とうとう最終回。
しかし、劇場版を見据えた作りになっている為、異種が何なのか、対話とは何なのか、イオリア計画の目指すところは結局何なのかといった、数々の疑問は解消されず、とりあえず刹那とリボンズの対決に終止符を打つことと、各キャラクターのその後をチラッと描くに留まりました。
そういった意味では、若干消化不良気味ではありますが、劇場版へ繋げていくという前提で見れば、シンプルでとにかく勢いのある回として評価できます。
また、ファースト・シーズンの最終回にあった、何ともいえない寂寥感というか、暗さといったものがあまり感じられず、割と明るい結末に持っていったところも評価に値します。私自身、あまり主要キャラクターを殺しまくるといったラストは、それほど好きではないので、見ていてかなりホッとするものになっていました。
「ガンダム00」全体に言えることですが、今回も作画レベルが高く、このまま劇場版にブラッシュアップ公開されてもおかしくない出来。
ダブルオーライザーとリボーンズガンダムの戦闘が延々と続き、さらには復活したガンダムエクシア VS Oガンダムという、もうファンサービスなのか悪ノリなのか分からないようなシーンへと繋がっていくわけですが、前述の作画レベルの高さや、テンポの良いカット割りによって、飽きさせません。
目まぐるしさすら感じられるスピードでの戦闘描写にも関わらず、何が起こっているかちゃんと分かるという、緩急取り混ぜたコンテの切り方も、見事という他ありません。
では、最終回ということで、出し惜しみなく、ふんだんにキャプ画を大放出しつつお届けいたします。
冒頭は、勿論ダブルオーライザー VS リボンズキャノン。
堂々と救世主を名乗るリボンズと、それをエゴだと断言する刹那。シリーズを経て、辿り着いた互いのイデオロギーのぶつかり合いが壮絶です。
「感謝して欲しいな。君がその力を手に入れたのは、僕のおかげなんだよ。刹那・F・セイエイ」
「俺を救い、俺を導き、そして今また、俺の前で神を気取るつもりか!」
「いいや、神そのものだよ」
「そこまで人類を支配したいのか!」
「そうしなければ人類は戦いをやめられず、滅びてしまう。救世主なんだよ、僕は」
「共に歩む気はないと、分かり合う気はないのか!」
「人間が自分達の都合で、動物達を管理しているのと一緒さ。それに、純粋種となった君に打ち勝てば、僕の有用性は不動のものとなる」
「そのエゴが世界を歪ませる。貴様が行った再生を、この俺が破壊する!」
「いい覚悟だ」
「ダブルオーライザー」
「リボンズキャノン」
「刹那・F・セイエイ...」
「リボンズ・アルマーク...」
「出る!」
「行く!」
結局、リボンズがクルジスで刹那を助けた理由は明かされないまま。
リボンズは、刹那をガンダムマイスターにも推薦していますが、結局刹那が純粋種に覚醒し、リボンズはそれによって滅びの道を歩んでしまったわけです。
刹那が純粋種に覚醒するのを知っており、それを超える存在となることで、自分の優位性に箔をつけようとしたのではないかとも考えられますが、ファースト・シーズン終了の時点で刹那は用済みだったと発言したり、純粋種覚醒に大いに関与したツインドライヴの存在を知らなかったりなので、リボンズは常に気まぐれで行動しているように見えてしまいます。
どうなんでしょうねぇ。劇場版にもリボンズが登場すれば、そのあたりが解消されるのかも知れませんが。
さて、トレミーにも動きが。
回復したラッセがブリッジに戻ってきます。ビリーに気付き、ふと睨みを利かせるが、スメラギに止められるという一連の動作がイイ。
ラッセはスメラギのことを...と勘ぐってしまうようなシーンですが、私としては、単に「アロウズの者が何故ここに?」という、ラッセの保安的行動の現れだと解釈してます。
治療中のマリーを見つめるアレルヤは、スメラギの指示で刹那の援護に向かいます。
そして、サーシェスを討ち取ったロックオンも、トレミーからの連絡を受けて戦場に舞い戻っていきます。
このカット、ポスターになりそうな完成度だと思いませんか?カッコ良過ぎます。
ヴェーダの中に存在するティエリアも、
「刹那...」
と呟き、戦場を見守るのでした。
今回のメインは刹那とリボンズの対決ですが、ガンダムマイスター達も美味しい感じにフィーチュアされていて、「空気とは呼ばせない」的な気概が感じられます。
一方、刹那とリボンズの対決は続き、刹那が間合いを詰めるものの、ビームサーベルの一閃に吹き飛ばされるという様子が描かれます。
純粋種としての力も凄いことになっていますが、神を豪語するだけあって、リボンズ自体も至極強力です。さすがはア○ロ。
そして、このリボンズキャノン。最終ボスに相応しいギミックを搭載していました。
これが裏返って、別の頭部が出てきて...。
リボーンズガンダムに!
何と、ガンキャノンとガンダムのコンパチ。しかもリバーシブルだったのです(笑)。
セカンド・シーズンのプラモは金銭的事情もあって一切入手してませんが、このリボーンズガンダムは欲しいなぁ。
アイデアも奇抜ながら、何気にフェイスのデザインがファースト・シーズン系のガンダム顔なのもポイントです。
「あれは、ガンダム!」
「ツインドライヴシステムが、自分だけのものと思っては困るな。そうとも、この機体こそ、人類を導く、ガンダムだ!」
リボーンズ~再生の~ガンダムとはよく言ったものです。
リボーンズガンダムの前に、刹那は苦戦を強いられ始めます。しかも、リヴァイヴとヒリングが援護にやって来ます。
「援護しますよ。リボンズ・アルマーク」
「フッ、余計な事を」
「ヴェーダのバックアップがなくたって、人間なんかに!」
この時点で、リボンズはリヴァイヴやヒリングなど、どうでも良くなっていることが分かります。
それにしても、リボンズとヒリング、同タイプだけに、喋らなかったらどっちか区別が付かないですな...。
そして、リヴァイヴのガデッサの砲撃が、ダブルオーライザーを襲った時、ケルディムガンダムのシールドビットがそれを救う!
同時にアリオスガンダムも飛来。
「ハハハーッ!超兵復活と行こうぜ!」
「戦うさ!僕達の行動に、未来がかかっている!」
ダブルオーライザーの粒子干渉を受けてのハレルヤ復活なのか、それとも、自在に出てこれるようになったのかは、今ひとつ判然としません。
ただ、雰囲気重視という点では、ここでのハレルヤ登場は盛り上がること必至です。
何と言っても、ガラッゾを圧倒するハレルヤは凶悪でカッコいい。
一方、ボロボロのケルディムガンダムで、ロックオンはリヴァイヴのガデッサを翻弄します。
「システムの助けがなきゃ、イノベイターもその程度かよ!」
これまで、イノベイター(イノベイド)に苦戦しっぱなしだったガンダムマイスター達。しかし、ヴェーダを抜きにした場合、真の実力はイノベイドを凌駕していたわけです。
ファースト・シーズンでは、ガンダムマイスター達がヴェーダのバックアップを受けて戦っていましたから、ある意味立場が逆になったと言えますし、それを考えると、ファースト・シーズンにおけるグラハムやセルゲイの実力は半端でなかったと考えられるのです。
凶悪なハレルヤは、殆どガラッゾをなぶり殺し状態に。
「ヴェーダに依存しっぱなしで、俺達に勝てるわけねぇだろぉっ!」
「た、助けて!リボンズ!」
ヒリングは、恐らく初めて感じたであろう恐怖の中、散っていきます。
リボンズに助けを求めるあたり、少しだけ少女的な面を見せたように思えます。常に尊大な態度を見せていたヒリングならではの最期とも言えるでしょう。
ハレルヤはヒリングを倒しましたが、リボーンズガンダムのファングによって戦闘不能に。
一方で、このファングを刹那が全て撃墜することにより、超兵をも超えた純粋種の力を見せるところが巧い。
トレミーも援護に入ってきますが、リボンズキャノンの攻撃が炸裂。派手に被弾しますが、人員は全て無事です。
スメラギはスモーク弾の発射を決行。スモークによって、刹那の視界をも奪うことになりますが、スメラギには、
「今の刹那なら!」
という確信がありました。
その確信どおり、ダブルオーライザーはリボーンズガンダムの腕を落とします。
リボンズは、刹那の力に戦慄を覚えるのです。
「この力...純粋種の力か!」
その頃、ロックオンも奮闘中。
ロックオンは、「ワンセコンド可能」なトランザムを使い、ガデッサの背後に回って超至近距離で銃弾を撃ち込みます。
限定された機能を効果的に使うという描写は、ニールとライルの双方に見られますが、盛り上がりますね。
リヴァイヴの最期は、ヒリング程凄絶ではありませんでしたが、イノベイドの中では、リヴァイヴが理知的で、割とまともなキャラだったからかも知れません。
「これが、ソレスタルビーイングだ...あ、アニュー...」
このリヴァイヴさえいなければ、アニューはイノベイドとして覚醒しなかったかも知れないわけで、図らずもライルは復讐を果たしたことになるのです。
ただし、この時点でのライルは復讐心にとらわれていないと思われる為、私怨を抱えた敵討ちというよりは、イノベイド殲滅作戦を真っ当に果たしたという印象が強くなっています。ライルの心情的に、それは的確な描写でしょう。
アニューの名を呟くところは、少しだけ敵討ちの心情があったと解釈しても、正解だと思います。ライルの人間臭さを感じさせていますよね。
なお、ライルは右目を負傷したわけではなく、頭部からの流血によって右目を閉じているという描写になっており、ニールとの対比が効果的に為されています。
ガデッサ、ガラッゾの撃墜を確認したスメラギは、ここで、
「R2の射出準備をお願い」
とイアンに指示。
この「R2」の意味は、後で分かります。
己の存在意義をかけて、リボンズはオリジナルGNドライヴを奪おうとします。
リボンズは、オリジナルのGNドライヴのみが、決定的に自分に欠けているものだと考えています。徹底的にオリジナルGNドライヴにこだわっていますが、擬似GNドライヴにはない、特殊な粒子の力によって、リボンズ自身が更なる進化を望んでいるのかも知れません。
リボンズの主張する己の存在意義を、ヴェーダの中に存在するティエリアが否定します。
「人類を導くのではなく、人類と共に、未来を作る。それが、僕達イノベイドの、あるべき道だ!」
「下等な人類などと一緒に!」
「そうやって人を見下し続けるから、分かり合えない!」
「その気はないよ!」
どこかで聞いたようなセリフが登場(笑)。
リボンズとティエリアの主張の違いは、この際とりたてて言及する必要はないかと。
刹那とリボンズは、両者トランザムを発動。ほぼ相討ちとなります。
見ると、ダブルオーライザーの方がかなり破損率高いですね。実力は拮抗しています。
とりあえず、ここで一旦休憩。
続いて、ガンダムエクシア VS Oガンダムの対決です。
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