「夏休みスペシャル」第三弾!
今回はドラキュラの出番。そして、前回は殆ど戦闘に参加する事なく、蚊帳の外で存在感を発揮していた風花が、正真正銘メインを張るエピソードとなりました。
ゲスト俳優として、CROSS GENEというグループのSHINさんが登板。私はこの辺り、全く明るくないのでよく分かりませんが、物凄くキザでありながら、それでいてとにかく爽やかなキャラクターを好演していて良かったですね。
ドラキュラ
今回活躍する西洋妖怪は、吸血鬼・ドラキュラ伯爵をモデルとするドラキュラ。
ドラキュラ伯爵は、古今東西数多の映像化に恵まれた、ブラム・ストーカーの生み出した名キャラクターであり、恐らくその最も一般的なイメージを形成したのは、名優クリストファー・リーの演じたドラキュラ伯爵でしょう。
残念ながら、クリストファー・リー氏は先頃訃報を聞くこととなってしまいましたが、晩年に至っても高齢でありながら個性派俳優としての威厳とユーモア、そして独自性を保ち続けた、真の「怪優」であろうかと思います。
リー氏の演じたドラキュラ伯爵は、その貴族的な立ち振る舞いから、正に「伯爵」たる印象でした。魔性の魅力で女性をたちまち虜にしてしまうといったドラキュラ伯爵の特徴は、リー氏によってより説得力を増したと言えるのではないかと思います。
日本では、何と言っても岸田森さんでしょうか。
森さんも真の個性派俳優で「怪優」。松田優作さんの映画等における「怪演」はここでは割愛しますが、円谷作品では常に主人公に近い立場の重要人物で強い印象を残し、戦隊で言えば「サンバルカン」の嵐山長官を演じた事で、特撮ファンの胸に強く存在感を刻んでいます。嵐山長官は、私にとっては、「バトルフィーバー」の鉄山将軍、「ダイナマン」の夢野博士、「チェンジマン」の伊吹長官、「ジェットマン」の小田切長官と共に五本の指に入る指導者。森さんは、父親と長官の立場で揺れ動く様を情感たっぷりに演じておられました。若くして亡くなられたのが実に惜しいです。
ちなみに、戦隊でドラキュラと言えば、歴代レッドのスーツアクターを務められた新堀和男さんで、特に初期戦隊では定期的にドラキュラに扮する機会が設けられていました。これが実に怖いんですよね。
さて、今回のドラキュラは、その吸血能力(生気を吸い取る能力に変更)や弱点、美女をターゲットにするといった特徴をトレスしており、そこにパロディキャラならではのギャグを交えて形成されています。特に有明の方との掛け合いが絶妙で、夫婦漫才のようでした。
SHINさん演ずるイケメン俳優・SILVERに化けていると思わせておいて、実はプロデューサー・サトウに化けていたというミスリードも、ありがちなネタでありながら適確なテンポでの描写が見事。日光を克服しているにも関わらず、ニンニクは克服していなかったというコミカルさも抜群でした。
SILVER
ドラキュラ役を演じる俳優、SILVER。前述のようにドラキュラとイメージをダブらせたフェイクなのですが、ネタバレ直前まで巧妙にミスリードされる為、その怪しい魅力が全開に。
特に風花を気に入って言い寄る様には、ニンニンジャーである事が分かっていて狙っているかのような凄味まで感じられました。単に風花への興味が強かっただけ...というバレが逆に強烈に爽やかでしたけど(笑)。
忍者の活躍を目撃してからは、可愛らしい笑顔を見せたりといった魅力的なシーンが続々と登場。SHINさんが戦隊ファンである事が、手に取るように分かるような感覚でした。
実はコスプレ回
ドラキュラとSILVERのキャラクター性が強い今回ですが、実際はニンニンジャーの立ち振る舞いも負けず劣らず。
風花が女優オーディションに参加するとあって、戦隊ヒロイン回の定番である疑似アイドル編なのかと思いきや、完全に潜入捜査ものへとシフト。潜入捜査となれば、必然的にコスプレへの扉が開くわけで、実際にほぼコスプレ回と化しました。
まず、主役の風花ですが、麗しいロングスカートのドレス姿を披露。普段の、少女らしくもボーイッシュなスタイリングとは打って変わった雰囲気に射貫かれた、諸兄諸氏は大勢である事でしょう。このドレス姿でアクションをするシーンもあり、その難易度の高さをものともしない姿勢には感心してしまいます。
続いて霞。こちらは風花の清楚なドレスとは少々趣を変えたエレガントで大人なコーディネイト。潜入捜査を名目に、結構嬉しそうにオーディションに参加する辺り、ちゃっかりしていて楽しい処。残念ながら、早々にドラキュラの毒牙にかかってしまうので、ドレスでの活躍は少ないですが...。その麗しの姿は、東映公式サイトでじっくりご覧下さい(笑)。
キンジは、やはり抜群のスタイルだけに、給仕の正装が実によく似合っています。眼鏡姿も披露し、万全の(?)体勢。実は最も自然な潜入を果たしていたのが彼である事も、注目に値します。
天晴は...以下略。
今回最も衝撃的なのは、八雲と凪。「バトルフィーバー」を嚆矢とする女装ネタは、2015年も健在!
二人とも妙にきめの細かい肌質で、その装いが似合いすぎで笑えてきます。凪はノリノリで演じているものの、どこか理性を保っていますが、八雲は完全にネタキャラ化しており、その口調が戦闘、そしてエピローグに至っても抜けないというNot easyな状態(笑)。もしかすると今後もネタにされるのではないかと思われる程、ギャグとしての完成度は高かったと思います。
こうしたビジュアル面での楽しさは、例年以上に華やかな六人のルックスに支えられたものである事は間違いなさそうです。
雑感
気がつくとストーリーに関してはまるで触れませんでしたが...それだけビジュアル面が楽しかったという事で(笑)。
いよいよ残るは狼男。キンジとの因縁はいかに。...と思っていたら、狼男の出番は先送りらしく、予告を見る限りお祭り騒ぎな感じにも見えて...やっぱり予想が付きません。社会人的には夏もそろそろ終わりといった感覚なので、多少寂しくはありますが、まだまだ「ニンニンジャー」の夏休みスペシャルは続きます。
竜門 剛
何と言っても八雲と凪の女装に大爆笑の回でした。しかも、しっかり襲われてるし。ドラキュラ、目が節穴すぎるだろぉぉぉ!
触れられていなかった(笑)内容については、風花が将来の夢について向き合うというお話でした。めずらしく兄らしい天晴の姿もありました。
最後は戦隊らしく、爽やかに閉めました。でも、「ドラキュラ対忍者」って、どこかのB級映画でありそうで怖い・・・。
天地人
恐ろしい事に「ニンジャ VS ヴァンパイア」っていう映画がホントにあるんですよ(笑)
内容は魔術書の力でニンジャパワーに目覚めた若者達が吸血鬼軍団と戦うという、アクションホラー映画で、ニンジャVSゾンビの続編という・・・もう何でもありですね。
せっかく呼んだ西洋妖怪ですが、最強と思われるドラキュラが結構弱いのは何とも(汗)まあ、これは西洋妖怪がイマイチだったのではなく、天晴達が強くなったんでしょう(でも、女装がホン似合ってました)
壁ドンもありましたし、有明の方はホントおいしいところを持っていきますね。
ただ、残念なのはオーディションなら、やっぱり水着審査は外せないでしょう(おいっ)なのに、何故なんだ~っ(爆)
それではまた