平穏な世の中。しかしある夜、軟体状の得体の知れない怪物が現れ、ガソリンスタンドの店員を飲み込んでしまった。ただちに出動する謎の部隊ナイトレイダー。首尾良くトンネルに追い込むと、これを撃退しさらに怪物の存在自体を隠蔽するのだった。
孤門一輝は警視庁のレスキュー部隊に所属する青年。しかし、彼は突然異動を言い渡される。健康診断の再検査という口実でTLTの幹部・松永に招聘された孤門は、肉体テストの末、ナイトレイダーへ入隊することとなった。
ナイトレイダーの拠点へと向かう孤門を、例の怪物が襲う。それを救ったのは、謎の銀色の巨人であった・・・。
解説
待望の新シリーズ、遂に放映開始。
シーンの作り方などを見てまず感じたのは、いわゆる「平成ウルトラシリーズ」とは少し違った印象を与える「闇」の雰囲気。主に夜出現するスペースビースト、そして夜迎撃するナイトレイダー。この「夜」という現実における異世界を、非現実で彩るという、効果的な手法によりストーリーが組み立てられている。
明らかに「ウルトラQ Dark Fantasy」の流れを汲む日常描写などにも驚かされるが、何といっても今回登場したスペースビーストがフルCGによるものだということがポイント。これには賛否両論あるかもしれないが、私的にはむしろ効果的であったと言いたい。これまでの「怪獣」とは異なる次元で勝負することが、このネクサスの世界では必要だと思われるからだ。
キャラクターの配置は、まだこの時点では曖昧だが、すでに孤門の周囲の描写は濃厚で、リコの存在、そして厳しい言葉を投げかける凪を印象付けることに成功している。また、クロムチェスターの抜群のステルス描写、降機の際に機体のサスペンションが沈むシーンなど、特撮ファンに対しときめきに近い感情を与える。
ウルトラマン自体の登場はほんの少ししかないが、スペースビーストを光線で打ち破るのかと思いきや、何と拳で潰してしまうという凄い登場で、その存在を強く印象付けた。ただ、幼児には少々不満だったかも・・・。