ロキシー・ミュージックのラスト・アルバムにしてライヴ盤。ただし、1990年に発売されており、実に「アヴァロン」から8年が経過している。正式には、「アヴァロン」がラスト・アルバムと言えよう。
以前にもライヴ盤「VIVA!」があったが、こちらはよりストレートにライヴ・セットを伝える内容になっており、収録時間も長い。1990年と言えば、既にCDがLPに取って代わった時期だけに、この作品もCDで発売されたようだ。この紙ジャケは、その際欧州で限定リリースされた2枚組LPを元に作られている。
いきなり内容よりジャケットの話になってしまうが、解散からかなり経って発売されたにもかかわらず、従来のロキシー・ミュージックが織り成すトータル・アートの世界が完璧に継承されているのが分かる。実に、フェリーの美学に唸らされる部分である。
内容の方はと言うと、「アヴァロン」期のライヴの充実度がよく分かる名盤となっている。中期ロキシーのパワーと、後期ロキシーのイリュージョナルなサウンドが見事に合致し、これぞロキシーとしての完成形かと思わせる内容である。「フレッシュ・アンド・ブラッド」や「アヴァロン」が既にフェリーのソロ・プロジェクトに限りなく接近していたのに対し、このライヴ盤はロキシーのグループとしてのアイデンティティを強く感じさせる音を発しており、ライヴ自体が緻密なプロデュース・ワークの元に構成されているのは驚嘆に値する。
- 原題
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Heart Still Beating
- 邦題
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ハート・スティル・ビーティング
- パーソネル
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Bryan Ferry - Vocals and Keyboards
Phil Manzanera - Guitars
Andy Mackay - Saxophone and Oboe
Neil Hubbard - Guitar
Andy Newmark - Drums
Alan Spenner - Bass
Jimmy Maelen - Percussion
Guy Fletcher - Keyboards
Backing Vocals:
Fonzi Thornton
Michelle Cobbs
Tawatha Agee
- 曲目
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- India (インディア)
- Can't Let Go (キャント・レット・ゴー)
- While My Heart is Still Beating (ホワイル・マイ・ハート・イズ・スティル・ビーティング)
- Out of the Blue (アウト・オブ・ザ・ブルー)
- Dance Away (ダンス・アウェイ)
- Impossible Guitar (インポッシブル・ギター)
- A Song for Europe (ヨーロッパ哀歌)
- Love is the Drug (恋はドラッグ)
- Like a Hurricane (ライク・ア・ハリケーン)
- My Only Love (マイ・オンリー・ラヴ)
- Both Ends Burning (ボウス・エンズ・バーニング)
- Avalon (アヴァロン)
- Editions for You (エディションズ・オブ・ユー)
- Jealous Guy (ジェラス・ガイ)
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