遂に、第二シーズンのクライマックス。日本版では、あんまりシーズンを意識する事がないですけど、話数調整によって、丁度2クールの最終話になり、9月最後ということでキリも良し。そんなわけで、怒涛の展開がホントに素晴らしい名編となりました。
前回、スタースクリーム軍団とブラーのロボットモードが(日本版ではコンストラクティコンも)初登場となりましたが、いきなりの新キャラ大量登場であったにも関わらず、次の回(つまり今回)でガンガン動かしてくるのが凄い。スタースクリーム軍団もブラーも、ついでにコンストラクティコンの二人も、それぞれのキャラクター特性を活かして大活躍です。しかも、めまぐるしく動きつつ、ストーリーテリングの根幹を形成する要素になっている。これは凄いです。
特に、スタースクリーム軍団の演じ分けは、山野井仁さんの独壇場!
色分けで見分けはつくけども、これは誰でそれは誰?という感じであるにも関わらず、完璧にそれぞれの特徴的な性格を表現していました。これには、チョーさんのアドリブも霞んでしましましたな(笑)。
そして、今回最大のトピックは、「あの方」の登場でしょう。
そう、G1コンボイ役、そして、実写版オプティマス役の、玄田哲章さん!
もう、声が聞こえてきた時点で大興奮。しかも、オメガスプリームの声ですよ。この辺は、続きで触れますね。
では、早速本編の方へ参りましょう。
スペースブリッジは、スタースクリーム軍団の襲撃を受けます。
スタースクリームの狙いは、スペースブリッジではなく、あくまでメガトロンへの復讐であり、とにかく乱射しまくるという、物量による制圧作戦をとってきます。
即ち、三つ巴の乱戦となっていくのですが、面白いのが、スタースクリーム軍団の攻勢に、オートボット、ディセプティコン両軍共に手を焼いていて、スペースブリッジの攻防に手が回らない状態になっている事。
というわけで、まずは邪魔なスタースクリーム軍団を何とかすべく、オートボット、ディセプティコン(というよりメガトロン)双方が動くことになります。そう、私の大好きな利害の一致パターンです。
もう乱戦が、瞬きを許さないレベルになっています。
プロールが電子手錠をかけたかと思えば…。
すぐに仲間が外してしまう。
ブラーが次々と電子手錠をかけていったものの、ミックスマスターのセメント攻撃に巻き込まれてしまう。
もう、大混戦でございます。
一方で、アイアンハイドは何とかスペースブリッジの起動を阻止しようと奮闘中でした。
スタースクリーム軍団の襲撃で、メガトロンの手が回っていないからこそのシーン。物凄くテンポ速いですけど、構成がしっかりしていて矛盾がないので、流れが分かれやすくなっているという、もうお手本のようなお話です。
そして、徐々に追い詰められていくメガトロン。しかし、まだ彼には充分余裕があったようです。
一方、ラチェットは船を何とか起動させるべく、スパークチャンバーにオールスパークの欠片を入れ、サリの鍵の助けを借りるなど、手を尽くしていました。
その甲斐あって、遂に船の思考と音声が復活!
ラチェット曰く、船は、グレートウォー以来200万年以上眠ったままになっていたらしい。「彼」は仲間を救うために自らのスパークを犠牲にし、貨物船に姿を変えていたのでした。
そして、ここで「オォ~ッ!」と驚くこと請け合い(古いファンならば…ですけど)。遂に、アニメイテッドでも玄田さんの声を拝聴出来たのですよ。
あれ?オプティマスは別に居るのに…もしかしてプライマス?
などと考えてはなりません。G1をよ~くご覧下さい。船のカラーリングと、この玄田さんの声から、自ずと一人のキャラクターが浮かび上がってくるではありませんか。
ちなみに、私は「スーパーリンク」でプライマスに玄田さんがキャスティングされた時、違和感ありまくりでした。確かに、プライムのオリジンとしてのプライマスに玄田さんの声をアテるという発想は、真っ当なのかも知れませんが、プライマスって、いわゆる「コンボイ顔」じゃないではありませんか。何だか、安易なキャスティングだと思いましたよ。
しかも、玄田さんは非常にお上手な方なので、別のキャラクターを演じると、ホントに全然別のキャラクターになるので、プライマスはプライマスになっちゃったわけです。なまじ「トランスフォーマー・シリーズ」なので、コンボイがプライマスを演じているみたいになってしまい、どうにも首を傾げたくなってしまったのでした。
さて、一方で混戦模様は継続中。
オプティマスとメガトロンは、防戦を繰り広げていましたが、遂にメガトロンはその本性を顕にします。何と、オプティマスをつまみあげて、盾にしてしまうのです。
今回は、オプティマスは殆どメガトロンに歯が立ちません。この盾にされるシーンは、それを如実に示しています。
この行動によって好機を見出したメガトロンは、すぐに「ミックスマスター、スタースクリームの顔を攻撃せよ!」と命令を。
この「顔」という言葉を聴き、サムダック博士はヘッドマスターの使用を思いつきます。
使える要素は使い尽くす。この姿勢が散漫になりがちな乱戦シーンに刺激を与え、うねりを生み出しています。素晴らしいですね。
一方で、プロールも電子手錠をかけられてしまい、オプティマスと共に昏倒中。
絶対的な危機がオートボットに降りかかってくるテンションの高さに、引き込まれます。
そして、サムダック博士はヘッドマスターを起動。スタースクリームを首チョンパ(笑)。
まんまとボディを奪ってメガトロンに挑戦します。
サムダック博士は長年メガトロンを研究してきたので、彼の弱点については熟知している筈。本人も自信満々だったのですが…、残念ながらメガトロンに一蹴されてしまいました。シーンとしては極端に短いですけど、ここでサムダック博士が自らメガトロンに挑戦したというくだりが良いのです。
ここで、スタースクリームは殆ど敗北した状態になってしまいました。と、その時、スタースクリームのクローン軍団は次々と本来のリーダーであるスタースクリームに離反。メガトロンに付くのでした。
皮肉にも、裏切り者スタースクリームは、自分の分身達に裏切られてしまったのです。哀れ。
さて、遂に岩山より脱出を果たした船が、オートボットの危機を救いに飛来します。
そして、ここにもこの事態を打破しようとするオートボットが一人。
プロールは、「ンーーーーーーーーー」という怪しげな歌(?)を発し、集中力を高めて手錠を外そうとしているのです。
プロールの行動は、バンブルビーによるツッコミの格好の的になっていましたが、裏を返せば、ツッコミが出来る程度まで、やや静かな状況になったという事。この状況を利用して、オプティマスとアイアンハイドが会話を展開しています。
メガトロンは、スペースブリッジを用いてサイバトロン星にトランスワープし、サイバトロン星を拠点に宇宙を支配する事を目論んでいますが、そのスペースブリッジの技術を、アイアンハイドはいつ身につけたのか。オプティマスは意外性のあるアイアンハイドの一面に興味があり、その質問をアイアンハイドに投げかけていました。
アイアンハイドは、サイバトロン星でスペースブリッジの技術を学ぶ時間が沢山あったと答えます。「とにかく好きだった」というアイアンハイドの言葉からは、元々彼は戦闘を好まないキャラクターである事がよく分かります。
アイアンハイドは、スペースブリッジには共通コードが必要であり、送信側と受信側で同一のコードを用いないと、機能しない事を指摘。何故メガトロンがスペースブリッジの起動を確信しているのか、疑問に思っていました。
その話を聞き、すぐにバンブルビーはワスプが手引きしていると睨みます。
ところが、バンブルビーは直後に、ワスプへの嫌疑が誤りであると気付く事になります。
メガトロンとの通信モニタに現れたのは、ショックウェーブ。何故かショックウェーブはバンブルビーの事を知っています。
勿論、それはショックウェーブがロングアームその人だったからです。
驚きのあまり絶句するバンブルビー。アイアンハイドは、「君は無実のロボットを刑務所に送った…」と力なく呟くのでした。
重い!暗い!
しかし、ここでガクンとテンションを落としておくことにより、直後の怒涛の展開に弾みをつけているのです。
展開されたのは、船とスタースクリームクローン軍団の空中戦!
船はダメージを被っていますが、まだ軽微。ところが、船の思考はかなり悲観的であり、何度も挫けそうになります。
しかし、ラチェットは懸命に船を鼓舞。そして遂に、「緊急防御モード・コードネーム=オメガ」を発動させる決意をします。サリが鍵でシステムにショックを与え、ラチェットが「関節を緩める」という処置を施すと、船はトランスフォームを果たし、オメガスプリームに!
そう、船はオメガスプリームだったのです!
このアニメイテッド版オメガスプリーム、そのスタイルや、先の大戦で精神的に疲弊していたりといった要素が、G1のオメガスプリームをしっかり踏襲していて、旧来のファンには嬉しいキャラクター造形になっています。後のラチェットのセリフにもありましたが、最終防衛戦士というポジションもG1の踏襲なんですよね~。
で、玄田さんの話に戻りますけど、玄田さん、G1のオメガスプリームの声なのですよ。
玄田さんと言えば、一般的にはもうオプティマスなんですけど、ちょっとコアなファンにとってはオメガスプリームの声でもあります。G1メガトロンの加藤精三さんが、デバスターの声も担当されていたのと奇しくも同じ構図。それだけに、印象的なのです。
初代アニメでは、コンボイとオメガスプリームがサシで会話するなんていう、もう鳥肌モノのシーンがあったりするのですが、お気付きのように実質一人芝居なわけですよ。もう、職人技を見ることが出来るとあって、今でも何回も見てしまうエピソードになってますね。
ここで、このアニメイテッドで、あえて玄田さんをオメガスプリーム役にキャスティングするというセンス!
もう絶賛、絶賛、また絶賛ですよ、私の中では。
さて、興奮覚めやらぬまま、本編に戻りますが、ここで今度は「怪獣特撮ファン」に響くシーンが登場。
そう、巨大なオメガスプリームを制止すべく、スリップストリームがオメガスプリームの足を狙うよう指示するのです。これは、怪獣相手の作戦の定番。特に重量級の怪獣に対して有効に描かれます。
まぁ、発想的には正義と悪が逆転しちゃってるんですが、思わずニヤリですね。
オメガスプリームはその場に倒れこみ、またも弱音を吐露。
ラチェットは、「オメガスプリームは防衛の最後の砦だ。彼は戦争で多くのロボットが死ぬのを見てきた。そりゃ、悲観的になるのも無理はなか」と説明しています。
G1のオメガスプリームは、感情を奪われ、復讐の目的意識を密かに燃やすというキャラクターでしたが、今回のオメガスプリームは、もっとナイーヴというか、より人間的で深い感情設定がなされていると思います。
そして、ラチェットの注ぐエネルギーと、懸命な励ましで、再び立ち上がるオメガスプリーム!
全身の武装を開放するカッコよさは、G1のそれを超えています。
一方、プロールは遂に集中力を高めて手錠を外す事に成功!
刹那、メガトロンによってオプティマスがスペースブリッジに放り投げられる!
オプティマスの危機を、プロールのソーサーエッジが救う!
ソーサーエッジが、見事オプティマスの手錠に命中。オプティマスはすぐさまウルトラアンカーをメガトロンに巻きつけ、脱出に成功します。
同時に、スペースブリッジがパワーダウン。動作が不安定になっています。メガトロンはパワーコアへオールスパークの欠片を追加投入する事で、事態を改善しようとします。
最も近い場にあるオールスパークの欠片は…スタースクリームの頭!
無残にも、スタースクリームの頭はパワーコアへ投入されます。
すると、メガトロンの思惑は外れ、スペースブリッジが暴走を開始します。
メガトロンが吸い込まれて銀河の彼方に…。
オートボット達が吸い込まれるのも時間の問題と思われたその時、オメガスプリームが登場。身を呈してトランスワープエネルギーを吸収し始めます。
「皆を守るためなら、私が犠牲になる!」
熱い!実に熱い展開です。玄田さんの声がまたマッチしてるんですよね。
犠牲になる為に起動させたわけではないと嘆くラチェットも、感動を誘いますよね…。
今回の大騒動は遂に収束したわけですが、高い代償を払うことになってしまいました。
アイアンハイドの、宇宙の何処かに居るという言葉が、救いになっていますね。
ここで大団円…と思いきや、サリの身に異変が…。
何と、サリの肘のあたりから機械が露出し、スパークしている!
サリの正体とは、一体!?
と、こんな具合で次クールへと続いていきます。いやぁ、引っ張りますねぇ。
ところで、音仏家のコーナーでは、しきりに「トランスフォーマー2010」を「トランスフォーマー・ツーオーワンオー」と呼んでいましたが、本放送時の正式な呼称は「ニイゼロイチゼロ」です。
アイキャッチで、「エキサイティ~ング・トランスフォーマー・ニイゼロイチゼロ!」という、クールな正宗節が炸裂しますし、「今日のトランスフォーマー・ニイゼロイチゼロ、どうだったぁ?」というセリフで始まる「トランスフォーマー・ニイゼロイチゼロ情報」なるミニコーナーがあったので、間違いありません。
ただし、初代アニメが「2010」に切り替わる直前の、タカラ主導によるプロモーション映像では、「トランスフォーマー・トゥーオーワンオー、近日スタート!」という正宗節が炸裂しています。勿論、こちらを意識する程、このコーナーはマニアックではありませんので、単に語感のカッコよさを狙ったのかなぁ、と。
伝説のロディマスコンボイ、悲願のマスターピース化!
マスターピース・ロディマスコンボイ 超プッシュ拡散プロジェクト
20数年待った甲斐があるというもの。ホットロディマス、ロディマスコンボイの二形態を再現。さらに、ビークルモードもホットロディマスのホットロッドカーと、ロディマスコンボイのトレーラーの二形態を再現。つまり、一体で二度(四度?)おいしい、G1トランスフォーマーファン必携のアイテムです。
詳しい商品仕様は、こちらを。
2011年1月下旬発売予定。
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