ロキシー・ミュージックのセカンド・アルバム。基本的にはファーストの作風を受け継いでいるが、早くも変化を見せ始めている。
オープニングを飾る「ドゥ・ザ・ストランド」を例に出すと、ファーストの1曲目と同様のリズムでありながら、よりダイナミックでキャッチーなロックへと変わっている。同様のことは、アルバム前半の曲にはすべて当てはまる。
アルバム後半は、音の作りや流れがプログレっぽく、これはこれで斬新である。ただし、イーノがもたらすアヴァンギャルドな部分というのは希薄で、むしろこれはプロデューサーの志向だろう。実際、このアルバムはA面とB面でプロデューサーが異なっている。
問題は、初期ロキシーをグラム・ロックと呼んでいいのかということだ。私としては、人工物の匂いが漂うアルバムのトータル・アートや、裏ジャケに見られるメンバーの格好から、グラム・ロックとして良いと思う。そもそもグラムには純粋に音楽的なジャンルの定義はないわけで、こうしたショーマンシップ的な精神が根底にあるか否かの問題だからだ。
- 原題
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For Your Pleasure...
- 邦題
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フォー・ユア・プレジャー
- パーソネル
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Bryan Ferry - Voice and Keyboards
Andrew Mackay - Oboe and Saxophone
Eno - Synthesizer and Tapes
Paul Thompson - Drums
Phil Manzanera - Guitar
Guest artiste : John Porter - Bass
- 曲目
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- Do the Strand (ドゥ・ザ・ストランド)
- Beauty Queen (ビューティー・クイーン)
- Strictly Confidential (ストリクトリー・コンフィデンシャル)
- Editions of You (エディションズ・オブ・ユー)
- In Every Dream Home a Heartache (イン・エヴリ・ドリーム・ホーム・ア・ハートエイク)
- The Bogus Man (ザ・ボーガス・マン)
- Gray Lagoons (グレイ・ラグーン)
- For Your Pleasure (フォー・ユア・プレジャー)
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