またやられました。
ネコマタの再登場という事で、ギャグ満載かと思いきや、意外にもちゃんとした危機からの逆転劇。きっちり決着まで付けてしまいました。
牙鬼萬月をここで退場させる事については賛否あるかと思いますが、年末までに一旦区切りを付けるという意味では良い選択だったと思います。
メガネコマタ
やはり制作陣にとって、ネコマタは使いやすいらしい(笑)。
ただし今回のネコマタは、八雲の魔法で旋風が姿を変えたものでした。シュテンドウジを騙し、囚われたシュリケンジンに潜入し、取り戻すという作戦です。
何と言っても、矢柴さんのアテが巧い。スーツでも存分に表現されていた慌てっぷりも、矢柴さんの声が入る事で焦りが倍増していて、可笑しいシーンなのにハラハラさせられるという素晴らしい仕上がりになっていました。
その後、このテの話らしく順当にバレるのですが、バレた時の旋風の潔さが格好良かったですね。バッと早変わりするカットには、卓抜した天才忍者の片鱗が見えました。
シュテンドウジ
今回は牙鬼萬月が主体なので、シュテンドウジは完全に脇役でした。前後編で登場を引っ張った割には強敵振りが完全にスポイルされていて、却ってコミカルさを煽っていたのは面白い処。秋元羊介さんの芸達者振りを堪能出来る振り幅だったと思います。
一方で、このシュテンドウジが等身大戦、巨大戦とアクションの要所をちゃんと押さえて流れを作っているのもミソで、牙鬼萬月が追い詰められていく様子をあくまで通常の流れで見せていくという手際の良さが光ります。
牙鬼萬月の最期
都合1ヶ月の出番となった牙鬼萬月。私はもう少し引っ張るものと思っていましたので、ここでの退場はかなり意外に映りました。
感心したのは、ありがちな弱体化が殆ど見られなかった事。最後の最後まで天晴達は追い詰められており、ニンニンジャー+獅子王+旋風+好天という布陣によって、やっと撃破出来たという流れが秀逸でした。天晴達がその布陣を「家族」と呼ぶ一方で、有明の方すら防御に利用する牙鬼萬月の利己主義が鮮烈なコントラストを生んでおり、あまり重くならない程度にテーマ性を盛り込んでいたのが良かったですね。
その最期は、巨大戦で敗れてなおも生きている処を、十六夜九衛門に嘲笑され朽ちていくというものでした。強者でありながら最終的には徹底して「クズ描写」に振った事により、その最期も似つかわしく映るという流れが巧く、十六夜九衛門が正体を明かす衝撃のシーンを存分に盛り上げていました。
十六夜九衛門の正体
十六夜九衛門の言う処には、彼の正体は牙鬼幻月の息子、つまり牙鬼萬月の兄。
ここまで詭弁を弄して生き残ってきた十六夜九衛門ですから、これ自体も詭弁なのかも知れませんが、死に瀕した牙鬼萬月にわざわざ開帳した言であり、しかもさすがに土壇場に近い時期になので、これが嘘だとは言えそうにありません。また、今回牙鬼萬月が敗れてしまいましたので、晦正影の言う「予言」を成就させる人物として、十六夜九衛門が適任である事は論を待たないでしょう。
しかし謎はまだまだあり、有明の方が実の母親なのか、別の正室や側室が存在するのか、妖怪に身をやつさなかった人間の母親が存在するというパターンで来るのか...と、こと出自に関しては想像の余地がかなり残されていると思います。
ところで、十六夜九衛門には旋風と一緒に修行していた「人間体」の回想シーンが存在するので、彼が牙鬼幻月の息子であるという「設定」がより衝撃を持って迫ってきますよね。この辺りの折り合いをどうやって付けてくるのか、個人的に物凄く楽しみになっています。
大決戦!
今回は、近年の例に漏れずアクションが最終編のようなノリで展開されます。
次々に変身が解けてしまう大ピンチのシーンは、「ニンニンジャー」ではあまり連発されていなかったが故にインパクト大。80年代~90年代の戦隊は頻繁に変身解除がありましたが、比較してみるといかに今回が明快なアクション活劇を目指していたかが分かりますよね。
旋風の潜入作戦をサポートする為に奮闘する天晴達の姿には、時間制限モノのスリルも感じられ、スピーディで目まぐるしくも危機感の高さまでちゃんと感じさせる素晴らしい構成に。基本的にずっと劣勢なのも最終編っぽい感じです。
ここで好天が動く事で大逆転開始。この一気呵成の逆転劇には大きなカタルシスがあります。前段に獅子王が好天へ皮肉めいた言を向ける、スタティックなシーンが挿入されているので、静から動へと移る様がよりそのインパクトを高めています。
好天の気が向いた時にしか出現しない「終わりの手裏剣」の威力は正に絶大ですが、好天自身が使うものではないという点は一貫していて、まだ一人前ではない天晴達が使わなければならないという事を考えると、好天ですら既に一人前ではない(斜陽である)という語り口が見えてきます。そこには「家族」の団結というテーマが巧く作用しているように思うわけです。十六夜九衛門にも父子の関係性を持ち込んできましたから、「ニンニンジャー」の根底に血脈の論がある事は間違いないでしょう。
なお、今回も素面名乗りに近いシーンが挿入されました。前々回よりも更に難度を増したポージングが決戦感覚を高めてくれます。
ロボ揃い踏み!
巨大戦では、やはりクリスマスを意識してか全ロボ登場という豪華な絵面に。オトモ忍総登場、ロボ同士のバトルと来て、今回は総登場。形態を変えつつ、ちゃんと全合体前の状態も「出演」させている処に気合いを感じました。
と書きつつ思ったのですが、「ニンニンジャー」の巨大ロボってどれも結構似た印象があって、区別が付きにくいですよね。良く言えば統一感があり、悪く言えば没個性という感じでしょうか。今回もどのロボがどう合体したのか、一瞬分からなかったり(笑)。年齢の所為か...。
次回
今回で一旦区切りが付いたので、次回はお祭り編といった処でしょうか。ここに来てまさかのゲスト登場とあって、かなり驚きました。
竜門 剛
正直言って、私もニンニンジャーはメカの印象が薄くて・・・(汗)。敵味方ともにキャラクターが濃すぎることが原因ではないかと思っておりますが。ライオンハオーより獅子王のほうがインパクトありますもん。
あと、ファンタジー系戦隊の宿命とでも言いますか、名前がどうしても似てくるんですよねぇ。○○ジンとか○○オーとか。初期の戦隊はストレートに戦隊名とロボで分かりやすかった。
萬月が早々に退場。これは意外でした、しかもちゃんとニンニンジャーに倒されるとは。そもそもが家臣一同という設定の牙鬼軍団では、お約束の敵組織内乱が起こりにくいみたいですね。九衛門もそれほど暗躍という感じではありませんし。
そしてまさかまさかの九衛門の正体が少しだけ。戦国時代では子供が複数いるのが当たり前のようなものですが、母親違いという風な流れはニチアサ的には向かないと思うのですが果たして・・・・
そして次回は死んだハズのあの人!
天地人
二度ある事は三度あるネコマタの再々登場ですが、てっきり時をさかのぼる能力を利用するのかと思ったら、魔法で変身とは意表をつかれましたね。
萬月の退場については、九衛門が喋りかけた段階で、長くはないのかと思いましたが、まさか兄者とは思いませんでした。
だって強大化して出てこないから(それはバトルフィーバー)
そして次週はあの人が登場ですが、そうすると10周年で踊りまくっていた某兄弟は出ないんでしょうか・・・
それではまた
天地人
五星戦隊ダイレンジャーで道士嘉挧を演じられた中康次さんが亡くなられたそうです。
スケバン刑事の神恭一郎役も印象に残ってますが、あの静からながら存在感のある演技は作品に大きな影響を与えていましたね。
ご冥福をお祈りします。