第十九幕「侍心手習中」

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 源太がシンケンジャーの仲間入りをする際、どうしても避けて通れないのが、侍の権化たる流ノ介の存在。当然の如く、源太と流ノ介の対立が描かれます。

 この対立構造の萌芽は、源太初登場回において既に見られます。他の面々は源太の剣術が我流でも、彼の実力を認めるのに対し、流ノ介は源太の構えを見て邪道だと言い、形式と実力が密接に結びついた厳しい視点を持っていることが分かります。


 今回は、その流ノ介の凝固した視点に源太が風穴を開ける...わけではなく、あくまで流ノ介のスタンスは流ノ介のスタンスであるところが徹底されていて素晴らしいものになっており、和解編としては一筋縄ではいかないものになっています。強いて言えば、源太の覚悟は、流ノ介も認めざるを得ない本物の侍スピリットだったということなのですが、ここでも、あくまで源太は源太として描かれます。流ノ介に歩み寄ろうとはするのですが、それは表面的な源太の悪ノリとして描かれ、源太自身の本質は何ら変質しないのです。


 こうしたキャラクターのどっしりとした安定性に安心感を覚えると共に、予定調和に陥らないことで緊張感も醸し出され、非常に完成度の高いものとなっています。


 もう一つのテーマは、流ノ介の生真面目さであり、規則正しい生活は自分自身を律するだけでなく、周囲にも良い影響を及ぼすという典型例が描かれます。そこに「命を預けあった関係」を絡めて、理解や信頼といった表現を超えた絆を描写している点も秀逸です。


 では、流ノ介と源太を中心に見所をまとめてみましたので、続きをどうぞ。

 まずは、これまで水槽の中だけでの披露だった海老折神が、はっきりと映し出されるシーンから。

海老折神

 海老折神は源太が作ったもので、源太は、折神はモヂカラのプログラムのようなものだと気付き、苦手な筆を用いるのではなく、携帯の文字でモヂカラを発動させ、海老折神を生成したようです。

 茉子は、携帯で打った文字から生み出されるモヂカラ故に、電子モヂカラと呼んでいることに至極納得しています。


 彦馬も、


「これまでも文字の扱いに、特殊な才を持った者が何人か居たと記録されているが、まさかお前が...」


と感心し、千明もその才能を絶賛しています。流ノ介も、


「確かに凄い。侍というより、職人だな」


と一言。このセリフ、密かに源太が侍であることを否定しており、この流ノ介の見解が、今回の縦糸となります。ただ、流ノ介も「職人」という言葉を発しているように、源太の才能自体には一目置いている様子です。

 源太はやや顔をしかめながら、


「まぁ俺も、侍になるべくしてなったってとこだぁ。いやぁ、記念に店の名前、侍寿司にすっか!」


と流ノ介を牽制しますが、


「軽々しく侍の名を使うな!」


と流ノ介は激怒。更に、


「侍になったはしゃいでいるうちは侍じゃない!侍ごっこだ!」


と追い討ちをかけます。流ノ介と源太の喧嘩、またも勃発です。

流ノ介と源太

 流ノ介は、侍としての自覚が凄まじく、ややエキセントリックに描かれてきました。当初は侍としての自覚がやや不足気味の千明に対して、よく声を荒げる等の描写がありましたが、源太が登場してからは千明の時よりもエスカレートしている印象。喧嘩っ早い、いわゆるステロタイプな「江戸っ子気質」の持ち主である源太との衝突は、陰惨ではなく陽気で、むしろコミカルです。


 ここでオープニングに突入。

 今回より、オープニングに源太がフィーチュアされています。基本構成は変わりませんが、源太のカットが入った分、かなりアップテンポな編集になっています。


 さて、源太は流ノ介に認められない不満を、茉子や千明、ことはに漏らします。茉子は、


「まぁ、侍の純粋培養だからね。徹底して侍。腕も立つし」


と流ノ介を評して一言。「純粋培養」とは言い得て妙。茉子ならではの観察眼で、流ノ介は侍としては一級の強さ・完成度を誇るものの、ひとたび侍を離れた場合、色々と問題もあるかも知れないということを巧く表現しています。

 今回の構図としては、流ノ介の対極(以前はこれを千明が担っていた)にある源太との関わりで流ノ介が変化するわけではなく、あくまで源太が流ノ介の侍としての自覚を目の当たりにすることで、源太が流ノ介に歩み寄ろうとする形になっているので、この「純粋培養」の脆さは表現されていません。このあたりは、今後の展開において何らかの描写があるかも知れませんね。


 源太は、自分の実力にある程度の自信を持っており、モヂカラも剣術もそれなりのレベルであると自負しています。その点については、千明やことはも認めています。

茉子、ことは、千明

 千明は、


「ああ。正直、俺ももっと頑張んねぇとって、思ったんだよ」


と反応。この反応は、源太に対して大きなシンパシィを抱いている千明ならではだと言えますし、かなり人格的に完成しつつある千明の成長振りと向上心を垣間見ることが出来ます。そういう意味では、千明に関しては源太の登場によって、ややキャラクターシフトが発生していると言えるかも知れません。


 ことはは、


「言葉とか普段の生活変えたらどうやろ?」


とアドバイスしますが、この一言で源太は突飛な行動に出ることになります。


 その頃、骨のシタリは何やら試すことがあると言って人間界に出張っていました。巧く行けば、血祭ドウコクが三途の川から出られるかもとのこと。血祭ドウコクは、


「さすがは知恵者のシタリだ。付き合いの長ぇ奴は気が利く」


と骨のシタリを評価。両者の関係性の一端が伺われる形となりました。

 骨のシタリは、とある山の中の古井戸の傍に居り、一緒に出てきたアヤカシ・オイノガレが街で女子中学生を捕まえ、骨のシタリの元へ連れて行きます。


 一方、ことはのアドバイスを受けた源太は、身も心も侍になる為に、黒子に扮して流ノ介に付きまとっていました。この発想の過激さこそが、これまで「シンケンジャー」に盛り込まれなかった、スーパー戦隊シリーズの持つやや過剰なコミカルさであり、源太がスーパー戦隊シリーズの陽性の面を体現するキャラクターであることが表面化してくるわけです。

 ここからしばらく、黒子の源太のコミカルな様子が物語を牽引していきます。


 源太は丈瑠に見つかってしまい、やや慌てつつも、黒子に扮して流ノ介の生活ぶりを観察していることを説明します。

丈瑠と源太

「お前なぁ、そういうことするから、流ノ介にふざけてると思われるんだぞ」


と丈瑠。流ノ介がやってきて慌てる源太に手を引っ張られ、柱にぶつかったりとコミカルな面を見せてくれます。丈瑠はとりあえず、


「ま、ものは試しだ」


と源太を黙認します。未だ源太にだけ見せる表情があるようで面白いですね。

 その後、夕飯時に、妙な存在感を示す黒子に対して怪訝な顔をする一同の様子が、ユーモラスに描かれます。勿論、存在感のある黒子とは源太のことです。彦馬は事前に丈瑠より聞かされていたのか、その黒子が源太だと納得。他の面々は気付いていないようです。

 ご飯のおかわりを所望する千明に対応しようとした源太は、足が痺れて大失態を犯してしまいますが、それでもバレていないのが実に可笑しいところ。


 源太の流ノ介観察はさらに継続。

 流ノ介は、規則正しく時間通りに生活し、書の稽古にも余念がありません。更に、歌舞伎の所作もたっぷりと稽古しており、夜12時ピッタリに就寝します。源太は押入れで顔を丸出しにして眠りこけてしまいました。


 ここで興味深いのは、歌舞伎の所作を練習するシーン。当初、歌舞伎の世界を捨て、侍として丈瑠に仕えるべく強い決意を示していた流ノ介ですが、ここにきて、外道衆との戦いが終わった暁には、歌舞伎の世界へと舞い戻ることを、ちゃんと心に決めていたことが具体的に示され、嬉しくなってしまいます。第四幕での出来事が、今になってそっと振り返られるのが凄いです。


 さて、流ノ介は朝4時に起床しランニングへ。剣の稽古がない日はランニングで体力の向上を図っており、ここでは、ある意味丈瑠以上の努力家であることが示されるわけです。

 眠い目をこすりつつ、源太も後を追います。


「信じられねぇ。一日中殆ど稽古。しかも時間ピッタリだし。こいつ時計かよ」


と源太。この「時計かよ」という言葉が、意外にも今回のキーワードとして機能します。

源太

 ランニング中に女性の悲鳴を聞いた流ノ介は、黒子の源太に声をかけます。


「気づいてたのかよ」

「今朝顔を丸出しで寝てた」


 流ノ介と源太は悲鳴の聞こえる箇所に急ぎます。


 薄々気付いていたわけではなく、顔丸出しで寝ていたのを見て「存在感のある黒子」の正体を知ったというところが流ノ介らしいところで、流ノ介には「薄々気付く」というシチュエーションはあまり似合いません。そういった「気付き」の専任担当者は茉子であり、領分を侵さないキャラクターの動かし方は特筆に値します。


 女性の悲鳴の原因は、勿論、骨のシタリとオイノガレを始めとする外道衆。

 骨のシタリが覗きこんでいた古井戸は、昔三途の川と繋がっていたとされ、今は枯れてしまっていますが、もう一度川の水を呼び込めば、周辺を出城に出来るといいます。血祭ドウコクは、封印の後遺症か何かで水切れがひどい為、人間界に出られなくなっているらしく、この古井戸周辺が三途の川の水で溢れれば、血祭ドウコクも人間界に出現することが出来るわけです。


 古井戸周辺から動けないのでは、大した効果を望めないのではないかとも一瞬考えてしまいましたが、よくよく考えてみれば、血祭ドウコクは隙間からでも恨み節によって恐ろしい影響を見せた前歴がありますから、人間界に出て来さえすれば、直接的に相当な影響力をもたらすことが可能になるということでしょう。


 古井戸に再び三途の川の水を呼び込むには、9人の若い女を殺して井戸を放り込めばよく、それが呼び水となると、骨のシタリは説明します。賽の河原の石で作った斧で殺すという、かなりグロテスクな手段を提示しており、何となくコミカルな雰囲気の中にあって、随分と戦慄的な設定を持ち込んでいるのに驚かされます。

骨のシタリ

 ちょっと見難いですが、左側が今回登場のオイノガレ。

オイノガレと骨のシタリ

 毒々しい果実のようなデザインのアヤカシで、油を主要な武器としており、公式サイトによると「油すまし」のルーツという設定。いつもは、あまりモチーフとなる妖怪を意識しないデザインなのですが、今回はシルエット自体が油すましに近くなっており、正にそのものズバリといった雰囲気になっています。ただ、油すまし自体はこんなに悪辣ではなく、穏やかな妖怪ですけどね。


 様子を窺っていた流ノ介と源太は、早速丈瑠達に報告しようとショドウフォンとスシチェンジャーを操作するのですが、通話できない状態。周辺には結界が張られており、スキマセンサーやその他諸々の気配、連絡手段が一切遮断されているようです。足を踏み入れない限り、この事件に気付くことはなく、今回流ノ介と源太が悲鳴を聞いてやって来たのは、かなりきわどい確率だったということになります。


 骨のシタリは2人に気付き、姿を現すよう声をかけます。シンケンジャーと骨のシタリは初対面になるということで、骨のシタリは丁重に名乗ります。骨のシタリが只者でないと、流ノ介が気付くあたりも、緊張感があっていい感じです。


 早速変身して立ち向かう流ノ介と源太。ところが、三途の油地獄でシンケンマルやサカナマルが滑ってしまい、剣撃を展開出来ません。ヌルヌル系の敵に攻撃が通じないというシチュエーションは、それこそ定番に近いもので、いつ出てきても同様に描写になってしまうのは惜しいところですが、今回は後の攻略法があまりにもあっさりしていて爽快なので、その辺りには新味を感じられると言えるでしょう。なお、刀を捨てた格闘戦も、本体のヌメリの為に無効にされてしまいます。

オイノガレ VS シンケンゴールド、シンケンブルー

 結局、為す術のないまま、骨のシタリの一撃で遠くまで飛ばされてしまう流ノ介と源太。骨のシタリの実力を垣間見る一幕です。骨のシタリは、更に探して息の根を止めるべく追手を差し向けるという悪辣非道振りを発揮します。素晴らしい。

 骨のシタリは気を取り直し、


「オイノガレ、お前はさっさとあの女たちを...」


と「作業」の続きを指示しますが、


「それが...斧が俺の油でギトギトだ。研がなきゃだめだ」


と返され、


「馬鹿だねぇ...さっさとおやり」


と呆れ気味。この展開は非常に巧い所で、流ノ介と源太によって事態が解決する方向に向かう為の時間稼ぎとして大変効果的です。ちゃんと理由があるということは、隙がないということですから、あらゆる面で視聴者が納得へと導かれるのです。


 その頃、丈瑠達は書の稽古を始めようとしていました。流ノ介だけがまだ来ていないのですが、茉子は流ノ介がランニングをしていることを知っており、時間通りに彼が帰って来ることを、誰もが信じて疑いません。

丈瑠、千明、茉子、ことは

 千明は、


「ホント正確だよな。あいつが居れば、時計要らねぇもん」


と評します。ここにも「時計」というタームが。丈瑠は微笑みつつも、やや悪い予感を感じているような表情に変化します。

 まだ稽古の開始時間自体は到来していませんが、流ノ介の生活態度を鑑みると、ランニングの後にクールダウンして書の稽古に備えるべく、この時間ならば当然屋敷に戻ってきている、あるいは席についていてもおかしくないと考えられます。というわけで、丈瑠がやや厳しい表情になるのも納得がいきます。


 一方、流ノ介は怪我のひどい源太を置いて、女の子達を助けに行くべく行動を開始します。源太は、


「何だよそれ!」


と不満を露わにします。結局、孤軍奮闘する流ノ介に、源太は加勢します。

流ノ介と源太

 ちょっと場面は前後しますが、流ノ介の孤軍奮闘シーンは、相葉さんの華麗なアクションを堪能出来ます。私が感心したのは、回し蹴りの流麗さ。前後との繋がりも至極自然で、アクションレスポンスの高さを垣間見た気がします。


 源太は自分を置いて行った流ノ介に不満をぶつけます。ここからしばらくセリフの応酬になるのですが、これが名ゼリフの応酬とも言うべき完成度。あまりに凄いのでほぼ採録します。


「ふざけんな!お前、何で俺だけ助けようとすんだよ!」

「別に私は!」

「もし俺が仲間だったら、さっきみてぇに言うか?言わねぇよな。殿様だったとしても言わねぇよ!皆侍だからな。でも俺の事、侍と思ってねぇ。だから逃がすんだ。俺は確かに侍になりたくてしょうがねぇよ!なれるのが嬉しいし、侍ごっこかも知れねぇ。けど、外道衆が誰かの命奪うんなら、命張って守る!これだけは絶対ぇごっこじゃねぇ」

「源太...」

「助けなきゃいけねぇ人が居るのに、侍が自分の命守るかよ」

「どうやら、他はともかく、その一点だけはお前も侍のようだな。無理でも戦ってもらおうか」

「急ごうぜ。2人でも手こずる」

「いや、殿達が来る」

「へ?いつの間に連絡したんだよ」

「連絡はしてない。だが、そろそろ書の稽古が始まる時間だからな。私が戻らなければ、必ず」


 中略。


「無理だろう?稽古に遅れたぐらいで気付くかって」

「伊達に、規則正しい生活をしてきたわけではない。殿達は、必ず気付く」

「そうだな。命預けるって言ったんだ。来るって信じとくか」

「信じるんじゃない。殿は来る。それだけだ。私はただ、戦えばいい」


 源太は、何となく「侍ごっこ」と揶揄されても仕方ないことに気付いており、気付いているからこそ、そこを鋭く指摘してくる流ノ介につい腹を立ててしまっていたことが分かります。しかし、「ごっこ」ではないと自信を持って断言出来る部分が一つだけあり、それは命を張ることが出来るということなのです。

 流ノ介は、かつて千明を見る目がそうだったように、基本的に所作や立ち振る舞い、格好といった表層的な部分を重視する傾向がある為、源太についても「侍ごっこ」という面だけを見てしまい、源太と「侍ごっこ」を完全に同一化してしまっていました。その奥に秘められた決意は、面と向かって源太にアピールされ、初めて気付くことが出来たわけです。流ノ介のキャラクター性が、実によく活用されていることが分かります。

 それ故に、テーマだけを語るセリフといった上滑りな印象が一切なく、見事にキャラクターと密着しています。実に素晴らしい...。


 なお、ここで語られる流ノ介の信念の強固さは、後でさらに補足されます。


 流ノ介が崖の上から手を差し伸べ、源太は手ぬぐいを差し出し、刀を手に縛り付けるよう指示するという、互いの連携も描かれ、いよいよ流ノ介と源太の間にある溝も埋まりつつあります。

流ノ介と源太

 現場にやって来た2人は、すぐさま変身!

一筆奏上!一貫献上!

 オイノガレが斧を研ぎ終わり、いよいよという時、龍折神がオイノガレを攻撃、斧は井戸の奥深くに落下していってしまいました。


「何て事を...作るの大変なんだよ、あれは...」


とぼやく骨のシタリ。これにより、隙を突いて「作業」を進めることも出来なくなってしまったわけで、またまた隙のない構成を見せられました。


 ただし、女の子達を助けはしても、オイノガレには苦戦。手拭いで刀を持つことが出来ても、オイノガレの表面は滑って攻撃が無効になってしまいます。

オイノガレ VS シンケンゴールド、シンケンブルー

 そこに丈瑠達が到着。

シンケンレッド

 丈瑠は、流ノ介が稽古に遅れたことで何かあると睨み、流ノ介のランニングコースを辿って来たのでした。

 源太は、


「ほぅ、信じるんじゃなくて疑わねぇんだ、これっぽっちも。参ったねぇ。侍が命預けるってのは、こういうことか」


と感心します。

 流ノ介の規則正しさは何も言わずとも丈瑠に理解され、流ノ介はそうあることを疑わない。つまり、流ノ介が時間を守らなかった時は、流ノ介に危機が迫っていることになり、流ノ介の命を預かっている丈瑠が、必ず現れるということです。この場合、丈瑠が流ノ介の命を助ける為に現れるというよりは、むしろ流ノ介が命懸けで、外道衆の悪事を知らせているといった具合に解釈した方が熱いでしょう。

 信頼という関係をも超えて、命による双方向の関係を見せる。それは、源太と流ノ介にしても同様のものとして示されます。双方向性の志向は「シンケンジャー」のテーマであると、私が何度も指摘した通りです。


 ここからは一気呵成。骨のシタリは、


「退くよ。シンケンレッドじゃ、お前さんとの相性は最悪さ」


と言ってさっさと三途の川に帰ってしまいます。その答えはすぐに示されます。何と、丈瑠の放った「火炎之舞」でオイノガレを覆う油が燃えさかるのです。

オイノガレ

 実に明快かつ爽快。残りの尺は絶対的に少ないのですが、ビジュアルの説得力が大きい為、やっつけ仕事に見えることは決してありません。

 トリを務めるのは流ノ介と源太。「水流百枚おろし」が炸裂します。

水流百枚おろし

 オイノガレは、井戸に落ちて井戸ごと爆発してしまい、これによって二度とこの古井戸を使う作戦は展開出来なくなってしまいました。巧い!


 オイノガレは二の目で巨大化。シンケンジャーもイカシンケンオーで対抗します。しかし、巨大戦でも、やはりヌメリには苦戦を強いられます。

イカシンケンオー VS オイノガレ

 一旦、烏賊折神の合体がヌルっと解除されるという展開が面白い。烏賊折神を抱えるオイノガレの図が愉快です。

オイノガレと烏賊折神

 これを見ると、烏賊折神のミニチュアって結構な大きさですね。基本的に烏賊折神はCGでの描写なので、この烏賊折神は、もしかするとイカシンケンオーのスーツのパーツを使って組み立てたものかも知れませんね。

 烏賊折神はイカスミ砲で脱出し、再度、侍武装を果たします。今度は火炎で攻略するのではなく、烏賊冷凍で油を無効化します。そして、槍烏賊一閃が炸裂!

槍烏賊一閃!

 ここで、勝利の一本締めを拒否する流ノ介。


千明「何だよ、やろうぜ」

茉子「ほら、流ノ介。どうせやるんだから」

ことは「流さん、一緒に締めよう!」


 丈瑠は無言ですが、既に一本締め態勢に違和感なく入っているのが実に可笑しいところ。


「あぁっ!仕方ない!」


と流ノ介も参加して一本締めとなりました。

勝利の一本締め

 エピローグでは再び、海老折神がまだモヂカラ不足で動かないことに言及。

海老折神、源太、千明

 源太は、海老折神に「海老蔵」という名前を付けているのですが、流ノ介は「海老蔵」が歌舞伎界で由緒ある名前だとして猛反発。「『海老太郎』にしろ」という妙な提案も飛び出して、コミカルに締めくくられます。


 また2人の喧嘩が始まり、丈瑠は呆れ顔。

また喧嘩

 2人の喧嘩は何故か椅子取りゲームと推移します。まぁ、睨みあいや殴り合いにならないということは、2人の仲も結構良くなってきたのか?

 エピローグをヘンなシチュエーションで締めくくるのは、ある意味スーパー戦隊シリーズのお約束ですから、源太ならではということかも知れません。