Episode 06 遺跡 -レリック-

 凪の弾丸は姫矢に当たる手前で消滅してしまう。姫矢は呼び寄せた飛行物体と融合、孤門は飛行物体に触れ意識を失ってしまう。凪は和倉に報告するが、報告は飛行物体のみにとどまり、何故か姫矢の存在には言及しなかった。

 孤門は飛行物体より得た記憶を元に、新聞記事を検索して「姫矢准」の存在を知る。姫矢の手掛かりを探す孤門の前に姫矢の先輩である佐久田が現れ、孤門は姫矢の過去を知ることとなる。

 姫矢はかつて紛争地域へと赴き、その惨状をカメラに収めていた。そこで出会った少女セラに、姫矢は心癒される。ところが、セラは戦場でその命を散らしてしまう。その惨劇は、姫矢の構えるカメラの前で繰り広げられたのだ。姫矢は苦悩の末、姿をくらました。

 佐久田が姫矢の夢と伝え聞くところでは、姫矢はとある遺跡を発見したという。ところがそれは夢などではなく、実際に姫矢は遺跡でウルトラマンとなり、ビーストを打ち倒していたのだ。

解説

 姫矢がウルトラマンとなった状況が語られる設定編。ナレーションなどで淡々と語るのではなく、あくまで作劇で状況を描写していく構成が見事な一編である。

 孤門が姫矢の過去に興味を持ち独自に調べることで、視聴者の目線を代表するようになっており、視聴者は孤門のポジションに立って佐久田の話を再現した映像を見せられ、姫矢の過去を充分に理解することが出来る。ストーリーの流れに巧みに組み込まれた「設定の説明」だ。

 姫矢中心のストーリーゆえにナイトレイダーの活躍はおあずけとなったが、今回のTLT側の描写では、そこかしこに謎を含んだセンテンスが乱れ飛ぶものとなった。凪に対し「前任者の時のように期待を裏切らないように」とクギを刺す和倉隊長、凪はその前任者を「あの男」と呼び、吉良沢は姫矢のデータを見て「この男が2番目」と言う。これらの謎が徐々に解き明かされていく今後の展開に対し、大きく期待を持たせるに充分だ。

 今回は、姫矢がウルトラマンとなって初めての戦闘が描かれており、オーソドックスなバトルに好感が持てるものとなった。パワフルなビースト、華麗なウルトラマンの格闘スタイル、メタフィールドの展開、ウルトラマンAのタイマーショットを彷彿とさせる派手な光線技。ネクサスは確実にウルトラマンとしてのアイデンティティを備えつつある。