多方面でロックオンに関する反響が渦巻いてます。
それほど、#23は衝撃度が高かったようです。
以前にもまとめてましたが、改めてロックオンについてまとめてみようと思います。
身長は185cm、体重は67kg。血液型はO型で、3月3日生まれの24歳。
本名はニール・ディランディ。
年齢不詳のティエリアを度外視すると、プトレマイオスのガンダムマイスターの中では最年長であり、とかく不協和音の漂うマイスター達をまとめる役割を果たしていました。
ロックオンの行動原理は、基本的にガンダムマイスターの戦争根絶という理念に忠実に見えますが、その奥底の本質は復讐に燃える男であり、特にテロリズムに対する怨念は凄まじいものがあります。
その怨念は、ロックオンの経歴に理由があります。
少年時代は、そこそこ裕福な家庭で幸せな生活を送っており、両親と妹・エイミーの4人が家族としてはっきりと確認できます。
天涯孤独な筈のロックオンが墓参りをした際、既に何者かの参拝の痕跡があったこと(しかもその人物はロックオンに酷似)や、「ライル」なる人物に言及がありましたが、この時点ではまだ謎です。
14歳の時、ニール少年の人生を180度転換してしまう出来事がありました。
それは、太陽光紛争でくすぶる中東の感情をKPSAというゲリラ組織としてまとめた、アリー・アル・サーシェスの指示による自爆テロ。
これにより、ディランディ一家はニール少年を残して全滅してしまうのです。
それから後の10年間、何があったかは詳細には描かれていません。
想像が許されるのならば、恐らくこの時点からすぐに復讐の為の準備は始まったものと思われます。
射撃の腕を磨き、その能力を何らかのルートで買われたニールは、ヴェーダに選抜されてソレスタルビーイングに参加。
個人情報の秘匿を原則とするソレスタルビーイングでは、ロックオン・ストラトスの名を与えられます。
射撃の腕を名が現す「ロックオン」。
オリジンをたどれば成層圏の意を持つ「ストラトス」。
それは、最期の時におどけて地球を狙い撃って見せた彼の姿に重なります。
愛機ガンダムデュナメスは、ロックオンの能力を最大限に生かす遠距離支援型。
コクピットは射撃に特化した構造となっており、支援モジュールであるハロの搭載ユニットと、精密射撃専用のトリガー付スコープを装備。
その精密射撃は、数々の戦果を上げています。
プトレマイオスの良き兄貴でもあったロックオン。
両親がガンダムマイスターであったフェルトは、ロックオンに憧れ、ロックオンはフェルトを優しく諭し励ますなど、両者は接近したように見えました。
しかし、ロックオンは孤独であることを頑なに守っていたように見受けられます。
ガンダムマイスターの中でも出自の特異なティエリアが、ヴェーダとのコネクションを絶たれた際にも、ロックオンはティエリアのガンダムマイスターとしてのアイデンティティを認めることで、ティエリアの個の確立を促しました。
また、プトレマイオスの中で突出した大人であるスメラギの話し相手も、ロックオンは担っていたようです。
ロックオンは、ガンダムマイスターの中で最も高潔で正しい男のように見えますが、実は最も私情に流されやすい人物です。
ガンダムマイスターとしての志は、実は刹那の方が純粋で高潔。
個々の作戦行動に関しては感情にバラツキがあるものの、ソレスタルビーイングの理念の前に個人的な動機を挟まないアレルヤ。
ティエリアはそもそもソレスタルビーイングの申し子と言える存在。
他のガンダムマイスターに比べ、ロックオンはガンダムマイスターのアイデンティティを私情で危うげに保っている存在です。
ただし、その矛盾に気付いているからこその自制力、強い精神力の持ち主でもあります。
サーシェスを前にしたとき、ロックオンはやはり私情で出撃していきます。
利き目が使えず、圧倒的に不利な状況と理解しつつの出撃は、普段のクールな彼からは逸脱。
根底からのテロリストであるサーシェスこそが、ロックオンのカタキであり最終的に狙い撃つべき相手だったということでしょうか。
しかしながら、サーシェスを狙い撃ってなお、ロックオンは空しさに身体を漂わせるのでした。
「俺は、イヤだね...」
富野監督の名作「無敵鋼人ダイターン3」のラスト、主人公の万丈が「僕は、イヤだ」と呟くのですが、このシーンでも万丈は憎むべき相手を滅した後の空しさを吐露しているのです。
ロックオン最後のセリフは、このシーンへのオマージュかも知れません(少々深読み)。
復讐を果たした後も連綿と続く争いの世界。
そこに空しさを感じつつ、ロックオンが真に宇宙から眺めたかった世界を、刹那に託して散る...。
いや、本当は散っていて欲しくはないんですが。
さて、どんな仕掛けを用意してくれるのでしょうか。
ライル?
クローン?
コンドルのジョー?
それとも?
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