「宮殿」製作後、早くもクリムゾンは分裂。イアン・マクドナルド脱退、グレッグ・レイクのELP結成などなど、グループ名を存続させるのが限界であった。
放った第2作は、「宮殿」に比べ、散漫な印象となった。それもその筈で、多くのゲストミュージシャンが参加しているからである。そもそもレイクに至ってもヴォーカリストとしてのゲスト扱い。次作に参加するゴードン・ハスケルや、フリップの旧友でマイケル・ジャイルスの兄弟ピーターもスタジオ・ミュージシャンとしてとりあえず参加しているに過ぎない。
ところで、このアルバムの前半はそのまま「宮殿」の構成をパロっているのだが、タイトル・チューン「ポセイドンのめざめ」は白眉。荘厳なメロトロンが否が応にも「エピタフ」や「宮殿」を連想させるが、よりメロディアスになっていて泣けるナンバーになっている。前作のパターンに当てはまらない部分では、「キャット・フード」等に見られるジャジィで凶悪なキース・ティペットのピアノが良く、そのジャズ志向がフリップに多大な影響を与えたと言われている。
クライマックスを飾る「デヴィルズ・トライアングル」は、ホルスト「惑星~火星~」の改題曲。クラシックをロックにアレンジする手法は数々のグループが試行したことだが、クリムゾンにはイマイチ似合わない? 残念ながら未消化の感は否めない。
- 原題
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In the Wake of Poseidon
- 邦題
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ポセイドンのめざめ
- パーソネル
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Robert Fripp - Guitar, Mellotron, & Devices
Greg Lake - Vocals
Michael Giles - Drums
Peter Giles - Bass
Keith Tippet - Piano
Mel Collins - Saxes & Flute
Gordon Haskell - Vocal (「ケイデンスとカスケイド」)
Peter Sinfield - Words
- 曲目
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- Peace - A Beginning (平和/序章)
- Pictures of a City (冷たい街の情景)
- Cadence and Cascade (ケイデンスとカスケイド)
- In the Wake of Poseidon (ポセイドンのめざめ)
- Peace - A Theme (平和/テーマ)
- Cat Food (キャット・フード)
- The Devil's Triangle (デヴィルズ・トライアングル)
- Peace - An End (平和/終章)
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