ブレイブ11「ウッチー!クールでござる」

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 というわけで、二話連続視聴の二話目です(笑)。

 しかも、二話とも強烈なお話だったので、頭の中を整理しつつ書いておるわけですが、やはり若干整理出来ない部分があるのは仕方のない処でして。

 今回の主役は「アイドル」でした。

 「アイドル」って何?! って感じですが、実際にOPクレジットには「アイドル」って書いてあったんですから仕方ない(笑)。

 本当の主役は空蝉丸とアミィなのですが、とりあえず「アイドル」さんが強烈過ぎて...。

 ブレイブ6の時点で、戸松さん本人が人間態として登場する日が来るのでは...と書いていましたが、こんなに早いとは思っていませんでしたね(笑)。さすがは人気声優といった処でしょうか。

 私はあまりアニメを見ませんし、特に最近の声優さんに関しては疎いんですが、「ガンダム00」は当時ハマったので(「見たか?」のブログシリーズを始めたのが「ガンダム00」でした)、色々な関連書籍を買ったりしていると、「中の人」特集があったりして、その中に戸松さんの記事もありました。何とも若い人が演ってるんだなぁ...と思っていたのですが、その後人気急上昇。確かに可愛いし長身でスタイルもいいしで、人気が出るのも分かります。そんなわけで、あんまり興味のない私としても少しは注視していた声優さんなのですが、今回の良い意味であざとい演出も相俟って、私の中の評価は鰻登りとなりましたよ。

 ある時点から、戦隊では毎年必ずと言って良いほど「芸能ネタ」が仕込まれるようになります。それらは大抵ヒロインの七変化ネタ等と絡めて描かれ、悪側にはあまりスポットが当たらないのですが、異変が起こったのは「ハリケンジャー」から。現在でも高い人気を誇る山本梓さん演じるフラビージョが、これまた現在でも高い人気を誇る長澤奈央さん演じるハリケンブルー=野乃七海と、アイドルユニットを組むという、「異常事態」が発生しています。そのエピソード自体は、信頼と裏切りを絡めた、結構骨太なストーリーだったのですが、二大グラビアアイドルによるビジュアルの鮮烈さは、戦隊史におけるエポックメイキングとなりました。

 その後、暴走した「ゴーオンジャー」では同様の趣向でヒロイン二人+悪の幹部一人によるアイドルユニットが結成され、劇中のみならず実際に楽曲をリリースしたり、後年の劇場版にも突然現れたりと、妙な好評を博すに至り、今の処これが頂点となっています。

 今回は、アミィそっちのけでキャンデリラが「芸能ネタ」の中心を占め、その魅力を遺憾なく発揮する事になりましたが、興味深いのは、明らかにキャンデリラ人間態のライブに集ったファンが「一般層」ではない事(笑)。戸松さんのファン層がこんな感じと申し上げるつもりは毛頭ないですが、世間のトータルイメージをあざといまでに表現してしまう「戦隊力」の思い切りの良さには、脱帽すると共に戦慄すら覚えます...。

 まぁ、それはそれとして、ライブのシーンの演出は非常に完成度が高く、このような「劇中ライブ」にありがちな「嘘っぽさ」が、客層を除けば(笑)微塵も感じられない辺り、遂にここまで来たかといった印象でした。また、終始楽しそうなキャンデリラの印象に、ピッタリな演技を付けている戸松さんの芝居の完成度の高さにも感心した処です。

 今回のメインは「アイドル」だというのは冗談として、真のメインはアミィです。

 前回、圧倒的な強さを見せつつも獣電戦隊とは距離を置くキョウリュウゴールド。そして、今回の冒頭でもその強さを誇示しつつ、ダイゴ達に辛辣な指摘をして去って行くキョウリュウゴールド。しかしてその実体は、その言動を酷く後悔する底抜けに「いいひと」である空蝉丸。

 そんな空蝉丸の「真の姿」を目の当たりにしたアミィは、持ち前の「放っておけない」性格をフルに発揮し、空蝉丸の「クールさと威厳」を保つべく、秘密裏に奮闘するわけですが、これが実に楽しい。純然たる追加戦士というキョウリュウゴールドの特性上、これまで通りダイゴというキャラクターの求心力に惹き付けられて、互いの信頼関係を「瞬時に」築くという展開を予想していましたが、ラミレスの時と同様、アミィが先陣を切って獣電戦隊側に新キャラを引き寄せるという役割を果たしているのには、興味を引かれる処です。

 実際、今回判明した空蝉丸は、いわゆるツンデレ(になるよう努力している)キャラな上に強力無比な戦力の持ち主、その上、少し油断すると素の「いいひと」になってしまいそうだという、出自の凄絶さの割には崩れた処がてんこ盛りになっており、「キョウリュウジャー」の出し惜しみのない姿勢を体現していると言えるでしょう。空蝉丸の言動には、ホントに笑わせてもらいました。

 その空蝉丸と、キョウリュウジャーとの間を絶妙な関係性で保つ為に動くのが今回のアミィで、あらゆる演出で彼女の魅力を描出。恐らく、キャンデリラを魅力的に描く演出の対極を見せる事で、直接対決ではないヒロイン対決を見せる意図があったのではないかと思われます。

 キャンデリラ側は、前述の通り、戸松さんの魅力をそのまま活かして、とにかくアイドル的な可愛らしさと派手さ、楽しさをアピール。アミィ側は今野さんの身体能力をフルに活かしてアクションで対抗!

 特に今回の注目は二つ。

 一つは、一輪車。完全にノースタントでこなす一輪車でのアクションは、凄いの一言。シチュエーション的には物凄く無理があると思いますが(笑)、出来上がった映像を見ればもう納得するしかない完成度。今回のヒロインはどこまでやるのかといった感じで目が離せません。ちなみに、一輪車といえば「仮面ライダースーパー1」でもヒロインのハルミが披露しており、こちらも結構唐突な印象のある登場でした。

 もう一つは、変身ステップをアクション化した秀逸なシーン。ステップ自体省略される事も増えてきた変身シーンですが、今回はアミィの足技を活かすかのように、ステップを戦闘員戦へと昇華させ、変身シーンの間延び回避法の究極を見せてくれました。昔の香港映画で見られた頭越しの後ろ蹴り等、身体能力の高さを見せつけるアクションの数々には、目を奪われること間違いなし。キャンデリラファンも、アミィファンも両方一気に増加したのではないかと思います。

 最後にエピローグでの特筆事項を。

 エピローグでは、アミィと空蝉丸の、今時の会話式によるメールのやりとりがありましたが、それにも増して、空蝉丸の精一杯の辛辣な指摘を受け止めるダイゴ達の態度が印象的でした。これまでの戦隊では、空蝉丸をイヤなヤツとして何話か引っ張るようなパターンも多かったのではないかと思いますが、今回のように、素直に自分の至らなさを反省して次につなげる姿勢は、非常に前向きで子供の教育にも良く(笑)、少々驚いた次第です。非常にポジティヴな「キョウリュウジャー」の制作姿勢を垣間見たような気がします。

 次回は、いよいよダイゴと空蝉丸が手を握るのか!?