前作で新しい方向を示したロキシーが放った第4作。前作よりもさらにロック化。ハード・ロックとフェリーの美的感覚が最高の形で結実した傑作だ。
各人の演奏も実に的確で素晴らしく、コーラス・ワークも充実している。全体的に音像がシンプルになっており、ミキシングのセンスもいい。このあたりは、次作「サイレン」でより鋭い形で示されることになる。
ロキシーの代表曲「アウト・オブ・ザ・ブルー」は名曲で、ブレイクに入るベース・ソロが異様なカッコ良さを湛えている。退廃的なムードを漂わせているが、本作にあってはかえって異色である。このアルバムでは、「オール・アイ・ウォント・イズ・ユー」や、T・レックスっぽいリズムの「イフ・イット・テイクス・オール・ナイト」などのような明るい曲やロックのパワーを湛えたものが多い。
ただし、まだプログレっぽい曲も残っており、次作からのようなシンプルなハード・ポップ・ロック第一主義になっていないところが面白く、聴き応えのある要素だ。
- 原題
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Country Life
- 邦題
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カントリー・ライフ
- パーソネル
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Bryan Ferry - Voices & Keyboards
Andrew Mackay - Oboe & Saxophone
Paul Thompson - Drums
Phil Manzanera - Guitar
Eddie Jobson - Strings, Synthesizer, Keyboards
John Gustafson - Bass
- 曲目
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- The Thrill of It All (ザ・スリル・オブ・イット・オール)
- Three and Nine (スリー・アンド・ナイン)
- All I Want is You (オール・アイ・ウォント・イズ・ユー)
- Out of the Blue (アウト・オブ・ザ・ブルー)
- If It Takes All Night (イフ・イット・テイクス・オール・ナイト)
- Bitter-Sweet (ビター・スウィート)
- Triptych (トリプティック)
- Casanova (カサノヴァ)
- A Really Good Time (ア・リアリー・グッド・タイム)
- Prairie Rose (プレイリー・ローズ)
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