「レッド」で終結宣言を告げたクリムゾンが、最後に放ったライヴ盤。「アースバウンド」とは異なり、音質は高レベル、演奏も精緻。何から何まで好対照を成すライヴ盤である。
オーヴァーダビングが施されていて完全な生ライヴではないが、脱退したクロスに変わってオーヴァーダブに参加したのが、ロキシー・ミュージックやジェスロ・タル、UKに参加するというキャリアを築くエディ・ジョブソンであり、クロスよりもエキセントリックなプレイがこのライヴ盤の印象を決定付けているようだ。
しかしながら演奏自体はやはり素晴らしく、この時期のライヴ盤は後に発掘盤として沢山リリースされたが、どれもこれも恐ろしい完成度を誇っていた。その上、壮絶とも言えるインタープレイには、誰しも戦慄を覚えること必至である。当時正規ライヴ盤はこの「USA」しかなかったので、ファンは、きっとレコードの溝が擦れる位聴いたに違いない。CD化もここに掲載した紙ジャケット盤が初めてで、長い間の廃盤状態が伝説化を一層強めたようだ。
なお、オリジナル盤は2~7曲目のみが収録されており、1、8、9曲目はCD化に際しての新収録である。
- 原題
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USA
- 邦題
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USA
- パーソネル
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David Cross - Violin and Keyboards
Robert Fripp - Guitar and Mellotron
John Wetton - Bass and Voice
William Bruford - Percussives
Remix assistance
Eddie Jobson - Violin on 'Larks' Tongues' 'Schizoid Man' and piano on 'Lament'
- 曲目
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- Walk on ... No Pussyfooting (ウォーク・オン...ノー・プッシー・フッティング)
- Larks' Tongues in Aspic Part II (太陽と戦慄パートII)
- Lament (人々の嘆き)
- Exiles (放浪者)
- Asbury Park (アズベリー・パーク)
- Easy Money (イージー・マネー)
- 21st Century Schizoid Man (21世紀のスキッツォイド・マン)
- Fracture (突破口)
- Starless (スターレス)
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