イエスのベスト盤(またはオムニバス盤)としては、第2集ということになろうか。前作「イエスタデイズ」もそうだが、この盤も相当偏っている。「究極」以降のアルバムからは「不思議なお話を」の1曲のみ、後は「サード・アルバム」、「こわれもの」、「危機」からとなっている。ボーナストラックのライヴ音源にしても、例外なくだ。
実際、現在の視点に立ってみると、選曲が黄金期に集中しているため「ベスト」ということになろうが、当時の状況を考えれば「ドラマ」でイエスとしての個性を見失ったような状態に置かれたスクワイアが、この黄金期を匂わせる本作を編纂した、と言えないだろうか。「イエスショウズ」と同様の意図が感じられるとも言えよう。
スクワイアが編纂しただけあって、ベース(低音)がオリジナルよりブーストされており、随分とヘヴィな印象を受ける。しかし、真に重要なのは、ライヴ音源によるボーナストラックの「ラウンドアバウト」と「アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル」である。「イエスソングス」時期よりもさらに疾走感を増して演奏され、その興奮度は最大。オリジナル・アナログ盤では付録のシングル盤に収録されていた。
- 原題
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Classic Yes
- 邦題
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クラシック・イエス
- パーソネル
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Jon Anderson - Vocals
Steve Howe - Guitar
Chris Squire - Bass
Rick Wakeman - Keyboards
Tony Kaye - Keyboards
Alan White - Drums
Bill Bruford - Drums
※ 各曲のクレジットより独自に構成しています。
- 曲目
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- Heart of the Sunrise (燃える朝焼け)
- Wonderous Stories (不思議なお話を)
- Yours Is No Disgrace (ユアズ・イズ・ノー・ディスグレイス)
- Starship Trooper (スターシップ・トゥルーパー)
- Life Seeker (ライフ・シーカー)
- Disillusion (ディシルージョン)
- Wurm (ワーム)
- Long Distance Runaround (遥かなる想い出)
- The Fish (ザ・フィッシュ)
- And You and I (同志)
- Cord of Life (人生の絆)
- Eclipse (失墜)
- The Preacher the Teacher (牧師と教師)
- The Apocalypse (黙示)
- Roundabout (ラウンドアバウト)
- I've Seen All Good People (アイヴ・シーン・オール・グッド・ピープル)
- Your Move (ユア・ムーヴ)
- All Good People (オール・グッド・ピープル)
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