ウルトラマン80

 M78星雲・光の国の、宇宙警備隊隊員。特に優秀な戦士団であるウルトラ兄弟9番目の弟とされるが、以前地球に派遣されてきた際は、ウルトラ兄弟候補生であった。

 華麗な空中殺法と多彩な光線技を併せ持つ万能の戦士。かつての地球での戦歴は無敗であった。

 地球では「矢的猛」と名乗り、防衛チームUGMの隊員として働きつつ、当初は桜ヶ岡中学の理科教師も勤めた。

 マイナスエネルギーの根源を絶つべく就いた教師の仕事であったが、マイナスエネルギーの根絶には至らず、強大化する怪獣達と戦う為に教師を辞めざるを得なかった。

 四半世紀を経て、マイナスエネルギーの兆候を感じ再び地球に飛来。その途中でロベルガー二世と遭遇し、地球で一戦交える。その後、かつて教え子の前から突然姿を消してしまったことを後悔していた80は、教え子達の想いを受け止め、彼らの前に「矢的先生」としての姿を現すのだった。 (矢的猛演/声:長谷川初範)

データ


身長

50m

体重

44,000t

ウルトラマン80・フロントビュー

ウルトラマン80・リアビュー

必殺技・武器


サクシウム光線

左腕を天高く、右腕を水平に伸ばし、素早く両腕をL字型に組んで放つ必殺光線。状況に応じて様々な威力に調節することが可能だ。

バックルビーム

腰のウルトラバックルにエネルギーを集中させて発射する破壊光弾。無数の光の矢が敵を木っ端微塵に粉砕する。

チェックポイント

 ウルトラマン80は、「ウルトラマン先生」という強烈な設定が印象に残るウルトラマンであるが、長らくマイナー扱いに甘んじていた不遇のウルトラマンでもある。

 その原因は、「教師編」が1クールで終了してしまったこと、その後、ハードな「UGM編」、ソフトな「少年編」「ユリアン編」と、傍目に迷走してしまったことで、低評価を与えられたことにある。

 しかし、ウルトラのあらゆる要素を、それぞれおよそ1クールずつじっくり描いてきた、稀有なシリーズであると共に、アナログ特撮が描き出す最高の映像を味わうことのできる、贅沢なシリーズでもあったのだ。

 今回、メビウスに登場した80は、ポーズをキメるときの「フォッ」という効果音や、ウルトラスパイラルビーム、ウルトラレイランス、サクシウム光線、バックルビームの披露など、サービスたっぷり。変身シーンこそなかったが、矢的猛の登場も嬉しい。

 何より、「教師編」が1クールで終わったことの劇中の理由が、四半世紀を経て語られたことが大きい。矢的先生は、ビブロス星人・ミリーの事件の直後、教師を辞めていたのだ。改めて「ウルトラマン80」という物語を見返したとき、裏側に秘められた矢的猛の忸怩たる思いを、感じることになるだろう。