オーソドックスな犯罪者モノと、オールスパークの欠片に関する騒動をミックスした、構成的にもオーソドックスと言えるお話。しかし、トランスフォーマー・シリーズは、大きなイベント編よりも、こういった地味な話の方がキャラクターが立って魅力が増すということが往々にしてあり、今回も例外ではありません。
ややネタバレになってしまいますが、G1に親しんだ方ならば、今回登場した青いレーシングカーが、見ただけで何者か分かるようになっており、単なる地味話ではなく、実は新キャラへの伏線だったりもするのですが、とりあえず表層的には前述したようにオーソドックスなお話なので、肩の力を抜きまくって視聴するのが正しいスタイルかと。
ストーリーの基本は、マスター・ディザスターなる人物が、公道を使用した地下レーシング組織を牛耳っており、それを海賊放送として流すことにより、視聴者から視聴料を取って大儲けしているというもの。
このレースを海賊放送と知りつつ見ていたバンブルビーとサリ。一方で海賊放送とは知らなかったアイアンハイド。この両者の微妙な関係を盛り込みつつ、バンブルビーの活躍を存分に描きます。
マスター・ディザスターは、正体不明の青いレーシングカーを自由に操り、レースの内容をエキサイティングに演出する事で、視聴率を上昇させるという手法を採っていましたが、バンブルビーとサリが絡んできてからは、その図式が徐々に崩れ、結局地下レーシング組織は摘発されて終わるという具合です。
とても私事ですが、当方、盆休み中につき、かなり軽~くサラッと書いてしまいますので悪しからず…。
オープニングの聴き所は、ブリッツウィング役のチョーさん。
画がないので、ブリッツウィングの特徴である三面がどう変わっているのか、視覚情報が皆無なのですが、チョーさんの見事な演じ分けによって、まるで視覚情報を得ているかのよう。しかも、それぞれがスムーズなセリフ回しなので、もう凄いの一言なのでした。
下は冒頭、マスター・ディザスター主催の「スピードデーモン」に、バンブルビーが遭遇して張り切るの図。
「アニメイテッド」は、割とシンプルな絵でまとめられているコンテンツですが、動きのあるカットの演出が実に上手く、このレース風景もダイナミックで臨場感すら感じられます。
やがて、バンブルビーに謎の青いレーシングカーが接近してきます。
この青いレーシングカー、物凄いスピードでバンブルビーを追い越して行きます。バンブルビーのスピードを凌駕するくらいですから、ただの地球製レーシングカーではないですよ。つまり、「彼」は…。
まぁ、このヘンでやめておきましょう。
アイアンハイドは、スピードデーモンが違法だということを知り、それを視聴しているサリとバンブルビーを咎めますが、彼の性格上、完全に禁じるといったレベルまで強く言い放つ事はありません。
ちなみに、マスター・ディザスターはこんな人物。実に個性的(笑)。あんまりこういう発想のデザインは出てきませんよね、日本では。
ちなみに、声は小杉十郎太さんで、ラスト近くのファンゾーン警部とのやり取りは、「Zガンダム」のファンなら感涙必至でしょう。って、ウソですけど。
このマスター・ディザスターは、青いレーシングカーをこのコントローラーで操作していました。
ちなみに、スピードデーモンのシンボルマークは、「ビースト」におけるマクシマルズのエンブレムに似ていましたよ。
で、バンブルビーは青いレーシングカーの存在が気になってしょうがないわけです。
スピードデーモン自体も違法と知りつつ気に入っており、アイアンハイドの目を盗んで、スピードデーモンに飛び入り。青いレーシングカーと遭遇する事に成功しています。
とはいえ、バンブルビーがレースの邪魔をしに来たので、マスター・ディザスターが青いレーシングカーを差し向けただけですけど。
そのマスター・ディザスター、バンブルビーがオートボットだと知ると、言葉巧みにレースへの参加を誘います。オートボットがレースに出れば視聴率は3倍になるとの公算があり、バンブルビー自身が悲劇的な事故に遭遇したなら、ドキュメンタリー効果も抜群であり、さらに視聴率の跳ね上がりが期待出来るわけです。
時を同じくして、メガトロンより命を受けたブリッツウィングが、オールスパーク探索に動き出していました。
ブリッツウィングは、スピードデーモンの会場近くに来ており、このスピードデーモンがオールスパークと何らかの関わりを有している事が分かります。
ブリッツウィングの存在を確認しつつも逃してしまったバンブルビーは、青いレーシングカーがオールスパークに関わっていて、実はディセプティコンではないかと疑います。
バンブルビーにとっては、ターボブースターを使用しての、青いレーシングカーとのスピード競争のチャンス。ディセプティコンとオールスパークはこれ以上ない名目です。
アイアンハイドは、自分もレースを見に行くという条件付きで許可しますが、バンブルビーは背中でアメリカンなサイン(指クロス=「嘘だよ~」といった意味)をサリに出していたので、この時点で出し抜く気満々でしょう。
というわけで、まんまとレースに参加したバンブルビーとサリ。サリのキーは早々にオールスパークの反応を感じ取りましたが、その反応は青いレーシングカーではなく、マスター・ディザスターのトレーラーから。
オールスパークの欠片は、実はマスター・ディザスターの持つコントローラーの内部にあったのです。
青いレーシングカーがこのコントローラーに操られていたのは、このコントローラーがオールスパークの欠片によって進化していたからなのです。
直後、ブリッツウィングもオールスパークの欠片の存在をキャッチ。ブリッツウィングの追跡から、バンブルビーは逃げ回らなければなりません。
ブリッツウィングのヒヤシンス(冷凍攻撃・笑)を、スピードスケートで巧みに乗り切るバンブルビー。
真央ちゃんとかミキティとか、アドリブも連発です(笑)。
青いレーシングカーが助けに入る等して、この時点ではバンブルビーが優勢か。途中、ファンゾーン警部を「ジャッキー・チェンのように」飛び移らせて救ったり、大活躍。
このファンゾーン警部救出のくだりは、今一つ意味付けが不明確なのが惜しいところ。
その後も、ミサイル攻撃を回避したりと、大変な目に遭いつつ…。
ここでバンブルビー、「一方的に攻撃される、痛みと恐怖を教えてやろうか!」というセリフを吐いています。ガンダムファンなら聞き覚えのあるセリフ。元ネタは「一方的に殴られる、痛さと怖さを教えてやろうか!」という、「Zガンダム」の主人公カミーユ・ビダンのセリフです。カミーユと言えば、飛田展男さん。そう、ファンゾーン警部役で出演中のご本人の前で、堂々たるアドリブ。一体どの層に向けたギャグなのか(笑)。小杉十郎太さんの出演をかなり意識している模様です。
サリの思いつきにより、コントローラーをブリッツウィング相手に行使。バンブルビーは危機を脱します。
しかしながら、ブリッツウィングもディセプティコンの実力者。バンブルビーは隙を突かれ、一転してピンチに。
ここで再びサリのコントロール攻撃!
バンブルビーも一緒に操ってしまうなど、かなり強引な手段ではありましたが、何とかブリッツウィングを撃退に成功しました。
マスター・ディザスターもファンゾーン警部が逮捕。飛田展男さんが小杉十郎太さんを捕まえた瞬間です。君は、刻の涙を見る…。
バンブルビーは、どこへともなく去る青いレーシングカーに、礼を言うのでした。
例のオールスパーク内蔵のコントローラーは、ブリッツウィングやバンブルビーを操りましたよね。青いレーシングカーもそれで操られていたということは…。ちょっと考えると素性が分かる仕掛け。バンブルビーを助けたという事も、素性を推測させるに充分な要素です。
また、バンブルビーが違法と知りつつ楽しむという構図は、オートボットが必ずしも聖人君子ではなく、サイバトロニアンが考える宇宙正義という志に従っているに過ぎないという事を思わせます。実に人間臭い設定であるし、それがトランスフォーマーの魅力の一つです。
million
前からこのブログを見させていただいて思うのですが
よくアニメをこんなに論理的にかたれますね!
ほんとに尊敬します!!
TFは小学校の時マイクロン伝説をみただけなのでここのブログのように
前作と関連ずけていただけると大変勉強になります。
お盆休み 楽しんでください!
SirMiles
>millionさん
ありがとうございます。
かなり適当に書いているので、ロジカルでもないのですが、矛盾がないようになるべく気を付けているだけですよ。
アニメイテッドは、単体でも充分楽しめる作品ですけど、過去作を知っていると更に楽しめるので、是非レンタル等で一度最初期作をご覧になって下さい。
お盆休みはゆっくりしたいところですが、いつも何故か逆に忙しかったり。というわけで、今回はいつにも増して適当になってしまいました。