#16 トリニティ

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 「トリニティ」それは、キリスト教における「父(主)、子(イエス)、精霊の三位一体」のこと。それぞれが異なる存在でありつつ、実体としては一つであるという意。


 「トリニティ」それは、ガンダムマイスター。

 「トリニティ」それは、プトレマイオスにとって未知のガンダム。

 「トリニティ」それは、三兄妹(アレ?)。

 「トリニティ」それは、クール、バカ、萌えの強烈トリオ(アレレ?)。

 「トリニティ」それは...。



 何だよコレ。



 「トリニティ」というタイトルから、結構期待してました。

 Xファイルの題材に取り上げられたり、「宇宙大帝ゴッドシグマ」のエネルギーの名称になったり(それはあんまり関係ないか)と、神秘的なイメージがあったのに、出てきたのがコレですか。



 ...期待は見事に裏切られました。

 何て世俗的な。



 でも、結構面白いじゃん。

 てのも正直な感想。



 思いっきり浮いたキャラを新登場させることで、シリーズを大胆に方向転換しようとしているのが分かります。

 しかも、ガンダムスローネが1号機から3号機の3機あり、「ガンダムスローネ」という同じ名前の機体が「数字」で呼び分けられている(アイン・ツヴァイ・ドライはドイツ語の1~3)のは、大変珍しい。

 ちなみに「スローネ」とは座天使のことです。本作では天使階級がガンダムの名前のモチーフになっているようです。


 ただ、そのデザインがちょっと問題で、これまでの「プラモ作りたい」クールな路線から、何となくSEED系にシフトしているような気がします。

 ティエレンとかフラッグとか、結構クールな量産機達がいい雰囲気を出しているんですが、それらと比べると、ガンダムスローネ達にはケレン味がありすぎなのかも。

 00のプラモは好調だと聞いていたので、こういった「売れ筋」デザインにしなくても良かったように思うのですが...。見ようによっては、サンライズロボットのいいとこ取りをしてるようでカッコいいんですけどね。



 トリニティ兄妹の初出陣を、以下に整理。



 ガンダムスローネ・ドライ(3号機)は、ステルスフィールドと呼ばれるGN粒子最大散布が可能な、いわゆる諜報戦略系のガンダムといったところ。目つきと言葉遣いの悪いハロ付。

 パイロットのガンダムマイスターは、ネーナ・トリニティ。トリニティ兄妹(実の兄妹かどうかは非常に怪しいですが)の末娘。セパレートのボディスーツを着ているという、「いかにも」なデザインが目を引きます。

 兄達を「兄兄ズ(ニイニイズ)」と呼び、「行っけぇっ!」というセリフがクェスとかプルとかを想起させます。萌え路線直球で来たようですが、残念ながらソーマの可愛さには勝てません(笑)。

 ネーナは、サーシェスに襲われる刹那を救出し、ステルスフィールドによって全ガンダムの撤退を支援します。



 ガンダムスローネ・ツヴァイ(2号機)は、遠隔攻撃を得意とするサイコミュっぽいガンダム。

 パイロットのガンダムマイスターは、ミハエル・トリニティ。3兄妹の真ん中です。言動がアブなく攻撃的な性格で、戦闘をゲーム的に楽しんでいる節のある00きっての危険人物です。

 「エクスタミネート!」と宣言(撲滅とか殲滅といった意)し、ファングと呼ばれるファンネルみたいなヤツをバンバン飛ばして四方八方から攻撃するという、高い資質の持ち主でもあります。

 ミハエルは、アレルヤをティエレン部隊から救出します。ソーマは「何? このプレッシャーは?」というZガンダムへのオマージュバリバリのセリフで、このミハエルの資質を表現してました。



 ガンダムスローネ・アイン(1号機)は、デュナメスのような射撃を得意とするガンダム。

 パイロットのガンダムマイスターは、ヨハン・トリニティ。3兄妹の長兄で、冷静沈着かつ穏やかな雰囲気。何となくアレルヤっぽい顔をしてます。

 ティエリアをパトリックのチームから救出し、ロックオンをオーバー・フラッグスから救出するという大活躍。黒い機体なのも高ポイントですか。

 ちょっと脱線しますが、ここでグラハムがいいセリフを吐いてます。


「ちいっ!」

「まさか他にも機体があったとは...。聞いてないぞ! ガンダム!」


の2つ。

 「ちいっ!」はシャアの口癖。

 「聞いてないぞ」って、咄嗟に出たセリフとして実に秀逸だと思います。


 ところで、パトリックはカティ大佐にご執心なんですね。ヘンなヤツを貫き通して欲しいです。

 パトリック、サバイバビリティは抜群なので、それこそ最終回まで出てくるんじゃないでしょうか。



 後半は、アレハンドロ・コーナーが「ソレスタルビーイングの監視者のうちの一人」という身分を視聴者に明らかにすることで、何と総集編の様相に。

 総集編なので、特に語ることはありませんが、編集のテンポも良く、これまでの流れを分かりやすく説明してます。

 途中にトリニティ3兄妹のシーンを混ぜることで、彼らの出番を作っているのもいい処理だったと思います。


 「監視者」はヴェーダの動向を常にチェックし、ソレスタルビーイングの一人ひとりに至るまで、その資質を常に会議で問い続けるというグループでした。

 それぞれの顔は秘密ということなのか、世界各国の美術品(?)の展示台から声が流れるという趣向が、スパイ映画っぽくてニヤリ。今後どのように関わってくるのか楽しみです。



 さ~て、トリニティはプラモの購買意欲を掻き立ててくれるでしょうか。