#23 世界を止めて

  • 投稿日:
  • by

 ロックオンが!


 ロックオンがぁ!


 ロックオン、ろっくおん、ロックオン...(by ハロ)


 うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!(by 刹那)



 ロックオンここで退場かよ!

 助かった~って出てくるんだろ? と思っていたら、エンドロールで三木眞一郎さんだけが特別扱いだったので愕然。

 死亡確定かと。


 彼はガンダムマイスターの欠くべからざる良心というべきポジションだったので、非常に残念です。

 まさか主役の1人を退場させてしまうとは思いもよりませんでした。

 主役級が死亡するガンダムは、多分「0080」(バーニィ)だけかな、と。


 う~む、実に意外な感じがしました。

 刑事モノの殉職みたいで非常に素晴らしい演出ではありましたが。


 しかも、憎まれ役の最右翼となるであろうと予想されていたサーシェスも退場。

 と言っても、可能性は50%くらいですが。

 でも、ロックオンの「カタキ討ち」が成就されていないと、切ないことこの上ない。

 しかしながら、サーシェスは刹那の因縁の一端を担う人物でもあるわけで、刹那によって討たれるべきという感もあるので複雑です...。



 ところでトランザムですが、


「機体に蓄積した高濃度圧縮粒子を全面開放し、一定時間、スペックの3倍に相当する出力を得る」

「トランザム使用直後は、機体性能が極端に落ちる」


という説明がなされていました。3倍(笑)。

 オリジナルのGNドライヴのみに搭載された機能(リボンズ曰くブラックボックスに予め組み込まれていたもの)であり、要はやっぱりスーパーモードです。


 トランザムシステム発動により、機体全体が赤く輝いていますが、立体物的には腕や腿などの紫の部分が赤くなるようです。

 トランザム仕様のプラモ化は、HG GNアームズに同梱されるガンダムエクシアが初ということになりました。


 今回のキュリオスの追加装備やテールブースターなんかも、このトランザム仕様で出る可能性がありますね。

 実に商売がウマ(以下略)。



 このトランザム、今回はアレルヤとティエリアの形勢逆転に使用されました。

 ユニオンのヴァージニア級3隻がプトレマイオスに接近。ガンダムキュリオスとガンダムヴァーチェの2機はその迎撃に出ます。

 勿論ロックオンも出撃しようとするのですが、ティエリアが予めセクションをロックしており、出られないという趣向。


 「今度は私が彼を守る!」


とはティエリアの弁。「私」「行きます」など言葉遣いが著しく変化していますねぇ、ティエリア。

 これが「人間」としてのティエリアの姿なのでしょう。



 アレルヤは例によってソーマに襲撃されます。

 しかも例によって脳量子波の影響を受け、形勢は不利に。


 ソーマは「被検体E-57!」とティエリアを呼んでましたが、かなりアレルヤのことを勉強したみたいですな。


 ピンチに陥ったアレルヤがトランザムを発動。

 脳量子波は何とハレルヤが遮断!


 便利な別人格ですな(笑)。


 キュリオスは元々運動性の高い機体ということか、トランザム発動後の動きが尋常じゃなく、これぞV-MAX(違うか)。


 これでソーマも退場かと思いましたが、セルゲイ共々生き残ってくれました。良かった...。



 一方、ヴァーチェはジンクスの集中攻撃に晒されます。

 このきっかけとなるのが、サーシェスのスローネツヴァイ。

 サーシェスはファングを自在に使いこなしており、何とも凄いパイロットであることをアピール。


 サーシェスはゲーリー・ビアッジと名乗り、セルゲイと会ってますが、この2人、手を組みつつも志が正反対なのが面白いですね。


 それにしてもこのサーシェス、とんでもない悪者なんですけど、藤原さんの声が入ると、どうも憎めないキャラになっちゃいますね。

 勿論それが魅力なんですけど。


 ティエリアもトランザムを発動させてこのピンチを脱します。

 凄まじいGNバズーカ・バーストモード。これぞメイオウ攻撃(失礼...)。


 パトリックが岩石に激突し、またも生き残ります(またも「大佐~!」)。



 さて、刹那は、今回宇宙に上がることとロックオンの許へ急ぐことに終始したため見せ場はなし。

 ただ、ラッセとの会話は重要です。


 ラッセ「ソレスタルビーイングは、俺達は存在することに意義があるんじゃねぇかってな」

 刹那「存在すること...」

 ラッセ「人間は、経験したことでしか本当の意味で理解しないということさ」


 ソレスタルビーイングの本質を突いているのかどうかは定かでないですが、本質にはかなり近いのではないでしょうか。

 犠牲になることで世界をまとめるのではなく、存在することで世界をまとめるということ...かなぁ。


 ロックオンが爆発に巻き込まれたのを目の当たりにした刹那は泣いていましたが、内心ロックオンを兄貴のように思っていたのではないでしょうか。

 プトレマイオスの面々それぞれの哀しみ方が印象的でした。

 フェルトは特に可哀想でしたが。



 というわけで、ロックオン最後の戦いを追跡。


 ロックオンがGNアーマー(GNアームズの変形)装備のデュナメスを駆って出ます。


 「圧倒させてもらうぜ」

 「一気に本丸を狙い撃つ!」


 カティに焦りの色を浮かばせる凄まじい攻撃。

 利き目の塞がった状態を感じさせない見事なものです。


 しかし、サーシェスが出現してからは状況が一変。

 これ以前は、ソレスタルビーイングの大義を背負っての戦い。

 これ以後は、私怨を果たす為の戦いに切り替わります。


 つまり、この切り替わりこそが、ロックオンの最期を暗示しているわけです。


 サーシェスVSロックオン!

 接近戦で切り結ぶというバトルが凄まじい作画クォリティで描かれており、溜息モノ。

 「逆襲のシャア」におけるνガンダムとサザビーの剣劇も凄かったですが、アレに匹敵します。


 ダリルがデュナメスに特攻をかけるシーンが挟まれ(ダリル散る!)、卑劣なテロリストであるサーシェスと、戦争根絶の為にやむなく戦うロックオンのイデオロギー戦の様相に。

 ただし、ここでのロックオンは「カタキ討ち」という私怨で戦っている為、実は非常に空しく響くという...。

 う~む、実に切ない構成です。


 そして、ダリルに勝機を奪われたデュナメスは、損傷甚大で戦闘不能に。

 結局、デュナメスのトランザムはお目見えしませんでした。

 即ち、ロックオンは私怨で戦っていることが分かっていて、戦争根絶の理想の為のシステムであるトランザムを、発動させるわけにはいかなかったということですね。


 ロックオンはデュナメスをハロに託し、GNアームズの残骸に辿り着きます。


 「あばよ、相棒...!」

 「何やってんだろうな、俺は...。けどな、こいつをやらなきゃ、カタキをとらなきゃ、俺は前に進めねぇ...。世界とも向き合えねぇ。だからさ...狙い撃つぜ!」


 いちいちカッコいいセリフと共に、GNアームズのビーム兵器をぶっ放します。


 サーシェスにGNアームズのビームを命中させるものの、サーシェスのビームもGNアームズの残骸に命中。

 GN粒子の奔流の中、ロックオンは宇宙を漂うことに。


 「父さん、母さん、エイミー...。分かってるさ...こんなことをしても変えられないかも知れないって。元には戻らないって...」

 「それでも、これからは、明日は...ライルの生きる未来は...」

 「おっ...刹那、答えは出たのかよ...」

 「よぉ、お前ら、満足か? こんな世界で...」

 「俺は、イヤだね...」


 三木眞一郎さん渾身の演技!

 涙涙です。


 感動の中、気になるワードが。


 ライルって誰?


 覚えてますでしょうか。

 ロックオンが家族の墓参りをしていた際、物陰に居たロックオンそっくりの人物。

 恐らく、あれがライルです。

 ライル・ディランディ?


 何かの伏線っぽいですね。


 ちなみに、このロックオンの最期は、直前にいかにも爆発しそうなGNアームズのカットを挿入するという、「0083」のバニング大尉の最期みたいなシチュエーションでした。

 このバニング大尉の最期は実にトラウマなシーンでしたが、今回はロング(引き)のカットになっている為、残酷さという面では軽くなってます。

 ただ、直前の演技があまりにも響くため、ある意味別種のトラウマシーンとして心に残りました。



 ...マイスターは刹那を除いて退場していくのでしょうか。

 第2部にどう繋げていくのか、どうも予想がつかなくなってきました。