思いもかけないスタースクリームさん増殖編。
これって、やっぱりジェットロン系のトイにリデコ/リカラーが多い事をネタにしたんでしょうかね。ネタだとすれば、ストレート過ぎて笑えます。
都合、劇中には三体出てくるスタースクリーム。一応、そのうち二体はスタースクリームのクローンということになっていますが、それぞれが微妙に色違いだったり、性格が異なっていたり、単純なクローンという感じではありません。個々に変化が付けられているので、ストーリーの流れの中で視聴者にちょっとした違和感を抱かせ、飽きさせない構造になっており、筋運びという点での完成度の高さは素晴らしいものがあります。
今回の基本ストーリーは、エリートガードの宇宙船から脱出したスタースクリームが、自らのクローンを作り出し、メガトロンに復讐を図るというもの。そこにプロールの焦りとロックダウンの思惑が絡んできて、単純な絵面の楽しさとは裏腹に、結構重い話になっています。
キャラクターに関する目新しいポイントとしては、プロールのパワーアップ・バージョンであるサムライプロールが登場する事。展開上、サムライプロール形態はこの1話だけということになりそうですが、カッコいいだけに勿体無いですね。トイの完成度も高くて、非常に欲しくなりました(買えませんが)。
では、見所カットをまとめてみましたので、続きをどうぞ。
まずは、スタースクリームが、エリートガードの宇宙船より脱出するシーンから。
電子手錠をどのやって無効化したのか、その辺りはあまり詳細に描かれていませんが、一応、スタースクリームに対して電子手錠は効果が薄いという事になっているようです。
巧いのは、以前、エリートガードの宇宙船からタキオン・トランスミッターが盗まれた為、スタースクリーム脱走の報せがオプティマス達の耳に届くまでに時間を要し、スタースクリームに充分な時間を与えているところ。以前のエピソードでサラリと描かれたポイントを、これまたサラリと活用してみせる巧みさが際立っています。
その頃、ダイノボットが島で暴れているという報せを受け、プロールとアイアンハイドが調査の為に島へ来ていました。
プロールはラチェットから電磁パルスと電子手錠を貸与されていて、それは即ちダイノボットに対して行使する前提である事を示しています。島の自然とダイノボットに愛着のあるプロールは、かなり躊躇していたのですが…。
現れたグリムロックは、確かに暴れまわっていました。そして、無軌道のまま暴れるグリムロックは、鳥の巣に向かって炎を吐きかけようとします。
説得も梨のつぶてで、さすがに見かねたプロールは、グリムロックに電磁パルスを発射!
動けなくなったグリムロックの足を見ると、トゲが刺さっていました。
劇中のセリフでは、「刺さっている」と表現されてましたけど、こりゃ挟まっていると言った方が適切ですな。
とにかく、グリムロックはこのトゲによる痛みの所為で暴れまわっていたわけで、悪意は全くなかったのでした。何か、似たような話があったけど思い出せません。「ウルトラマンタロウ」の話だったような…?
一方、エリートガードの通信を傍受したメガトロンは、スタースクリームが必ず自分を狙って来る事を見越し、全ディセプティコンに懸賞金付きの手配をかけます。
巧い!これによって、ロックダウンの絡む理由がバッチリ整備されたわけですよ。
さて、スタースクリームの件を知ったプロールは、オールスパークの欠片の反応を頼りにスタースクリームが月に潜伏している事をつきとめ、単独で月に向かいます。
アイアンハイドはダイノボットの島の件で少々嫌な思いをしたらしく(細かい事は不明)、プロールに月への同行を頼まれずに済んで良かったと安堵している様子が見られました。アイアンハイドとプロールの関係は、実は結構微妙なのかも知れません。
で、ここからは登場するスタースクリームの色等を良く把握しておく必要があります。
まず、本物のスタースクリーム。
プロールは見事な戦法を見せつつ、電磁パルスと電子手錠を駆使してスタースクリームを捕縛します。しかし、鮮やかに解決したと思ったのも束の間、ロックダウンが登場。
久々登場ですが、大塚明夫さんの声が相変わらずカッコいいですねぇ。
ロックダウンは、勿論メガトロンの懸賞金につられてスタースクリーム捕獲に動いたわけですが、短時間でスタースクリームの居場所を突き止めている事からも、やはり賞金稼ぎの流れ者らしい凄腕である事が分かります。
プロールとロックダウンは激しい戦闘に突入していき、正に両者互角といった感じになっていくのですが、その間にスタースクリームは電子手錠を外して脱出。姿を消してしまいます。
スタースクリームは既に上空へ。地球に進路を取り、猛スピードで去っていきます。
上のスタースクリームのカラーリングに注意!
このスタースクリームは、先程プロールが捕縛したスタースクリームとは別人ですよ。つまり、まだ本物のスタースクリームは月に潜伏しているものと考えられます。
そうとは知らないロックダウンは、宇宙船を直ちに飛ばして追跡します。プロールは上のスタースクリームに小型船を破壊されてしまったので、すぐさまロックダウンの宇宙船に飛び乗って地球へ戻ります。
分かりにくいですが、上はロックダウンの宇宙船にプロールがつかまっている図。他にいいキャプのタイミングが無かったもので。
首尾よくロックダウンの宇宙船内部に侵入したプロールは、ロックダウンと戦うのではなく、言葉巧みに協力態勢を作ろうと試みます。
これがまた巧い処理なのです。悪側が正義側を甘言で抱き込む事は、よくある事なのですが、今回の場合、正義側であるプロールが悪側のロックダウンを巧く抱き込もうとするわけです。このあたりのメンタリティは、「トランスフォーマーらしい」と言えそう。
先程の戦闘で、ロックダウンはプロールの実力を理解しており、スタースクリームという難のある獲物を捉えるには、プロールの腕前が非常に有効です。一方、プロールからすれば、オールスパークの反応を追跡する為にロックダウンの持つセンサーが必要であり、利害の一致が敵味方を超えて成立する醍醐味を味わう事が出来ます。
善悪を超えた利害の一致というテーマは、G1でも名エピソードとなるような話で描かれていて、特に「2010」の最終話前後編では、宇宙ペストの撲滅という目的の下に、オートボット、ディセプティコン、クインテッサンの三大勢力が手を組むという話になっています。
話が長くなったので、次に進みます。
プロールは、ロックダウンの戦利品と思われる、ある兜を譲り受け、サムライプロールとなります。
その過程は詳細に描かれはしませんが、兜だけでパワーアップするという、いかにも日本的なものではなく、あらゆる部品を使って、自らをパワーアップさせたという感じであり、後の場面まで見届けると、これが「トランスフォーマー・リベンジ」における、オプティマスとジェットファイアの合体と同様の趣向だということが分かります。つまり、パワーアップパーツ自体は着脱が可能という構成です。
追加パーツという点でかなり合理的に出来ており、追加パーツはプロールのビークルモードでサイドカーになるのでした。
センスが抜群ですね。
話は横道に逸れますが、何故「プロール」がバイクなんだろうかと常々考えていたのですが、やっと思い出しました。アクションマスターでバイクに乗ってるんですよ、プロールは!これがイメージソースですよね、きっと。
ところで、地球に到着したプロールとロックダウンは、早速スタースクリームの反応をキャッチして追跡開始。
ここで何と、ロックダウンのインテリアを覗くことが出来ます。
何とも素晴らしいハードコアなインテリア…。ロックダウンの常套句である「夜露死苦!」とは異なる、デスメタルな感じ?とにかくステアリングホイールとかトランスミッションレバーのセンス、凄過ぎ。
さて、発見したスタースクリームを、サムライプロールは高速で追跡します。ジャンプジェット機構により、スタースクリームの飛行能力に匹敵あるいは凌駕するプロールは、いとも簡単にスタースクリームに追いつきます。
ここでも、スタースクリームのカラーリングに注意。これ、紫っぽくてオリジナルではない事が分かりますよ。やけに気弱な性格なのにも注目しましょう。
このスタースクリーム、メガトロンを極度に恐れていて、見かねたプロールは、メガトロンの処には連れていかないと告げるのですが、ロックダウンにとっては賞金のネタ。ロックダウンはプロールの動きを封じ、早速メガトロンに連絡します。
ここでプロールは、初めてロックダウンとメガトロンが繋がっている事を知ります。この時点で、プロールは「二人のディセプティコン」を敵に回さなければならなくなりました。
ロックダウン、気になる事を言ってるんですよね。プロールに自分の昔を重ねた発言。どうやら、プロールとは何か因縁があるようなのです。
その後、プロールはオプティマス達と合流。現れたのは、先程とはカラーリングの異なるスタースクリーム。これは、月で遭遇したヤツですね。
プロールは、話し合いを望む穏健派(に見える)スタースクリームを容赦することなく、瞬く間に逮捕。ラチェットに「やり過ぎ」、「電磁パルスを貸したのは間違いだった」等と揶揄されます。
プロールは、単独行動と、ディセプティコンのパワー強さに対抗すべく、強くならなければならないという主張を咎められながらも、意に介す事なく、ロックダウンとスタースクリームの更なる追跡に向かうのでした。
ロックダウンは既にメガトロンの元を訪れており、プロールは倉庫と思われるその場所に潜入。しかし、物音を立ててしまい、メガトロンに見つかってしまいます。
ディセプティコンの銃口が一斉にプロールへと向けられたその時、オプティマス達が穏健派(?)スタースクリームを連行して登場!
二体のスタースクリームに驚くメガトロン達と、一気に大乱闘に突入…とはならず、睨み合いのさなか、スタースクリームの通信が入り、情勢は急転。
何と、スタースクリームは二体のクローンをわざとメガトロンの元へ運ばせ、クローンに取り付けられた爆弾によって一気にメガトロンを粉砕するつもりだったのです。以前より確実に狡猾かつテクニカルになっていますよ。なお、スタースクリームは、二体のクローンを「イケメンズ」などと呼んでいました。
メガトロン達はオートボット打倒の好都合とみて、その場からすぐに脱出。
メガトロン様の珍しいガ○ォーク形態が見られましたよ。
爆弾を処理しようにも出来ず、手も足も出ないオートボット達。プロールは一計を案じ、自らが装着しているジャンプジェットをイケメンズに溶接して、空中で爆破することに。
一気に点火して、発射!
哀れ、ディセプティコンの連中はその爆発に巻き込まれ、
「ヤな感じ~!」
これ、ポケモンにおける、ロケット団退場の際の決めゼリフです。同じテレ東だからOKかな。まぁ、予告~提供クレジットでは、もっと暴走してましたけど。
エピローグでは、電磁パルスをラチェットに返すプロールの姿が見られました。
ここに至るプロールの心情変化は、あまり親切に描かれていません。
例の兜が、単純に過激なプロールの思考パターンの源になっているとは思えませんが、どこかに強化パーツの力に魅せられていた部分はあったでしょう。それを捨てて街を救った時、プロールは力の希求という呪縛から解放され、ディセプティコンに勝つのは力だけではないという事を悟ったのではないでしょうか。
いずれにせよ、色々と想像する余地は残っています。
ところが、このちょっと深遠なものを感じさせる雰囲気も、予告編と提供クレジットで完膚なきまでに破壊されます!
ワンピースやコナン、果てはサザエさんやクレヨンしんちゃん、ドラえもんに至るまでアイアンハイドとプロールがネタにし、挙句、ミッキーマウスというヤバい領域にまで踏み込んでいました。いや、ミッキーはディズニーレーベルがあるからいいのかも(?)。
この番組もいよいよ「ビースト」並に危険な領域へと入ってきましたな(笑)。
million
ビーストウォーズ 見てみたんですけど(一話に動物しかいない・・・)
・・・なるほど、アニメイテッドの原点は(特に次回予告)これにあったんですね(笑)
っていうかたしかに次回予告壊れまくってましたね プロール。
まさか ミッキーのマネまでするとは・・・
これで苦情とかないんですかね?
そういえば 毎度お騒がせの黄色い人(?)今回出ていませんでしたね。
プロールの心情の変化に関しては原語版を見ると まだわかりやすいですね。
音仏家・・・
SirMiles
>millionさん
ビーストの壊れ具合は当時衝撃的でしたよ。逆に、冷めかけていたTF魂を喚起されまくって、今に至るわけですが…。
ちなみに、もし、ご覧になれるなら、「メタルス」とか「リターンズ」で「リミックス」というタイトルが付いた回をご覧ください。破壊の原点を堪能出来ること請け合いです。
クレームに関しては、TFだからしょうがないといった感じで受け止められているのではないかと、勝手に想像してます(笑)。ビーストという前科で吹っ切れて、なんでもアリだと思いますよ。
原語版は未見なのですが、私は英語に関しては所々しか聞き取れない実力の持ち主なので、分かりやすいかどうかは未知数です(笑)。
jinnbee
いつも楽しく拝見してます。
言語版ですが、某ニコニコ動画にコメントで意訳されたものがアップされてますよ。
「A Fistful of Energon」で検索すると見れます。
DVDにノーカット版を期待してましたが、そのままの収録でしたね…。それでも集めますが。
SirMiles
>jinnbeeさん
情報ありがとうございます。
私もDVDは完全版みたいのものを期待してましたが…。これはまぁ仕方ないんでしょうね。あくまで日本のアニメとして商売しているようなので(TFは、リバース以外、常にこの姿勢ですし)。
それでも集めますよ、私も(笑)。