Episode 13 予知者 -イラストレーター-

 リコを失った孤門は悲嘆に暮れる。そんな孤門を監視するM・Pの三沢たち、そして溝呂木…。

 その頃、チェスターの新フォーメーション・メガキャノンチェスターのプランを検討するナイトレイダー。孤門不在をいぶかる隊員をよそに、隊長は孤門に休暇を命じていた。凪は孤門を助けたいと進言する。

 孤門は絶望感に苛まれるあまり溝呂木につけ込まれる。半年前、孤門に出会ったばかりに、ビーストによって自分そして家族を殺されたとするリコの幻に翻弄され、それを楽しんでいたと煽る溝呂木に、怒りと絶望感を利用されてしまう。

 ストーンフリューゲルで治癒の最中の姫矢は、必死に孤門への呼びかけを続け、ダークフィールドから彼を救い出すことに成功する。溝呂木は凪を引き込もうとするが、凪はそれを振り払い、孤門を立ち直らせるべく一喝する。

 一方、松永と吉良沢はニュートリノの光が反応する施設で今起こっていること、これから起こることについて意見を交わしていた。吉良沢は溝呂木の動きを敏感に察知しているようだった。2万8千光年の彼方、M80さそり座球状星団で起きた超新星爆発が、すべての発端だと言う松永。そして「来訪者」の謎を知っているかに見える吉良沢だったが…。

解説

 ウルトラマンが殆ど登場しないという、メインターゲット(?)である児童にほぼ置いてけぼりを喰らわせた今回だが、名作と謳われる「セブン」での、ペガッサやキュラソ編を思い起こせば、決してウルトラの潮流から外れたエピソードではない。

 心理的な怖さを強調した作劇は、11話の正統な続編と言えそうだ。やはりリコ周りの描写が奮っており、明るい部屋と、とうとう無機質な人形と化したリコの両親の描写が交互に炸裂するシーン作りは、溝呂木の凶悪さと孤門の絶望感をうまく描き出していた。

 一方で、元ナイトレイダーの副隊長らしく、キレの良い体術を見せる溝呂木にも注目。人間体でも充分に格闘戦をこなすことができるのを見せることで、敵役としての強大さを存分にアピールすることとなった。

 今回は「イラストレーター」と吉良沢に関するタイトルが付けられているが、吉良沢のシーンは少なく、松永との会話で「M80さそり座球状星団で起きた超新星爆発」、「来訪者」、「振動波にニュートリノが反応」といったタームを羅列することで、ネクサス世界に新たな謎を提供している。それらの謎は、いずれ丁寧に解かれていくだろう。

 ところで、松永と吉良沢が会話していた場所、「ガイア」に登場した「プロノーン・カラモス」のイメージに酷似していると思ったのは私だけだろうか?