WAR WAR 争いはSTOP it♪
「アニメイテッド」、遂にビーストに席巻される!
…とまぁ、冗談のつもりだったのですが、これは冗談ってレベルじゃないよ(笑)。
もう作品論議なんかしてる場合じゃないくらい、全編笑わせて頂いたのですが、これって日本版ならではという部分もありそうですね。
ただ、日本語吹き替えの部分を除いたとしても、明らかに狙っているラストシーンなんかは、完全にオマージュの域。私が考えていた以上に、ビーストはトランスフォーマーシリーズの中で重要なポジションにあるようですね。
今回はワスピネーター関連のインパクトが強すぎて(特に日本語版では)、テーマが影に隠れがちになってしまいましたが、本来、オプティマスとセンチネルが、不完全ながらも過去を清算するという点が重要です。
ブラックアラクニアは、同様の構造を持つワスピネーターを生み出したことにより、唯一のハイブリッド型ではなくなりました。つまり、「新種」が複数人によって構成される事になったわけで、これにより、既にオプティマスやセンチネルとは違う世界に生きる存在になったという事になります。
結局、オプティマスとセンチネルは、エリータ1を半ば諦めることで、互いの友情を取り戻したという、ちょっと暗いドラマになっているんですよね。ワスピネーター関連のドタバタがあって、巧くバランスをとっている処が、やっぱり素晴らしいです。
では、本編の方をどうぞ。
冒頭からいきなりカーチェイス!
逃走中なのはワスプ。オプティマス達が暴走を止めるべく追跡しています。
その追跡の中、オプティマスの前にセンチネルが現れます。センチネルは、疑いが晴れたとはいえ、まだワスプを危険視しており、逮捕しなければならないと考えています。「まだいたのかセンチネル」とオプティマス。「ウルトラマグナスが襲われて、サイバトロン星は混乱している」と言って、センチネルが今すべき事を諭すのですが、「お前には関係ない」といった具合に聞く耳を持ちません。
オプティマスは「君には関係あるだろう」と応酬しますが、やはり二人は平行線です。オープニングでこの関係性を見せておくことにより、今回のラストにおける情感を高めているのが巧い処。
とにかく追跡は再開され、遂にワスプは包囲されます。
強制的な逮捕をよしとしないオプティマスは、バンブルビーに交渉を任せる事に。
バンブルビーは、「怒りをぶつけるのは僕達じゃなくて、ロングアームだよ」と、ワスプに真実を伝えるのですが…。
ワスプにとって真犯人がどうであれ、もはや関係はなく、自分がセンチネルやバンブルビー達によって刑務所へ入れられたと感じている以上、彼等に対する恨みは深い。もうワスプの中には復讐心しかありません。
センチネルは、ワスプを「危険な逃亡者」とみなし、刑務所送りにすると言います。確かに、元々の罪に関する疑いは晴れましたが、放っておくとそれはそれで危険な反乱分子である事は間違いありません。センチネルはオプティマスの意見の対立者として存在していますが、彼なりの論理も間違ってはいないわけです。
オプティマスは、地球は自分の管轄だというくらいしか対抗の言を持ちませんでした。
口論が続く間、何とワスプはスワープにさらわれて行ってしまいます。
セーフガードに追跡を命ずるセンチネル。セーフガードがスワープを逃がしたと知るや、自分も連れて行くよう命令します。
後を追うのは危険だというオプティマス。事前に知っておいて欲しいことがあると言います。それは勿論、ブラックアラクニアの事ですね。センチネルがブラックアラクニアに会えば、ブラックアラクニアの素性を知ってしまうという事。オプティマスは、センチネルに対する思いやりのつもりだったわけですが、残念ながらセンチネルにとって、それは忠告には聞こえなかったようです。
さて、スワープは、ブラックアラクニアの元にワスプを運んできました。
「100%サイバトロン星のロボットが欲しかった」というブラックアラクニア。つまりは、ワスプを何かの実験台にするつもりです。
一方、ダイノボットの島へと、セーフガードに吊られて移動するセンチネル。
なかなか間抜けな図ですが、そこがまたセンチネルらしくていいですね。
ダイノボットの島上空へ差し掛かると、再度オプティマスからの警告が入りますが、センチネルは完全に無視して島へ入ろうとします。ところが、セーフガードによるセンチネルの扱いは酷いもので、波間に沈めたかと思えば、結局上空でセンチネルを切り離してしまいます。
哀れ、島へ逆さまに落ちるセンチネル…。
ここで日本語版ならではの強烈なアドリブ(?)が!
「センチネルが逆立ち?」
「逆さに読んだらルネチンセ?」
さすがです。もうビーストの侵略は始まっています。あくまで日本語版だけですが。ちなみに、この二人(山口さんと高木さん)に逆さ読みで最初にイジられたのは、「ビーストリターンズ」における「コンボイ」であり、「イボンコ・ペッタンコ」などと、散々な物言いでした(笑)。
その頃、ブラックアラクニアの思惑どおり事は運びつつありました。ワスプに共感しているそぶりを巧みに装うブラックアラクニア。このあたりの悪女っぷりはさすがといった処でしょう。
ブラックアラクニアは、ワスプにトランスワープ発生装置を紹介します。
これって、「ザ・フライ」のポッドそっくりじゃないですか(笑)。
ブラックアラクニアが生命体と融合して力を得ると説明しているので、恐らく強く意識していると思います。「ザ・フライ」でも、元々物質転送装置だったものが、二つの生命体を分離させるプログラミングに失敗していた為、人間とハエを融合させてしまったというストーリーなので、その類似性は明らかです。
迷いつつも、ワスプはこの装置に入っていきます。
そして、ブラックアラクニアは装置にハチを入れます。
既に十分デカいハチですな…。
一方、ジェットストームとジェットファイアーがダイノボット達の気を逸らし、センチネルが潜入する作戦が開始されます。
攻撃しつつ、ジェットファイアーが「6月からおもちゃは売ってま~す」とアドリブをかますのが可笑しい。確かに本編の登場遅かったですもんね。
さらに、オプティマス達も島に到着。しかし、オプティマスが到着した時には、既にセンチネルはブラックアラクニアと遭遇していました。
ブラックアラクニアがビーストモードからロボットモードにトランスフォームするのを見て、気持ち悪いと呟くセンチネル。それに対し、ブラックアラクニアは、かつてエリータ1であった事を告げるのでした。
動揺したセンチネルは、当時の「事故」をオプティマスが置き去りにした所為だとし、さらにウルトラマグナスが再捜索を許可しなかった為だと言い張ります。このあたりの言い訳がましい感じは、センチネルのキャラクター性というより、ポジショニングによるものだと解釈していますが、その証拠に、これだけイヤなセリフを喋らせても、センチネルがあんまり嫌な奴に見えないんですよね。
その時、トランスワープ発生装置が爆発!
中から巨大なハチが出現し、変形してロボットモードに。そして、「ボクチン、ワスピネーターだブ~ン」と第一声。
来ました!来ましたよ!加藤賢崇さん!
ビースト系では周囲の芸達者な声優陣に圧倒されていた事を吐露されたり、つい最近まで東京を離れていらしたこともあって、基本的に声優のお仕事は受けられないものと思ってましたので、この第一声は衝撃でしたね~。
当時は日本語版では「ワスピーター」とされており、今回は原語版に忠実なネーミングである「ワスピネーター」に変わったので、若干リズム的な語感は異なりますが、正にあの時の「ワスピーター」が復活した事を実感させられたのです。嬉しいです、ホントに。
賢崇さん登場により、ここから一気にビースト化していきます(笑)。
が、とりあえず軌道修正。
有機体とロボットのハイブリッドが新たに誕生した事で、未来は自分たちの物だと豪語するブラックアラクニア。彼女に、センチネルの剣の一撃がヒットします。
すると、マスクがとれて…。
「やだ、スッピン…」
これ、上手いアドリブですよね!ホントに不気味なビジュアルなので、十分な緩衝材として効いています。
ちなみに、以前、エリータ1がブラックアラクニアになる過去を描いたエピソードがありましたけど、今DVDで見返すと、被っていたマスクが一瞬写ってるんですよ。芸が細かいというか、周到過ぎて逆に笑ってしまいました。
それはそうとワスピネーター、口調は変われど、ワスプとしての記憶は完全に持っているようで、すぐさまやって来たバンブルビーを発見し、襲撃します。
ワスピネーターは何と、トランスフォームの際に「変身~」と言ってます!
これ、狙っての事なのかどうかは分かりませんけど、思わず昔のクセで「変身」って言ってしまい、本来NGである筈が、岩浪監督がOKしたので採用になったとか、要らない妄想をしてしまいますなぁ。
一方、オプティマスはブラックアラクニアに、あの事件がセンチネルの所為ではないと主張します。センチネルを一切悪く言わないオプティマスと、オプティマスの悪口ばかり言っているセンチネルが、ここでも対比されているわけです。
場面転換が激しいですけど、再びワスピネーターのシーンへ。
バンブルビーを追い詰めるワスピネーターでしたが、身体に痺れを生じ始めます。
色々な部位の痛みを訴えるアドリブが笑えます。さすが、元ビースト声優(笑)。
一方、オプティマスに今回の実験の目的を訊かれたブラックアラクニアは、ワスプを自分と同じ状態にし、それを戻す実験に成功すれば、自分も元に戻れるのだと説明します。
その説明に、実験でワスピネーターが死んだらどうするのかと疑問を呈するオプティマス。それに「失敗は成功のもと」だと応えるブラックアラクニアの言葉を聞いたワスピネーターは、怒りを燃やします。
この激情的なワスピネーターは、ビーストの朴訥としたオリジナルと比べ、ややエキセントリックなワスプの性格を反映させたものだと思われます。
なお、ワスピネーターの身体はどんどん巨大化しており、実験は失敗した模様。
ワスピネーターは逃げるブラックアラクニアを追って外へ。オプティマス達もそれを追います。
なお、センチネルはこの直前にブラックアラクニアの毒によって麻痺状態になっていた為、バンブルビーに背負われてます。オプティマスの株を上げまくりなのは、多少気になるところですけど…。
ワスピネーターと対峙するブラックアラクニア。オプティマスは、「もう置いて逃げたりしない」と声をかけますが、「あたしが置き去りにする番さ!」と吐き捨てつつ、暴走するワスピネーターを蜘蛛糸で包みはじめます。
そして、爆発!
つまり、ワスピネーターはトランスワープエネルギーを体内に蓄積してしまっており、暴走によってその影響が広範囲に拡がるのをブラックアラクニアは防いだというわけです。「置き去りにする」というのは、トランスワープエネルギーの影響で、自分がどこかへ飛ばされてしまうのを予感していたからではないでしょうか。
ブラックアラクニアが助けてくれたというオプティマス。彼女の中には、オートボット・エリータ1としての感情がまだ強く残っているのかも知れません。
「とにかく、厄介払い出来たのは良かった。とにかく…良かったよ」と沈痛な面持ちのセンチネルが呟くのがいい。
エリートガードとして、事態を収めたという自負もありますが、同時にエリータ1に対する後悔の念も渦巻いていた筈で、今回の白眉と言える素晴らしいシーンです。
ワスプの件について、やや不本意ながらも解決をみたエリートガードは、サイバトロン星へと出発して行きます。
別れ際、自らの非を詫び合う二人…。
ウルトラマグナス不在の今、センチネルこそがリーダーに相応しいというオプティマス。センチネルは極めて無能に描写されてきましたが、彼の本当の実力をオプティマスだけが知っていて、ウルトラマグナスの代役という重要なポストに推薦するというくだりが、実に心憎いですね。
結局、オプティマスとセンチネルは、親友なのでした。
その頃、とある場所で、まだワスピネーターは生きていました。
バラバラになっていても生きているという点では、ビーストのワスピーターと同様であり、この辺りにオマージュが見えて来ます。
そして、今回最大のインパクトは、この画!
ブラックアラクニアに「誰だお前!?」を連呼する動物たち(笑)。この世界の動物は言葉を発しませんから、完全に元ビースト陣営の暴走でございます。
高木さんの伝家の宝刀「言わないと校長先生怒るよ!」も飛び出す始末。
「アニメイテッド」が「ビーストウォーズ」と化した一幕でした…(笑)。
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