イーノが脱退、「美少年マルチ・プレイヤー」エディ・ジョブソンが加入しての、心機一転アルバム。前作A面の雰囲気を残しつつも、より「音楽的」になったのが特徴で、これはジョブソンの功績だろう。
「ストリート・ライフ」のような、前作までの作風を継ぎつつもよりロックのダイナミズムをうかがわせる曲や、傑作「アマゾナ」のように落ち着いた雰囲気の中、フェリーの計算されたヴォーカルが飛び込んでくるところなど、一層の飛躍を感じさせる。
リズムに関してもよりノリを追及した形となっており、後に展開される「ロキシー節」は、この作品にて既に現れていると言っていいだろう。一方、「祈り」、「ヨーロッパ哀歌」(名曲!)のように重厚な雰囲気を漂わせた曲もあり、後々失われていく要素もあって変化が楽しめるアルバムとなっている。
本作は、「マザー・オブ・パール」に止めを刺す。これぞ「ロキシー節」いや「フェリー節」!全編ハード・ロックかと思いきや、突然耽美的感覚に溢れたキッチュなバラッドに。さぁ、酔ってください。
- 原題
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'Stranded'
- 邦題
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ストランディッド
- パーソネル
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Bryan Ferry - Voices and Piano
Andrew Mackay - Oboe and Saxophone (& Treatments)
Paul Thompson - Drums and Timpani
Phil Manzanera - Guitar (& Treatments)
Eddie Jobson - Violin Synthesizer and Keyboards
Johnny Gustafson - Bass
- 曲目
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- Street Life (ストリート・ライフ)
- Just Like You (君の如く)
- Amazona (アマゾナ)
- Psalm (祈り)
- Serenade (セレナーデ)
- A Song for Europe (ヨーロッパ哀歌)
- Mother of Pearl (マザー・オブ・パール)
- Sunset (日没)
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