とうとう大団円を迎えた「ジュウオウジャー」。毎年この時期は寂しくもありますが、総決算たる最終話を堪能できるのも、またこの時期しかないわけでして。
テーマを追いかけるドラマとしては、前回までに概ね終了を迎えていますから、あとは様々な「結着」が残るのみ。その「結着」がいかにテーマを体現したものかによって、満足度は随分変わってくるのですが、近年はその点あまり心配する必要がなかったのも事実。かくある「ジュウオウジャー」も、期待以上のものを提示してくれました!
OPナレーションやサブタイトルコールも抑制の効いた特別版で、総決算的な雰囲気がバッチリ演出され、本編への期待感を煽っていました。
今度こそ本当に最終編!
ジニス自らが仕掛ける「最後のゲーム」、大和が遂に果たす父との和解、ジューマンたちに迫られる選択...。
すべての要素がガッチリとまとまり、あとは最終話を迎えるのみといった局面でバシッと終わるという、最終編前編のお手本のようなエピソードでした。
相変わらずデスガリアン勢の扱いの軽さは凄まじいものがありますが、何もかもがジニス次第という収束の仕方は、これはこれでありだと思いました。
大和の父・景幸とバドの関係が遂に明らかになり、逆に大和の苦悩が深くなるという、意外な展開を見せた一編。
一方で、まさかのアザルド・レガシー退場まで一気に描き切る怒濤のバトルも見せてくれましたが、最終編前に意欲的な演出を盛り込むなど、一筋縄ではいかない素晴らしいビジュアルで彩られていました。
失礼ながら、ノーマークな敵キャラ最右翼だったアザルドが、まさかの巨敵だった!
ああ、予告でネタバレしてなければ、もっとインパクトが大きかったのに(笑)...という具合に、衝撃度もなかなかの高さを誇る一編でした。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
というわけで、新年第一弾の「ジュウオウジャー」。真理夫にこれまでの経緯を説明するという構成で、いわゆる「総集編」を展開しました。
12月25日にオンエアするという、最高のタイミングでのクリスマス編。戦隊のクリスマス編というと、総集編だったりロボ総登場編だったりと、その企画意図が分かり易いパターンも多かったりするのですが、今回は純粋に季節ネタをストーリーの主軸に据え、正当派として完成していました。
ジューランドにない風俗習慣に対する、各々の反応を楽しむもよし、年明けからの展開に含みを持たせる大和の微妙な表情作りを堪能するもよし、あまり空回りしなくなった操に驚くもよし。色々な楽しみ方ができる好編でしたが、真理夫の件やアザルドの謎といった重要なネタも盛り込まれていて、サラッと素通りできない重要なエピソードとしての風格も備えていました。
なんと年末までに幹部を一人退場させるとは...。
そんな衝撃を伴った今回ですが、残るキャラクターを眺めて見ると、キューブで構成されたアザルドの謎を掲げてみせた以外、ジニスを頂点とする強固なチームとしてのデスガリアンが完成したことになり、いよいよ大和たちのドラマに注力していくものと思われます。
クバルとの最終戦は、クバルのドラマを操のドラマに換言して、弱さとは何か、強さとは何かというテーマを描きます。操の成長も完成に至り、記念すべきエピソードとなりました。
クバルが仕掛ける打倒ジニスの策。その罠に対してジュウオウジャーは、そしてジニスはどう反応しどう動くのか。そのあたりをクールな視点で描く一編となりました。
大和が冷静さを欠いてしまう一幕はあるものの、基本的には感情移入などをほぼ廃して描かれており、スリリングなシチュエーションの移り変わりを楽しむことができます。そういう意味では、Blu-rayのCMが今週初オンエアされて衝撃の高画質に期待が高まる「ゴレンジャー」のストーリーテリングによく似ていたのではないかと。
やはりレオ編はストレートな面白さに溢れていますね!
今回は、猪突猛進、勇猛果敢といった形容を少し脇に置いて、少年との交流でその男気の粋を見せるという、レオというキャラクターの集大成となっていました。登場人物が懐かしめなビジュアルで攻めてくるため、ややコミカルさが横溢する作風でしたが、レオの熱さが凝縮された物語になっていて好感が持てます。
東映作品としては、「仮面ライダーOOO」の伊達さん、「宇宙刑事 NEXT GENERATION」の二代目シャイダー・烏丸舟として特撮ファンに広く認知されている、岩永洋昭さんをゲストに招いたコメディ編。
セラの純情さにスポットが当たり、普段は強気でクール(と言っても最近はクールさを前面に出さなくなりましたが...)な彼女の本当の乙女心を描き出す名編となりました。
全体的にコミカルな雰囲気が横溢していますが、ちょっとホロッとさせるようなシーンもいくつかあり、非常に良質なコメディとして成立していたと思います。