いよいよ最終章へ。今回はその助走編といった処です。
これまで用意されてきた要素が、数珠繋ぎに展開する様子は、圧巻そのもの。サイバトロン星への道筋を、これまでの要素をまとめて何とか作り上げる構成力の確かさに加え、段取りだけに終わらない娯楽性がちゃんと盛り込まれている完成度の高さ。言い尽くせませんね。
まぁ、サリの万能感が予定調和だと言われれば、否定は出来ませんけど、ちゃんと背景がありそうだし、3シーズン目でサリが「成長」した事自体が、ここに繋がる要素だと考えれば、実に納得がいくのです。
それから、サイバトロン星の描写が増えることによって、モブキャラも大量に登場。どこかで見たことのあるような方々が、大挙画面に映ります。とにかく、盛り上がっています。
では、その盛り上がりを追ってみましたので、続きをどうぞ。
オプティマスは、スペースブリッジ完成を急ぐよう、アイアンハイドに指示していました。オプティマスなりに危機感を感じており、悪い予感もしているようです。
サリに手伝ってもらったらどうかと提案するオプティマスでしたが、アイアンハイドは、鍵を持っていないサリに手伝わせても、状況は変わらないという答えます。これは暗に、サリの技術的有用性が鍵に集約されていた事を示す発言。逆に、サリへのシンパシィが強いアイアンハイドがこの発言をする事により、事態の切迫性を表現しているとも言えます。
さらに、サムダック博士は、鍵を持っていたとしても、サリ自身が専門知識に欠けており、手伝えるかどうか疑問を持っているのです。
この会話を聞いたか聞かずか、サリは特殊能力を用いてコンソールを操作し、何とスペースブリッジの起動に成功させてしまいました。
掌がグワッと展開する描写が異常にカッコいいのですが、トランスフォーマー・シリーズ的には、結構新しい表現ではないかと思います。
「ただ、いじってたら、出来ちゃった」と言うサリ。
これは謙遜ではなく、ホントにそうなのかも知れません。というのも、サリは謙遜したり気を使ったりするタイプではないし、この特殊能力を使う前に、別の意識が働くかのように目を青く光らせていたからです。
その頃、エリートガードの船では、センチネルが捕らえたディセプティコン達を尋問していました。
しかし、有用な情報は引き出せません。ラグナッツという、メガトロン万歳な者をまず尋問したという時点でも失敗ですが、ここに揃っているディセプティコンは、どれもエキセントリックな奴らなので、誰を尋問しても同じだったでしょう。
そこに、サイバトロン星の評議会より、センチネル宛に通信が入ります。
ウルトラマグナスが襲われた件を、サイバトロン星に広く公表するというパーセプター。そして、センチネルが指揮を執るのは時期尚早だとするアルファトライオン。G1キャラが出てくるのは、やっぱり嬉しいですね。特に、アルファトライオンが偉い人なのが嬉しいです。
センチネルは、ウルトラマグナスの危篤状態を公表する事に反対していますが、この時点では自分がリーダーとなる事に、少々の気後れがあったものと思われます。しかし、アルファトライオンにリーダーである事の資質を疑問視された際には、持ち前のプライドが苛立たせるのです。実に魅力的なキャラクターですね。こういう矛盾点を内包したキャラクターを作るのは、非常に難しい事です。
機嫌を悪くしたセンチネルは、エンジン全開で嵐の中を突っ切り、サイバトロン星へ急ぐ事にします。
使いたくない敬語を使って抗弁するジャズでしたが、センチネルは強引に船の運行を進めるのでした。班長になると、いきなり態度がデカくなる典型像ですが、元々センチネルの態度はデカいので、違和感はありません(笑)。
このセンチネルの行動は、危機を招く事になります。
嵐に発生していた稲妻の影響で、スィンドルが復活!
というか、スィンドルが捕まってた事を忘れてましたが(笑)。
スィンドルは純粋な商売的動機により、囚われたディセプティコン達を解放します。
実際、ここに居るディセプティコン達を解放した処で、直接的な利益はないのですが、メガトロンの処へ辿りつけるという事と、そのメガトロン自体が上得意先という事で、解放と相成りました。その後も、ディセプティコン達は、ある意味スィンドルの掌の上で転がされている状態になります。
スィンドルは武器も提供します。この、四次元ポケットのようなスィンドルの武器庫が、今回の鍵です。
それにしても、あらゆる武器を集めているもんですねぇ。結局、元々の武装と同仕様のものを、皆受け取る形になっていました。
完全復活を遂げたディセプティコン達は、すぐに行動開始し、ブリッジに侵入します。
奇襲を受け、ブリッジのセンチネル達は為す術もありません。
実際、サイバーニンジャのジャズや、戦闘力に長けたセーフガードの二人が揃っているにも関わらず、すぐに制圧状態になってしまったのは、人員不足という事もありますが、後の展開からすると統率者の技量と、ディセプティコンの戦力の高さが主な理由でしょう。
危機に陥ったエリートガード。面子上、サイバトロン星に応援要請出来ないセンチネルがとった行動は…。
地球では、オプティマスは「槍が折れた」という謎の暗号通信を受け取っていました。
オプティマスによれば、これはセンチネルからの暗号であり、しかも、学生時代に、悪さをして捕まりそうになった際の暗号だったといいます。旧知の仲らしい、いい話ではないですか。しかも、バカやってた学生時代が想起できて、いかにもアメリカンな感じがします。そう、あのサム・ウィトウィッキーみたいな。
一方スィンドルは、エリートガードを生かしておけば、レアなスペアパーツの取得にも役立つし、取引の人質としてメガトロン発見にも利用出来るとして、拘束のみの措置とする事に決めます。
この時点で、基本的にスィンドルがリーダーシップを執っていますね。G1では、コンバッティコンの一員でしたが、一人だけ目立った活躍をしていたキャラなので、今回の活躍ぶりも嬉しいですね。そういえば、バイナルテック・シリーズでは、数少ないディセプティコンの一人に選ばれていましたよ。
このスィンドルの存在が、後のオプティマスの奇襲に繋がります。
まず、エリートガードの船の上に、トランスワープフィールドの跡を見つけるアイアンハイド。
「こんな事は今までなかった」と言ってますが、私は恥ずかしながら、この時点では何のことやらさっぱり分かりませんでした…。
とにかく、エリートガードの船にスペースブリッジを繋げる為の目印が出来たわけです。早速、オプティマスはスペースブリッジを繋げるよう指示します。しかし、技術的に困難だという懸念が。
ここで再びサリのお出まし。特殊能力を使い、スペースブリッジ接続を試行します。すると、見事に成功。今回のサリの万能感は、鍵を持っていた時を上回っている感があります。
戻って来られないかも知れないと仲間に引き止められつつも、オプティマスはスペースブリッジに飛び込んで行きます。
気合一閃、勢いでジャンプして飛び込んでいく…のではなく、一旦リフトに乗ってフィールドの近くまで上昇する辺りがクールです。
再びシーンはエリートガードの船へ。
スィンドルは、サンストームとラムジェットの見分けがつかないと言い出し、二人にヘルメットを提供します。
これって(笑)。
サンストームはG1アニメには未登場なので、G1スタースクリームそのもののヘッドデザインを模していると言えば良いでしょうか。一方のラムジェットは、G1における、いわゆる新ジェットロンの三角帽子を踏襲。G1のラムジェットも新ジェットロンの一人でしたから、気の利いたサービスですね。
そうこうしていると、突如、スィンドルの腹から飛び出すオプティマス!
スペアポケットに入ったのび太が、ドラえもんのポケットから出てくるというシチュエーションと同じ。あの「ゲヘヘ!くすぐったい!」というアレですよ。つまり、スィンドルの武器庫に繋がるトランスワープチャンネルを、アイアンハイドがキャッチしたというわけ。エリートガードの船に突然現れたトランスワープの痕跡は、スィンドルの腹のポケットだったんですね。
実にスッキリしました。このロジックはホントに凄い。ただただ納得させられました。
突然のオプティマス登場に驚きつつも、早く解放するよう指示するセンチネルでしたが、オプティマスはセンチネル達を放置して、エネルゴン貯蔵庫へ向かいます。
オプティマスがとった行動は、エレベーターにエネルゴンを積み、ラグナッツ達を罠にかけるというもの。
エレベーターの前に居たラグナッツ達は、オプティマスの作戦どおり吹っ飛ばされます。頭脳プレーがもたらす、何とも素晴らしいカタルシスです。しかし、派手に爆発し過ぎて自分も吹っ飛ばされるというオチをしっかり付けていて、緻密な戦略家というわけではない一面を見せ、ホッとさせてくれます。こういうバランス感覚はさすがですね。
そして、捕虜監禁室へ「ミッション・インポッシブル」のイーサン・ハントのように潜入するオプティマス(笑)。
これは完全に狙ってますな。ただし、オプティマスのこの潜入姿勢は、意図したものではなく、たまたまコード類が絡まっただけです。
ここでオプティマス、肩のエンブレムを光らせて光通信をしながら、汚染浄化チャンバーに冷凍ホースを繋げるよう、ジャズに指示します。
一見して、何か罠を仕掛けようとしているのが分かるシーンですが、センチネルではなく、ジャズに指示しているのがミソ。オプティマスはセンチネルのプライドに配慮しているのでしょう。
さて、オプティマスの例のエレベーターの作戦は、単に少々の時間稼ぎとなったに過ぎず、ラグナッツ達はすぐにブリッジへとやって来ます。そして、ラグナッツの一撃が船の床をぶち抜き、敵味方諸共宇宙へ放り出されてしまいます。
宇宙空間では、飛行能力を有するディセプティコンが圧倒的に有利。しかし、オートボットには、セーフガードが居ます。
さぁ、オートボットとディセプティコンの宇宙戦、たっぷりとご覧いただこう!
…なんていう、政宗一成さんのナレーションを乗せたくなる、エキサイティングなバトルが繰り広げられます。
しかし、オートボット側が有利になってきたかと思われたのもつかの間、センチネルはブリッツウィングに捕まってしまいます。
センチネルは、構わず攻撃しろと言うのですが、オプティマス達は無抵抗のまま一網打尽にされてしまい、汚染浄化チャンバーの中に閉じ込められてしまいます。
ディセプティコンを汚染浄化チャンバーに閉じ込めて、凍結するという作戦を、全て盗聴していたというブリッツウィング。「自分たちが仕掛けた罠で凍れ」と、逆転劇をものにした力のほどを誇示します。
しかし、実際に冷凍ガスが噴射されたのは、汚染浄化チャンバーの外でした。
本当の作戦をジャズに光通信で伝えるという、オプティマスの作戦が見事図に当たったというわけ。この作戦、「スーパーマンII」で、スーパーマンがやった「クリプトンの太陽」照射作戦とよく似てますね。
今回は、映画からの引用ネタが散見されます。というより、いつもは私が見逃しているだけなのかも。
この騒動の中、散々物色したスィンドルは、まんまとポッドで脱出してしまいました。
ちゃっかりしてますね。小悪党ぶりが際立っています。
事件はとりあえず終わり、センチネルはオプティマスの指揮振りを高く評価。エリートガードに戻ったらどうかと、オプティマスに告げます。
センチネルが自分の資質に疑念を抱いていたのは確かで、適任者はオプティマスだと感じたようです。
しかし、オプティマスはそれを断り、地球に戻ると言います。オプティマスはセンチネルの事をよく分かっており、実績こそ伴っていない様子であれど、彼の実力を高く評価しているのです。いい話ですねぇ。センチネルとオプティマスの和解話は、それこそ三回目くらいですけど、何度出てきても、やっぱりいい話です。
エリートガードの船で、地球に帰還するオプティマス。
地球を発つ際、センチネルは敬意を込め、オプティマスに敬礼します。
そしてオプティマスも。
ここでようやく、二人が完全に和解し、そして別々の道を歩み始めた事を暗示してますね。いいシーンでした。
そしてサイバトロン星。
グランダスに乗せられて護送されるディセプティコン達。センチネルの凱旋です。
グランダスは、「バトルスターズ(リターン・オブ・コンボイ)」という、トイのみのシリーズに登場したキャラクターで、今回はほぼオリジナルそのままで登場しています。
同様に、モブキャラいっぱい状態!
ワーパスとか、ハファー(ドラッグ)っぽいヤツがいたり。他の人々も見たことあるけど、名前が出て来ない…。
「どうか私を、新たなリーダーと認めて欲しい」とセンチネルが一席ぶって、大歓声!
名実ともに、センチネルがウルトラマグナスの後継者となった瞬間です。G1でのロディマスを想起させますね。
一方、行方不明になっていたラグナッツは、偶然にもメガトロンの乗るオメガスプリームと合流。
遂に、メガトロンが自由の身になるようです。冒頭と同じ文句ですが、いよいよ最終章!
期待してます。
伝説のロディマスコンボイ、悲願のマスターピース化!
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詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。
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