#20 アニュー・リターン その2

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 後半は、イノベイター達の追撃。

 ルイスの駆るレグナントが、エンプラスに比べて異常に強すぎて、クライマックス感を盛り上げまくってくれます(笑)。


 では、続きをどうぞ。

 イノベイターの襲撃が開始されます。

 出撃したのは、ヒリング、リヴァイヴ、ルイス、そしてアニューです。

レグナント、ガデッサ、ガラッゾ

リヴァイヴ「ヒリング、我々の目的は、ダブルオーの鹵獲だよ」

ヒリング「分かってるわよ。だから、あの子にも手伝ってもらわなきゃね」

リヴァイヴ「悪趣味だな...」


 話の流れから言って、アニューに手伝わせることは、リヴァイヴにとって悪趣味と映ったらしい。

 ヒリングはあらゆる事象を面白がる傾向にあるようです。

 逆に、リヴァイヴはある程度、情なんかを理解しているのかも。


 そして、ルイスの駆るレグナントの粒子ビームは、なんと湾曲してガンダムを追尾するという、何ともトンデモな兵器なのです。

 あんまりリアルじゃないなぁ。

 湾曲ポイントの粒子加速度を、ポイント内外で変えることで曲げている...って、どうでもいいや(笑)。


「興奮しないでライル!いい男が台無しよ!」

「アニュー!」


 この小悪魔なセリフ、何ともアニューらしくないと思いませんか?

 これ、私は本心としては戦いたくないアニューが、自分を鼓舞する為にわざとこんなセリフを吐いたのだと解釈しましたが、どうなのでしょう?

 こういう曖昧な部分が、今回のちょっと落ちるところなんですよねぇ。

 こういうテンションアップを煽る場面で心情解釈を強いるのは、どうかと思ってしまうんですけど...。


 逆に、ヒリングの、


「劇的な再会よね!愛した女はイノベイターで自らの敵。正に、命がけの恋ってヤツだね」


というセリフと、スメラギの


「何てことを」

スメラギ

という反応は実に素晴らしい。

 大したやり取りではないですが、これから起こることを嘲笑してみせるという毒々しさが効きます。

 また、スメラギの反応は、以前恋人を失っていることから来る同情、という点で見逃せません。


 レグナントには、セラヴィーガンダムのハイパーバーストも通用せず。

ティエリア

 もうパワーインフレがハチャメチャです(すみません、どうもレグナントの湾曲ビームが好きになれないようです)。

 アリオスガンダムも損傷。もうアレルヤは戦場でどうでもいい人になっちゃってるなぁ。

 一方、ダブルオーガンダムもまだ出られない状態。



 そして、いよいよ今回のクライマックスであるライルとアニューの悲劇。


「何故だ!何故俺たちが戦わなければならない!」

ロックオン

「それはあなたが人間で、私がイノベイターだからよ!」

アニュー

「分かり合ってた!」

「偽りの世界でね!」

「ウソだと言うのか。俺の思いも、お前の気持ちも!」

「...」

「ならよ!」


 トランザムでアニュー機の武装を破壊し、コクピットをこじ開けるライル!

ケルディムガンダムとガデッサ

「な、何を?」

「決まってんだろ!もう一度お前を、俺の女にする!イヤとは、言わせねぇ!」

「ライル...」

「欲しいもんは奪う。たとえお前が、イノベイターだとしても」


 実に熱い!

 三木さんの演技のテンションは最高潮です。この辺りのセリフ、ニールには望めないわけで、ちゃんとライルとニール、別人になってます。

 先の戦闘では悔やみまくっていましたが、今はソレスタルビーイングよりも、カタロンよりも、アニューとの恋を優先します。


 そして、ライルの元へ行こうとするアニューですが...。

アニュー

「愚かな人間だ」

「アニュー?」


 突如豹変。

 ファングでケルディムガンダムを徹底的に攻撃し始めます。


「イノベイターは人類を導く者。そう、上位種であり、絶対者だ。人間と対等に見られるのは、我慢ならないな。力の違いを見せ付けてあげるよ」

アニュー

リボンズ

 つまり、リボンズはアニューの(ひいては他のイノベイターの)思考を完全に掌握できるということ。

 ここでのアニューの行動は、もはや彼女自身の人格が失われた上でのものです。

 リボンズの悪役っぷりが凄まじい加速度で上昇してます。


 宣言どおり、刹那がアニューを撃ち抜く...。

一閃

アニュー

 そして刹那は、2人の傍をかすめるように飛び、ダブルオーライザーのGN粒子を放出。

ケルディムガンダムとガデッサ

 その効果により、2人は思念の中で会話。

ロックオンとアニュー

「ライル、あたし、イノベイターで良かったと思ってる」

「何でだよ」

「そうじゃなかったら、あなたに逢えなかった。この世界のどこかですれ違ったままになってた」

「いいじゃねぇか。それで生きていられるんだから」

「あなたが居ないと、生きてる張りがないわ」

「アニュー...」

「ねぇ、私達、分かり合えてたよね」

「あぁ、もちろんだとも」

「良かった...」

アニュー

 そしてアニューの機体は爆発...。

ロックオン


 サブタイトルである「アニュー・リターン」とは、一体なんだったのか。

 二つ意味がありそうです。


 一つは、イノベイターへの帰還。

 もう一つは、ライルの腕の中への帰還。脳量子波が見せる思念の世界の中ですけど。


 考えてみれば、イノベイターである自我が目覚め、それで尚且つ「分かり合えてたよね」と言えたことこそが、イノベイターと人間の共感の端緒を思わせることに繋がっているわけで。

 それを刹那のダブルオーライザーが担うといった点がまた、重要です。

 刹那自身は十字架をまた一つ背負ったのですが、刹那が撃たなければ、リボンズの干渉を止めることはできずに、ライル自身が命を落としていたかも知れず、結果は同じでしょう。

 つまり、あの時点で刹那はベストの選択をした...ということになるのではないでしょうか。



 エンディング後、ライルが刹那を何度も殴り付けるという、ある意味凄惨な場面が。

刹那

 これまでは、それぞれの親しい人の仇は、それぞれ敵対するポジションの中に存在していたのですが、何と身内に仇が存在するという事態に。

 勿論、ライルが刹那に復讐するという展開は有り得ませんが、なかなか示唆に富む構図ではあります。


 その様子を見て、沙慈は、


「分かり合ってるのに...なのに、いつか僕も、ルイスと...」


と覚悟ともとれる言葉を。


 刹那は、


「声が響く...彼女の声が...彼女の歌が...」


とモノローグで。

 遂に刹那は遠く離れたマリナの歌声を脳量子波で受け止められるまでになった...か?