「サイレン」と並ぶ、ロキシー・ミュージック最高傑作にして、オリジナルに限ればラスト・アルバム。そして、ロック史上に残る名盤中の名盤である。
「マニフェスト」、「フレッシュ・アンド・ブラッド」を経て、フェリーが得たものを総投入したプロダクション作品であり、ロキシー・ミュージックとしての個性というよりは、むしろブライアン・フェリーの個性を反映したアルバムと言える。すべての音が奥行きのある空間を漂い、それらを完全にコントロールすることから生まれる幻想に満ちた世界。ポップ・ミュージックの頂点であり、未だこの作品を超えるものはある意味存在しないのではないか、とも思える。
完璧なプロダクション、緻密なアレンジ、シンプルでシャープなインスト、丁寧なミキシング、それらの総合芸術がこの作品を産み落としたことは間違いない。「夜に抱かれて」、「アヴァロン」、「タラ」などを聴くと、幻の空間に飛翔していくロキシーを感じ取ることができる。それはつまり、もうロキシーとしてやるべきことはやりつくし、開放された姿だ。勿論、前作までに見られたような16ビートの導入もごく自然で、幻想味溢れる空間に強力なグルーヴ感を加味していて素晴らしい。
この後、フェリーはソロへと活動の中心を移行していく。そして、同様の手法を用いて「ボーイズ・アンド・ガールズ」のような傑作をモノにするのだ。
- 原題
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Avalon
- 邦題
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アヴァロン
- パーソネル
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Bryan Ferry - guitar synthesizer and keyboards and vocals
Phil Manzanera - guitar
Andy Mackay - saxophone, oboe
Neil Hubbard - guitar
Alan Spenner - bass
Neil Jason - bass
Andy Newmark - drums
Jimmy Maelen - percussion
Fonzi Thornton - background vocals
Yanick Etienne - background vocals
Rick Marotta - drums
Paul Carrack - piano
Kermit Moore - cello
※ 各トラックのクレジットより構成しました。
- 曲目
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- More Than This (夜に抱かれて)
- The Space Between (ザ・スペース・ビトゥイーン)
- Avalon (アヴァロン)
- India (インディア)
- While My Heart is Still Beating (ホワイル・マイ・ハート・イズ・スティル・ビーティング)
- The Main Thing (ザ・メイン・シング)
- Take a Chance With Me (テイク・ア・チャンス・ウィズ・ミー)
- To Turn You On (トゥ・ターン・ユー・オン)
- True to Life (トゥルー・トゥ・ライフ)
- Tara (タラ)
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