スタースクリーム大活躍編ということで宜しいか。いや、やっぱりオプティマス大活躍編か。
それにしても、話の密度が凄すぎて細かい処をまとめきれませんわ。上っ面だけなぞる形になりそうなので、先にお詫び申し上げておきます。
骨子としては、オールスパークの欠片によって、スパークを失ったまま復活したスタースクリームが騒動を起こすというもので、地球にディセプティコンが潜伏している事を危惧するオプティマスと、それを信じないセンチネルの対立も絡めて描かれます。
オプティマスとセンチネルは、前回仲直りした様子でしたが、センチネルの性格の問題なのか、二人の間にある確執は余程深いものなのか、今一つ噛み合わず。オプティマスは自らの経験に最大の自身を持っているのに対し、センチネルはエリートガードという地位にこだわりを見せており、オプティマスにエリートガード返り咲きの道をちらつかせるのです。
センチネルはエリートガードの肩書きを持つくらいですから、結構な実力者の筈なのですが、かなりフーリッシュに描かれており、少々気の毒。まぁオプティマスの比較対象者としてのポジションを与えられているので、致し方ないんですけどね。ジャズにしても、ウルトラマグナスが戦闘不能になった時点で半ばパニックになってしまうという面を見せていて、エリートガード、ひいては「エリート」の脆さの部分を露呈させています。「現場」の経験値の高さを描くという手法は、世界共通のエスプリなんですねぇ。
今回はスパークのないスタースクリームが動きまわりますけど、これってG1のスタースクリームとは逆パターンなんですよね。G1では、スタースクリームは死後、実体のない不死身の変異スパークだけが暗躍する状態になっており(不死身のスパークという設定は「ビースト」での後付け)、いわば魂だけの存在。今回は逆に肉体だけの存在です。
オールスパークには機械に生命を与える力があるので、スパークを失った(=死んだ)スタースクリームという機械構造にオールスパークの欠片が接触することで、スタースクリームという機械構造が生命を宿した状態になったと解釈出来るでしょう。つまり、スパークがなくてサイバトロニアンとしては死んだ状態でありながら、額にあるオールスパークの欠片の作用でロボット生命体になっている。メガトロンを単純思考で執拗に攻撃しまくるのは、オールスパークが破壊衝動第一のロボット生命体を生み出すからだと推測出来ます。
いやぁ、キャラクターとしては全く新味がないのに、これだけ面白い話を作れるんですから、凄いですよね。
では、あんまり詳しくないですけど、本編の方を。
いきなり本編とは関係ない話ですが、オープニング前の「部屋を明るくして~」というスポットが、音仏家じゃなくなってますね。先週はどうだったんだろ?変わっていたとしたら、気が付きませんでした。
さて、銀河のあらゆる場所で、ディセプティコンの攻撃が活発化していて、各地のオートボットが防衛戦を強いられています。メガトロンが地球で生存しているという噂が、あっという間に宇宙に広がり(!)、ディセプティコンの士気が高まった為です。
G1でも同じようなことがありました。「ザ・ムービー」でガルバトロン(メガトロンの新しい姿)が行方不明になり、リーダーを失ったディセプティコンは内乱が起きたりと荒れ放題だったのですが、「2010」でガルバトロンが帰還すると、途端に強力な軍団へと変貌していったのです。いつの時代でも、メガトロンは求心力のあるリーダーなんですよね。ビースト系は除外したとしても。
ところで、ディセプティコンの攻撃を報告しつつ、爆発に巻き込まれて生死不明になったオートボットが一人。
この人物、アーマーハイドという名前なのですが、実は原語版ではこちらがアイアンハイド(Ironhide)。色はオレンジですけど、この頭部の雰囲気といい、G1のアイアンハイドを彷彿させます。生死不明…というか多分死んでしまったんですけど、一応、後々出番があるようですよ。
ウルトラマグナスは、この戦況を打開すべく、メガトロン生存の噂を消していく事が肝要だとしており、銀河各エリアを巡回してオートボット達の援護にあたる仕事に、オプティマス達を同行させようとします。
あくまでエリートガードの見解は「メガトロンは生存していない」であり、センチネルの調査で地球にディセプティコンがいない事が確認されています。
しかし、オプティマスは自身がメガトロンと死闘を演じているわけだし、ディセプティコンを全滅させたわけではないことを熟知しているので、この指令を飲むことは出来ません。センチネルは自分の報告の正しさを押したいからか、オプティマスがサイバトロン星での裁判でウルトラマグナスの意向通りに報告すれば、エリートガードへ戻れるよう便宜を図ると言い出します。
さすが、オプティマスは「私は出世より、真実を守る事の方が大事なんだ」と言ってその提案を固辞。ただ、やはりウルトラマグナスの指令には逆らえない。ここから、オプティマスの静かなる奮闘が始まります。
センチネルは、出発までオプティマスの監視役に就くことになりました。
一方、サムダックはディセプティコンの信号を遮蔽する装置を開発し、供与していました。
これにより、ディセプティコンは隠密行動が可能になってしまいました。このシーンがもっと早ければ、センチネルがディセプティコンの反応を一切見つけられなかったというくだりに、説得力が与えられたのですが…。ちょっと残念です。
メガトロンは、続いて宇宙コミュニケータの製造を指示。しかし、実現にはタキオントランスミッターが必要だとサムダックは言います。早速、ブリッツウィングとラグナッツがエリートガードの宇宙船から盗み出すのですが…。
これがまた実に分かりやすい場所に張り付いていて、しかもエンディングで地球を出発しても、なお気付かないというマヌケっぷり。思わず笑ってしまいます。で、宇宙船はシールドで防護されてましたが、地中からの潜入には無防備というのもマヌケ。何だか「のび太の海底鬼岩城」のバミューダトライアングルを思い出してしまいました。「海底鬼岩城」の同様のシーンは緊迫感が凄かったですけどね。
さて、地球を離れなければならなくなったオートボット達は、彼等が一番良く知っている「善人」であるファンゾーン警部に、サリの身柄を預けることにしました。しかし…。
かなりのお転婆お嬢様であるサリが、元々子供が苦手なファンゾーン警部の手に負える筈はなく。
サリのわがままっぷりが凄まじく、前途多難の雰囲気です。
時を同じくして、オールスパークの欠片の作用で、スパークを欠いたまま生存(?)していたスタースクリームが登場。メガトロンに容赦ない制裁を加えられてスパークを失った為か、メガトロンへの復讐心のままに動くロボット生命体と化していました。
スタースクリームは、単純な不意打ちを主とする攻撃により、メガトロンを四度襲撃しますが、その全てがメガトロンに回避された挙句、その度に倒されます。しかも、ラグナッツとブリッツウィングに四度谷底に落とされるという憂き目に遭うのですが、一回目のブリッツウィングのアドリブとして、「アーメン、ソーメン、ヒヤソーメン…おソーメン食べましょ」というのがありました。これを踏襲して、二度目は「アーメン」、三度目は「ソーメン」、四度目は「ヒヤソーメン」と、ブリッツウィングとラグナッツが唱和するという、実に可笑しなくだりがあり、さながらビーストシリーズを思わせるシーンでした。さすがはチョーさんだと思います。
スタースクリームはスパークを持たない不死身状態なので、何度メガトロンに倒されても、何事も無く蘇ります。この不気味さは鮮烈ですが、結構情けない口調で愚痴ったりしているので、スタースクリームのキャラクターの特殊性を逆に浮き彫りにしています。
スタースクリームの度重なる襲撃を難なく回避したメガトロンは、完成した宇宙コミュニケータを用いて、自らの生存を宇宙のディセプティコンにアピール。これでディセプティコンの士気は高まったと思われ、宇宙で防衛戦を繰り広げるオートボットは一段と不利になりました。
一方、スタースクリームは別の場所でオールスパークの欠片を発見し、メガトロンを罠にかけることを思いつきます。
オールスパークの欠片同士、このように引き合う性質があるんですね。サリのキーにも似たような性質があるので、このあたりの設定には注目しておいて良いかも知れません。
さて、スタースクリームはメガトロンを罠にかけるべく、高速列車にオールスパークを目立つように仕掛けました。事態を察知したウルトラマグナスは、ジャズと共に調査に出動します。
オプティマスは、事態の裏にディセプティコンの気配を感じており、モニターで探ってみると、確かに上空にスタースクリームの姿がありました。オプティマスは、センチネルの制止を突破し、独断でウルトラマグナス達の救出に向かうのでした。
いわゆる命令無視というヤツです。G1では、命令無視の話で盛り上がることが意外に少なく、その意味でやはりG1オプティマスのカリスマ性は抜群だったのだと思います。というより、あんまりメンバー同士が葛藤したりといったテーマは好まれなかったのではないでしょうか。
さて、現場に到着したオプティマスは、ラチェットやファンゾーン警部達を招聘し、的確な指示でオールスパークの回収と乗客の安全確保を成し遂げます。
サリがバンブルビーと共に高速列車の先頭車両に飛び乗って、キーの力でオールスパークの欠片を回収。
プロールが客車を切り離して乗客の安全を確保。
ラチェット、アイアンハイド、オプティマスが先頭車両を制動し、事なきを得ます。
皮肉なほどに素晴らしいチームワークを見せるオプティマス部隊。これは、ウルトラマグナスを含んだエリートガードの脆さを炙り出す為の作為的な演出だと分かっていますが、特殊部隊の的確な作戦行動を見ているような爽快感があります。
ファンゾーン警部による、「何も吹っ飛ばなかった。こんなのは初めてだな」という感想も効果的。
一方、上空ではオートボットによる事態解決を見て退散しようとするスタースクリームと、それを追跡するメガトロン達の姿が。
サムダックの作った装置によって、ディセプティコンの信号を遮蔽しているので、この追撃は察知されることなく行われています。
哀れ、撃墜されたスタースクリームは、センチネルがオプティマスを責めているその場に落下!
スタースクリームは、何事もなかったかのように立ち上がり、オールスパークの欠片をウルトラマグナスから奪い去ろうとします。ウルトラマグナスは、スタースクリームの攻撃で昏倒。これにより、司令塔のないエリートガードは指揮系統に支障をきたし、ジャズはセンチネルに指示を仰ぎますが、センチネルは慌てるばかり。
哀れです。ちょっとやり過ぎな感もありますが、今回はオプティマスが主役ですから、これでいいのです。
ここでもオプティマスは的確な指示を出します。
まず、ラチェットとサリにウルトラマグナスの救護を。そして、ファンゾーン警部とバンブルビー、プロール、アイアンハイドに市民の避難を。オプティマス自身はセンチネルとジャズと共にスタースクリーム打倒に動きます。パワー配分や能力に即した配置が瞬時に可能なほど、オプティマスの部隊はチームワークが素晴らしいということになります。ここでも、エリートガードの体たらくとのコントラストが強調されているわけです。
オプティマスの機転により、電子手錠でスタースクリームの動きを停止させる事が出来、事態はようやく収束しました。
連行されるスタースクリームが情けなくていい味を出してます。
ウルトラマグナスは、「命令に逆らってでも、やらなければいけない事も時にはある」とオプティマスの働きを評価し、彼等を地球にとどまらせる事にしました。
オールスパークの欠片を、ディセプティコンに先んじて早急に回収する使命を、オプティマスに託したウルトラマグナスは、地球を離れていきました。
一応、エリートガードの一件はここで一旦終了ですけど、後からエリートガードの人員がちらほらと登場する予定みたいなので、楽しみです。勿論、スタースクリームもこれで終わりではない筈なので、楽しみですね。
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