「スーパー戦隊シリーズ通算2000回記念」!
前回はマーベラスと鎧のみが「変身前」で登場しましたが、今回はフルキャスト! ほぼ全編をバトルに次ぐバトルで繋いでいく凄まじい後編となりました。
前後編の常として、前編にあらゆる引きや仕掛けを詰め込んだ結果、後編ではその回収をしていくことになり、テンションが下がってしまうといったパターンが見られるわけですが、今回はその辺り完全に開き直っていて、ストーリー的な面ではおよそ「物語」といったものが存在することなく、マーベラス一味が何をしに来たのかという一点のみが「答え」として用意される展開に。
結果的に、アクションを矢継ぎ早に繰り出すことでテンションを前編よりさらに高く維持し、「スーパー戦隊シリーズ」のエッセンスを振り替えるに絶好の機会たる完成度を示していました。これがやりたかったんだな...という感想が真っ先に出て来ましたね。
究極のツンデレキャラ?
だれであろう、マーベラスのことです(笑)。
前回あれだけ煽っておきながら...という印象を禁じ得ない今回のマーベラスですが、やっぱり強くて優しい、一条寺烈に認められた一級の男であることに変わりはありませんでしたね。
今回の「答え」として、マーベラスはジュウオウジャーに大王者の資格の在処を教えるために地球に戻ってきた...ということが示されました。勿論、ツンデレマーベラスは肯定も否定もしませんが、仲間は当然の如く分かっているという構図が実に良い感じ。このようなお祭りエピソードで急に集まっても、瞬時に昔の仲間同士に戻るキャスト陣の心意気よ。感涙を禁じ得ませんね。
大和との会話の中で、マーベラスがわざとバングレイを引き付けて「お宝」を守ろうとしていたことなども説明され、そこから前回の数々の行動を憶測すると、大和たちが地球を守るスーパー戦隊に相応しいか否かを見極めていたようでもあるわけです。大和との関わりについては後述するとして、いつの間にか「先輩」に相応しい貫禄を身につけていたマーベラスは、スーパー戦隊の伝道者たる資格を得たと言っても過言ではないでしょう。
その伝道者としての役割は長きにわたり、「始まり」であるアカレンジャー=海城剛と、「最強の行動隊長」であるビッグワン=番場壮吉が担ってきましたが、遂に世代交代の風を感じることになったわけです。
究極の仲介者
こちらは伊狩鎧。宇宙海賊の中では唯一の地球人であり、前回では、様々な先輩の元に足を運んでレンジャーキーを貸してもらうという役回りを演じていました。この事実こそが、彼を究極の仲介者たらしめるものです。
今回は、ジュウオウジャー VS ゴーカイジャーの間に割って入って、両者が共にスーパー戦隊というカテゴリーに属することを説いてみせるという、非常に重要な役割を担っていました。前回においては、ジュウオウジャーとゴーカイジャーの間にある断絶は埋めがたい印象すら受けましたが、鎧が入ってきた途端に和解へ向かう...このスピーディさには唖然とする一方で、後編が一気呵成に、正にド派手に行くことを予感させます。
なお、この「仲介」の前に小芝居があり、操に近付いて会話(?)しています。沈む速度が著しく速い操と、初対面ですぐに話ができる辺り、凄いヤツですねぇ。
真理夫さんのアトリエにて
レッドを除く両戦隊が一堂に会するシーン、実に良いシーンでした。いきなり肩に手を載せてくるレオに、当惑するアイムと遠慮無くエルボーを喰らわすルカが白眉(笑)。饒舌なハカセ、もっと饒舌な鎧、寡黙だがイイヤツなのが滲み出ているジョーといった具合に、「その後」のゴーカイジャーを堪能出来る仕上がりでした。
スーパー戦隊が何たるかを理解するセラ達の神妙な表情には、その歴史に連なるにあたっての重みや覚悟といったものが浮かんでいた...とは言い過ぎでしょうか?
ジュウオウホエール=大和
単なるパワーアップではなく、イーグル、ゴリラ、ホエールといった別々のレッドヒーローに変身する大和。前代未聞のレッドなのですが、特にマーベラスのようなキャラクターと比べて大人しい印象があるためか、意外と弱めのインパクトに留まっている気がします。それ故に、ゴーカイジャーとの共演はインパクト獲得という面で優れた解だったのかも知れません。
そして、今回は大和の物語と言って良いと思います。サブタイトルは完全に「ジュウオウジャー」の中のトピック(即ちパワーアップ譚そのもの)を示しており、大和の特徴たる他者との関わり方(マーベラスとの出会いを「つながり」と称するのが素晴らしい)、観察眼といったものが前面に出されています。特に、マーベラスの真意を見抜く眼力は、正に視力のイーグルの面目躍如。さらに、「敵」ではないマーベラス相手に手加減しようとして、結局できなかったと素直に告白してしまうところには、マーベラスでなくともコロっと行ってしまうのでは(笑)。レッド同士でここまで萌えさせるとは、大和とマーベラス、恐るべし...。
ジュウオウホエールは、優雅さすら感じさせる「コスチューム」が鮮烈。ホエールチェンジガンの威力描写が凄まじく、ビームが宇宙に伸び、月を掠めたあと、また戻ってくるというマンガチックな描写が迫力満点で嬉しすぎるシーンになりました。
このバトルでは、バングレイの能力で「歴代戦隊のボス級キャラ再生」を実現し、何の脈略もなく過去のボスキャラが出てくるパターンを脱しました。この辺り、妙に理知的なんですよね。当然ながら、久々の豪快チェンジ大連発もあり、高い充実度を誇っていました。
電子満月斬り!!
巨大戦ではいきなりデンジマンのレンジャーキーが登場。何をするのかと思いきや、まさかの電子満月斬り!! 申し訳ない...これまでの素晴らしいシーン群が吹っ飛んでしまいました(笑)。エフェクトも当時のものを踏襲していて逆に笑ってしまいましたね。ライブロボなんかも出て来て、良いファンサービスになりました。
次回
お祭り編の後はどうでしょう。予告では色々衝撃のビジュアルが炸裂していましたね。今回キューブホエールが登場していないというのが仕掛けの一つになっている辺り、なかなか心憎いです。
竜門 剛
「ジュウオウジャーvsゴーカイジャー」的なお祭り回でありながら、ちゃんとジュウオウジャーのいちエピソードとなっているのが上手い展開でしたね。
ヲタクの常として、設定面が気になるところではありますが、本当に気にしては負けなんですよね~。
細かいところを言うと、マーベラスがなぜ大王者の証のことを知っていたのか、大和がなぜ歴代戦隊のことを知らないのか、一応ザンギャックが生き残っているのなら、バングレイが賞金首のゴーカイジャーたちを知らないハズはない、とか、そもそも歴代ボスをマーベラスは知らないんじゃあ・・・とか。
歴代ボスについては、レンジャーキーの記憶、とでも解釈すべきでしょうか?ホント、細かくてスイマセン(殴)。
ロボに相乗りしたり、自由すぎたりと相変わらずの海賊たちを見られたのは、実に楽しかったです。
今更なんですが、バングレイのデザインが海洋生物っぽいのは、キューブホエールやジュウオウホエールとの対比なんでしょうか?アザルドと色がかぶっているのが微妙だったのですが。
何気に、大和は陸海空、すべてのフォームを手に入れましたね。
天地人
前回と今回のバングレイの能力については納得でしたね。
まあ歴代のボス級キャラがあっさりやれられるのは、再生怪人以来のお約束とはいえ、苦笑してしまいましたが(おいおい)
100回記念作品が、カーレンジャーの伝説の野生の車編(20話)だったのに比べると、2000回はホント豪華でした(嬉)
しかも、電子満月斬り!!まで見れるとは(生きてて良かった)
>スーパー戦隊の伝道者たる資格を得たと言っても過言ではないでしょう。
ゴーカイジャーの最終回で、ラストにアカレンジャー=海城剛が登場しましたが、やはり、ここでバトンタッチしたって事でしょうかね。
こうなってくると、宇宙つながりでデカレンジャー&ギャバンとのコラボ編も期待してしまいます。
(ぜひ、東映さんお願いします。)
それではまた
quake
スーパーヒーロー大戦の映画ではどうやってゴーカイチェンジしていたのか分かりませんでしたが、ちゃんとキーを借りていたとは予想外でした。
それにしても大和は、ゴリラの力に続いてクジラの力まで手に入れるとは。この二つの力を合わせれば、巨獣ハンターバングレイでさえ逃げ出す力が出せるに違いありません。