。
初回特典として、パイロット版の日本放映版である「電子頭脳スーパーカー誕生」のレプリカ台本が付属。中身をパラパラと眺めて見ましたが、その資料価値はなかなかのもの。手書きの台本である事にも驚かされました。本編との差異を比較してみるのも一興ですね。
付属のブックレットはなかなかのボリュームで、マニアックなトリビアも付記された各話解説が嬉しいものとなっています。本編を観る際の補足資料としては充分な内容です。これでも物足りない場合は、ナイトライダー・コンプリートブックが副読本として最適かと思います。
また、特典DVDが2枚付属していて、それぞれ「新ナイトライダー2000」と「ナイトライダー2010」を収録。こちらはBlu-rayではなく、日本語吹替版の収録もありませんから、本当にオマケ程度となっています。ちなみに、DVDとして「ナイトライダー2010」がリリースされるのは今回が初との事。
オリジナル・フィルムからのHD化
まず本編を再生してみて驚くのは、そのクリアな映像。勿論、撮影からHD収録している近年のドラマ程ではないですが、DVDやCS放送で見慣れていた画質とは全く違います。
最近、70年代や80年代の作品がBlu-rayとしてリリースされる機会も増えましたが、やはりアナログ・フィルムの持つポテンシャルの深さは侮れません。ズームや合成素材、焼き増し等、カットによっては独特の粒状感が強調される部分もありますが、普通のシーンではマイケルの髪の毛やボニーの睫毛まではっきり見えますし、ナイト2000のコンソールの文字も明瞭。スタントの仕掛けまでバレバレなレベルです(笑)。
目玉は日本語吹替
今回のBlu-rayの目玉は、何と言っても日本語吹替の充実でしょう。
日本における本放送では、シーズン1の半数に当たるエピソードが未放映となっていて、当然日本語吹替版も制作されていませんでした。DVDがリリースされた際も、それらのエピソードは日本語吹替版が収録されずに字幕版のみとなりました。
更には、超重要エピソードであるパイロット版が、日曜洋画劇場では日本語版にて放映されたにも関わらず、DVDでは何故か字幕版のみのほぼ映像特典扱いとなっており、ファンとしては何とも歯痒い状態でした。私はその仕様に納得出来ず、後年の廉価版セットが出るまで買いませんでした。
今回は、悲願だったパイロット版の日本語吹替解禁に加え、これまでカットされていた部分の日本語吹替まで新録。未放映の10エピソードまで追加収録が行われるという、感涙モノかつ大胆な仕様となっています。
しかも新録には、ささきいさおさん、野島昭生さん、中村正さん、小山茉美さんといったオリジナルメンバーが集結。この采配は正に神の巡り合わせといった処でしょう(大袈裟)。
日本語吹替の新録部分は
まだシーズン1の前半を少し観ただけですが、吹替の感想等を。
さすがに、四半世紀前とはそれぞれ声質が変わっていますが、「チャーリーズ・エンジェル」や「スパイ大作戦」、「宇宙大作戦」といった作品で慣れっこなので(笑)、あまり気になりませんでした。まぁ、気になる方は気になるでしょうけど。
中村正さんは御年84歳という事もあって、当時よりもトーンが高かったり滑舌に怪しい部分があったりしますが、あの独特な中村節は健在。
野島さんは、当時のK.I.T.T.とは若干異なる感じですが、こちらは声質というよりは芝居が変わったというか、発声方法が変わったという感じですね。エフェクトも当時のものと雰囲気が少し違います。当然ながら、近作である「ナイトライダー ネクスト」のK.I.T.T.に近いです。
ささきさんは、さすが歌手というべきか、当時と殆ど変わらないトーンと言い回し。ご本人が「スタローンばかりやってて最初は苦労した」と仰ったように、少しトーンが低めな場面もありましたが、気をつけなければ分からないシーンも多くあります。
小山さんは、シリーズ当初にボニー登場シーンが少ない事もあって、主に新録エピソードでの登場となりますが、当時より大人っぽい芝居になっている以外は殆ど印象が変わらないですね。エイプリルの潘恵子さんも楽しみです。
面白い処では、既に鬼籍に入られた内海賢二さん。K.A.R.R.の登場するエピソードにメインゲストの声として出演されていますが、従来カットされていた場面にモノマネっぽい追加収録が行われていて笑ってしまいました。
ちなみに、DVDではよくカットされていた小林清志さんによるシーズン1の締めのナレーションは、他のエピソードからちゃんと移植されて収録されています。また、同様にシーズン4のDVDには未収録だったオープニング・ナレーションも、TV放映版のものがちゃんと収録されていました。ただし、シーズン3のボニーの紹介については、DVDと同様に「元ナイト財団のメンバー」という日曜洋画劇場版のもので、レギュラー放映版とは異なります。
安くはないが…
そう、決して安くはないのですが、パイロット版の日本語版復活と、10エピソードの新録だけでも購入価値は充分あります。画質も良いし、BD自体のパッケージもコンパクトだし、私としては文句なしです。
このボックス発売の影響なのか、関連図書や「ナイトライダー ネクスト」の価格が急騰しているので、まだまだこの作品の影響力は大きいんだなぁと感じた次第です。
不具合?
些細な気付きなのですが、シーズン1のDisc4「潜入!殺人アカデミー テロリストの野望を砕け」のエンディングが何故か最後の2秒くらい再生されないまま途切れ、エンドクレジットもありませんでした。以前のDVDには存在する箇所なので、販売元に問い合わせてみようと思います。
2014/12/05 追記
上記不具合に関して、交換対応のご連絡を頂きました。12月中旬より、交換ディスク送付者に対して順次発送されるそうです。お知らせはこちら(pdf)。