シンケンゴールド=梅盛源太(演:相馬圭祐)登場編。メインライターである小林靖子さんが担当し、シリーズ構成を磐石たるものにするという意図が見えますが、その試みは十二分に達成されたのではないでしょうか。
基本的に源太のキャラクターは、設定もビジュアルも突飛であり、静かなる侍のイメージを完全に突き抜けています。それ故に、従来のレギュラー5人のキャラクター性は絶対にブレてはならないと言えます。その部分は、丈瑠の冷静さと聡明さを強調して描くことで確固たるものとし、流ノ介と茉子、千明とことはというチーム編成でキャラクターを動かすことによって、これまでのエピソードから地続きであることを再確認しています。この基盤の強固さは、源太という「異分子」の登場を得ても揺らぐことはなく、むしろ丈瑠達5人と源太双方を際立たせることに成功しています。
今回は源太のインパクトもさることながら、実は最も素晴らしいのは、丈瑠に関するストーリーです。
スキマセンサーの反応、姿を見せないアヤカシ、丈瑠に付き纏う気配、丈瑠の鋭い直感。こういったミステリータッチの筋運びに、源太の「近日見参」といった矢文を絡ませ、源太とアヤカシの正体不明な様子を多重的に見せる手法は、非常に完成度が高く、見応えがあります。丈瑠が入浴中に直感した対処法を、後から効果的に利用する様子も素晴らしく、決してシンケンゴールドだけに華を奪われない演出が秀逸なのです。
一方で、新戦士登場編に相応しく、シンケンゴールドに主役を勤めさせる段取りも完璧。インパクトあるアクション、メタリック戦士の伝統である、メッキとフラットのスーツの使い分け、突飛過ぎるアイテム群をカッコ良く見せてしまう演出。どれをとっても一級品です。
それでは、インパクト大の今回を見ていきましょう。
冒頭は、源太が「ゴールド寿司」の屋台を曳く様子から。源太は、
「待ってろよシンケンジャー!」
と高らかに宣言します。
ほぼ同時期、五十八番のスキマセンサーが反応します。
ここで、源太がどういったキャラクターなのかを一発で提示し、同時進行の事象である、イサギツネの一件と絡まるように仕掛けています。
前述したように、源太とイサギツネが別々に行動しつつも、何となくシンクロしているように見せることで、ミステリーの効果を狙っているところが、今回の前半の巧さなのです。
丈瑠たちが五十八番のスキマセンサーの設置場所を訪れてみたものの、アヤカシや外道衆らしき者はいません。
怪訝に思う一同ですが、ふと、丈瑠の傍を風のようなものが吹き抜けます。
このシーン、後から説明があるので覚えておくと良いでしょう。
何もなかった為、丈瑠達は早々に退散します。丈瑠達が去った後、極々近くに源太の屋台が到着し、
「よ~し、ここいらで準備するとすっか!」
と張り切ります。この「準備」、単なる寿司屋としての準備だけではなく...。
さて、所変わって志葉家の屋敷。
五十八番のスキマセンサーについての談義の最中、いきなり矢文が飛んで来て、千明の傍に突き刺さります。すぐさま彦馬が矢文を開くと、そこには、「近日見参」の文字だけが書かれていました。
この時点では、源太の仕業なのか、五十八番のスキマセンサーに反応したものに関係があるのか、わざと模糊とした印象でまとめられており、この雰囲気は前半の重要なポイントになります。
というわけで、この矢文は外道衆の仕業ではないか疑うことは。しかし、彦馬によれば、志葉家の屋敷はモヂカラの結界で守られており、外道衆とて、いきなり隙間から入り込むことは出来ないといいます。
こういった隙のない設定、私は好きですね。例え後付だとしても、非常に説得力があります。丈瑠はこの結界をかなり信頼しているらしく、
「あんまり神経質になるなよ。そんなんで疲れたんじゃ...」
と皆を落ち着かせるのですが、ふと何者かの気配を感じます。
しかし、何も居ません。その後も丈瑠は何度も気配を感じるのですが、流ノ介達は何も感じません。
この一連のシーンでの、丈瑠の回転アクションがスムーズで、なかなかのパフォーマンス。こういったシーンでは、アクションの善し悪しがそのままリアリティに影響してくるのですが、おこがましい言い方をすれば「合格」。流ノ介達が棒立ちになっている中、一人だけアクションを行うという難しいシーンながら、違和感なく高レベルでまとめられています。
茉子は、
「大丈夫?丈瑠が神経質になってんじゃない?」
と一言。このようなセリフの担当者の使い分けも、今回は職人芸的な様相になっていますね。
一方その頃、源太はパンフレットを手書きしながら、
「もうすぐだ。もうすぐだぜ!」
と意気揚々としています。
丈瑠の妙な行動がエスカレートするのと、源太が勢い付いて行くのが、巧く物語中で同期しており、一流のミスリードになっています。冷静に考えると、源太の行動と丈瑠の行動には接点が全くないのですが、同期的に進行している為、両者を結びつけてしまう方向に巧くリードされてしまうのです。
なお、源太の屋台に備え付けられている水槽には、今回登場する烏賊折神と、更に別の折神が棲んでいるように見えます。
その夜。
丈瑠はまたも怪しい気配を感じ、気配を振り払うべく(というより、その気配を実在の敵と認識し)、シンケンマルを振りまわすという行動に出ます。
気配を感じることのない他の面々からは、こうした丈瑠の行動が奇異に見えます。こうした展開は、当事者を欺瞞の中に追い詰めていくという筋運びへと繋がっていくことが多いのですが、今回はそれが主たるテーマではないので、あっさり捨てています。この潔さは、丈瑠への信頼感等を暗に示すという方向に働いていて巧いです。
流ノ介達は、丈瑠の妙な行動が、矢文と何か関係あるのではと推理しますが...。
ここでようやくタネアカシ的にイサギツネが登場します。
しかし、まだ怪しい気配の確固たる源泉となる描写は見られません。ここでイサギツネをチラッと出したのは、この後の源太と流ノ介らの出会いから動き出す、「シンケンゴールド登場」という大筋に軌道修正していく為の段取りだと思われます。
入浴中も、気配を感じ続ける丈瑠。
そろそろ気配に嫌気が差してきたのか、湯の中に潜ってしまいます。この何気ないシーンも重要な「仕掛け」であったことが、後から判明します。丈瑠の入浴、そして湯の中に潜るといったビジュアルインパクトがある為、後から容易に思い出せるようになっているところが巧いですね。
さて、翌日。
流ノ介達は、矢文の件とスキマセンサーの件で、徹底的に捜査を開始することに。ここでの注目は茉子。スキマセンサーが正しいという前提で捜査開始を指示するなど、冷静かつ見事な判断力を見せています。つまり、茉子が実質的なサブリーダー的キャラクターであるということが、メインライターたる小林さんの手によって示されることにより、ある意味オフィシャルな設定となったわけです。5人の名乗り順やポジションからすれば、サブリーダーは流ノ介であっても良いのですが、流ノ介はややエキセントリックなところがあるので、丈瑠不在時のリーダーシップを茉子がとるのは、順当と言えます。
捜査開始直後、ことはは、偶然源太から「ゴールド寿司」のパンフレットを受け取ります。そこには「近日見参」の文字が...。
これで完全に、矢文が源太の仕業であることが判明します。
茉子が、矢文の文字とパンフレットの文字の近似性を指摘すると、他の面々も一気に詰め寄ります。源太は4人の追及に晒され、タジタジになってしまいます。
このコミカルな演出によって、新戦士たる源太の好感度は上昇していきます。が、さすがの源太も、
「お前ら、俺のせっかくの...台無しにする気かよ!」
と、ややキレ気味に。しかし、すぐに平静さを取り戻し、
「ようし分かった!俺の寿司食ったら教えてやる」
と自慢の寿司を4人に振舞います。流ノ介達はブツブツと言いながらも素直に寿司を口に運びます。この、何となく食欲に負けてしまう辺りが実に可笑しいです。
ところが、4人が口にしたマグロの寿司は、わさびがたっぷりと仕込まれていたのでした。
辛さのあまりヘタリ込む4人を尻目に、まんまと逃げおおせる源太。ギャグとしては定番ですが、その小道具が寿司であることは源太にとって重要な要素だと言えるでしょう。
このシーンに限らず、「ゴールド寿司」の屋台の走行シーンはややデフォルメされており、マンガ的な楽しさに溢れています。
そこに彦馬からの連絡が。彦馬によると、丈瑠が「清浄(しょうじょう)之谷に行ってくる」という書き置きを残して出かけてしまったとのこと。ここで二手に分かれる必要が生じ、流ノ介と茉子は丈瑠を、千明とことはは源太を追うことに。さり気なくチームワークの良さが描かれます。
ここで六門船へと場面が移り、丈瑠に纏わりつく怪しい気配の元である、イサギツネの詳細が語られます。
イサギツネは、骨のシタリの依頼で、丈瑠の様子を妖術で探っていたのでした。イサギツネの持つ鏡には、妖術によって常に丈瑠が映っています。要するに、丈瑠は常に監視されていたのです。
「ヤツが使うという血祭ドウコクを封印する文字、それを知りたい。妖術使いのお前さんにはピッタリの仕事だ」
と骨のシタリ。封印の文字に関するトピックが密かに継続しており、ここで「話のタネ」として利用される構成力の巧さが光ります。
「お任せを。ヤツめ人気のない所へ来たところをみると、稽古でもするつもりやも知れませんなぁ。封印の文字の」
と答えるイサギツネでしたが、丈瑠は「煙」のモヂカラで煙幕を張り、イサギツネの鏡の中の丈瑠は姿を消してしまいます。「シンケンジャー」の醍醐味の一つである「知恵比べ」が、静かに進行しているのが嬉しいところです。
同じ頃、千明はゴールド寿司の屋台を懸命に追跡していました。川を挟んでの競争といった趣が愉快です。いつの間にかことはが先回りしており、源太を追い詰めるのですが、巧くかわされ、一目散に逃げられてしまいます。丈瑠が「知恵比べ」をしている最中に、こちらは体力勝負をしているようで、対比としても面白い構成になっています。
一方、清浄之谷では、おびき寄せられてやって来たイサギツネを、丈瑠が泉から飛び出して迎撃!
そこに流ノ介と茉子も合流します。丈瑠は、
「気付いたんだ。水に潜ると気配が弱まるってな。ただの気のせいなら、そんな法則があるのはおかしい。となれば、考えられるのはお前達アヤカシの術だ」
とイサギツネの企みを暴露。茉子はすぐに状況を理解し、
「そっか。この世の水は三途の川の水とは別モノ。というか、水と油だもんね」
と丈瑠の言説を補強。流ノ介も、
「ここの神聖な泉なら、さらに完全に妖術を断ち切れる。そういうことですね。さすが殿!」
と更に付け加えます。水の清浄さを論じるあたりは実に日本的だと言え、「シンケンジャー」の世界観にマッチしています。設定その他の取り合わせが実に巧いですね。
一方で、イサギツネも妖術のカラクリをタネアカシ。最初に五十八番のスキマセンサーが反応した際、丈瑠の傍を風が吹き抜けましたが、その際にイサギツネは丈瑠の髪の毛を密かに入手し、それを元に術を施したのでした。髪の毛という呪術的な要素も、「シンケンジャー」の世界観にマッチしています。
ここからは、イサギツネとの戦いに突入していきます。ただし、新戦士であるシンケンゴールドの活躍場面を展開するという要求がある為、丈瑠達はやや不利な状況へ置かれていくことになります。まず、イサギツネは「狐つむじ」などで優勢に立ちます。
茉子は千明とことはを招聘すべく、連絡を入れます。連絡を受けた千明とことはは、源太追跡をひとまず中止して清浄之谷に向かいますが、源太はその様子を悟って、逆に千明とことはの後を追い始めるのでした。追う者と追われる者の逆転という、ささやかなギャグも盛り込まれて、一気に陽性の空気が増してきます。デフォルメされた屋台の動きも、それに拍車をかけます。勿論、ここで源太が千明達を追ったのは、自分の活躍場面を求めてのことです。
さて、イサギツネは「狐火の術」や「狐つぶて」といった強力な妖術で、丈瑠達を翻弄します。ようやく戦いの流れを変化させるべく飛び出した丈瑠ですが、突如眩暈を覚えることに。
「あれだけ長く私の術の元にあったのだ。心身共に消耗もしようというもの」
と言うイサギツネ。丈瑠にとって不利な状況は、素晴らしい段取りによって徐々に作られていきます。
ようやく千明とことはも合流し、5人揃ったシンケンジャー。しかし、イサギツネの快進撃は止まりません。「狐技返し」でシンケンマル・五重之太刀をそのままシンケンジャーに返し、更に「真似狐」で五重之太刀を真似てもう一度シンケンジャーに炸裂させるという暴虐振りが凄い。
「百の術を操る私だ。お前達に勝ち目はない」
と勝ち誇るイサギツネでしたが、そこに「おてもと爆弾」が飛んできます。
「待て待て待てぇい!」
と勢い良く登場したのは源太!流ノ介以上に芝居がかった口上が笑えますね。
「ヨッ!危なかったなお前ら。外道衆、俺が相手してやる」
この源太の言い草に対する、それぞれの反応が秀逸。
茉子「あいつ何で?」
ことは「こんなとこまでついて来はった」
千明「っていうか何言ってんだよ。あいつ馬鹿か?」
丈瑠「誰だあいつ」
流ノ介「寿司屋です」
丈瑠「は?寿司屋?」
特に丈瑠の呆気に採られたような表情は絶品。ことはが、「外道衆、俺が相手してやる」という重要な言葉よりも、「ここまでついて来た」ことに対して反応しているところも可笑しいです。源太はお構いなしに、
「近・日・見・参っつったろ?こういう場面を待ってたんだよ。こういうの。黙って見てろって」
と宣言し、スシチェンジャーとスシディスクを取り出します。「いらっしゃい~」のボイスと共に、
「一貫献上!」
で変身!
「俺が6人目のシンケンジャー、シンケンゴールドだ!」
唖然とする5人。
源太「おい!反応しろよお前ら!ちゃんと見てたのか?おい!」
茉子「嘘でしょ?」
千明「なななな何であいつが?」
ことは「ピカピカやし」
流ノ介「殿、私不勉強で...6人目が居るとは全く知らず...」
丈瑠「俺だって知るか!一体何だあれは...」
はい。一気に見て頂きました。
素晴らしいテンポで、新戦士・シンケンゴールドの劇中人物にとっての唐突感が表現されています。
ここで少々解説的なものをつらつらと。
シンケンゴールドのデザインは、胴着がベスト状になっていること以外は他のシンケンジャーとほぼ同じとなっており、6、7人目の戦士としては異例の統一感となっています。また、「光」の文字はどことなく「米」を連想させ、寿司屋という源太のキャラクター性を反映しているような気がします。照明等の関係から、メッキバージョンとフラットバージョンのスーツを使い分けるのは、もはや定番であり、違和感なくまとまっています。
更に凄いのはスシチェンジャーとスシディスク。もう発想自体がバラエティ番組のパロディネタに近いレベルになっているのですが、これを具現化したデザイナー諸氏(特にディスクを折りたたんでスシダネにする発想が見事)、これを採用した制作側諸氏の英断、そしてそれを極限までカッコ良く魅せた演出・キャスト陣。それぞれの努力と知恵には感服します。はっきり言って、カッコ悪くなる要素は多分に含有しており、正にカッコ良さとは紙一重だと思いますが、ちゃんとカッコいい方向に向いているのは凄いことです。単純にカッコいいものを作るのは、円熟したスタッフ諸氏にとっては容易なことだと思いますが、ある種の毒があってのカッコ良さこそが、本当にカッコいいものだと、私は考えます。
「驚いてるなぁ?ここは俺に任しとけ!」
という源太。事前の予備知識がなければ、視聴者も最大限に驚かされたことになります。その驚きは、更に強調されます。
イサギツネ「聞いてないぞ!シンケンジャーに6人目とは!」
千明「俺等だって聞いてねぇよ!」
劇中、誰も聞いたことのない6人目。「伝説の」とか「噂には」とか、そういった妥協点が一切ない、文字通り新しいキャラクターなわけです。
源太は、
「ヘヘッ!かかって来いよ外道衆」
と独特の構えでイサギツネを挑発。イサギツネは、
「ホホッ!何と卑しい構えよ。貴様にはこいつらが似合いだ。ナナシ連中、出あえ!」
と大勢のナナシ連中を召喚。この物量に直面しても全く臆することない源太。
「確かに剣は俺流だ。けど強さは本物だからよ。覚悟しろ!」
サカナマルを抜かずに構え、殆ど動いていないように見えるのに、ナナシ連中が倒れていくというトリッキーなアクションシーンが炸裂!
丈瑠は直ちにシンケンゴールドの戦い方を分析します。
「居合か...刀を鞘から抜くと同時に斬る。スピードだけなら剣術を上回る」
「蒸着プロセスをもう一度見てみよう」的な「振り返り」により、スローモーションのナナシ連中相手に、サカナマルの抜刀/収刀を繰り返してバッタバッタと斬り捨てる様子は、さながら古い忍者映画や座頭市のよう。
林の中に戦場を移してからは、目に見える形でサカナマルを振るって戦います。
それを見た流ノ介が、
「逆手一文字...何て邪道な剣だ」
と感想を漏らします。真面目な流ノ介にしてみれば、侍を名乗るにはあまりにも正統を外れていたのでしょう。逆に茉子は、
「でも強い...何なのあいつ?」
と、シンケンゴールドの強さを認めています。
サカナマルを鞘に収めた後、敵が爆発するという演出も秀逸で、玩具との連動効果も完璧です。
ここまでは、完璧にシンケンゴールドの快進撃なのですが、木から誤って落ちたり、周囲の木まで斬ってしまい、木に埋もれてしまうなどドジな面も露呈し、憎めないキャラを成立させていきます。
ちなみに、木から落ちた際、
「寿司屋さん落ちはった」
ということはが愉快。
勿論、源太にばかり華を持たせない方針は守られており、「ヤタガラスの術」で怯む源太を、丈瑠が救うというシーンが織り込まれます。
「お~。腕上げたな」
と源太。
「何っ?」
と丈瑠。これにより、丈瑠と源太が初対面でなく、何らかの関係があることを匂わせます。
源太は怯んだイサギツネに、「サカナマル・百枚おろし」を決めて勝利。
正に光のような速さです。
当然の如く、二の目で巨大化を果たすイサギツネ。シンケンジャーはテンクウシンケンオーを繰り出して迎撃します。
ところが、イサギツネはなおも妖術を使い、「狐隠れ」で姿を消すことでシンケンジャーを翻弄します。
この「狐隠れ」、姿はおろか気配も殺気も消すという恐るべき技。こんなに強力なアヤカシを出しちゃっていいのでしょうかと、やや心配になってしまいました。
ここで源太の出番。烏賊ディスクを取り出し、スシチェンジャーにセットすると、
「ヘイお待ち!烏賊折神!」
のボイスが流れ、烏賊折神が屋台の水槽から発進!
これまで、折神のモチーフは割と正統派だったのですが、いきなりのイカ登場で度肝を抜かれます。丈瑠は烏賊折神の存在を知っているらしく、
「まさか...烏賊折神...」
と呟きます。源太との関係が、この烏賊折神と絡めて描かれることになりそうです。
なお、烏賊折神のコクピットはこんな感じ。他の折神と基本的に同じ意匠です。
モチーフがモチーフだけに、動かすのに苦労したのではないかと察することのできる烏賊折神。完成した映像では、そのような苦慮を微塵も感じさせない楽しいシーンに仕上がっていました。
イカらしく、イカスミ砲で透明化したイサギツネを可視化します。
さらに、自慢のゲソでまとわり付いて痛めつけるという、イメージ通りの攻撃が楽しすぎます。
戦況は完全にシンケンジャー有利になったわけですが、柄にもなく思わずボーッとする丈瑠。皆にせかされてダイシンケン・天空唐竹割りを繰り出すのが可笑しいです。しかも、
「これにて一件...」
と言いかけた途端、画面が烏賊折神のコクピットに占拠され、
「やったぁ!やったぜ!一件落着だぜ!」
とキメ台詞を源太に奪取されてしまうのでした。
エピローグは、戦いが終わって一息付く丈瑠達の前に、源太が姿を現すという構図。
「お前...源太か」
「覚えててくれたか!久しぶりだなぁタケちゃん!」
丈瑠に飛びついて抱きつくという奇行に出る源太。新戦士登場を明るいテイストで描いてきた今回ですが、最後までライトな感じでした。果たして丈瑠と源太の関係とは?次回への興味の「引き」もバッチリです。
クロサキ
初めましてこんにちは。ゴーオンジャーの頃からずっと拝読している者です。他の方々とは一線を画した、細部にまで着目した感想、詳細な解釈等非常に読み応えのある充実した内容で、毎週楽しませていただいております。今回、初めてコメントをさせていただきました。
新戦士のインパクトも然ることながら、私はそれ以上に丈瑠側のストーリーの完成度の高さに感動していたので、こちらで丈瑠や他4人について言及されていて非常に嬉しかったです。新戦士登場回でありながら、5人が決して戦力破綻を起こしていない展開には内心ほっとしました。今年は強いレッドをはじめ戦いに対して真摯なメンバーなので、追加戦士をどういうキャラクターにしてくるのか特に不安でした。
際どいモチーフながらも、強く、そして格好良く追加戦士を活躍させ、尚且つ5人の魅力も殺がなかった今回の話は、新戦士登場編としては本当に素晴らしかったと思います。スタッフ・キャストの方々には頭の下がる思いです。来週は追加戦士と丈瑠の人間ドラマに焦点が当てられるようなので、こちらも目が離せません。
長文乱文で失礼いたしました。今後とも、詳細かつ内容の濃い感想、楽しみにしております。