後半はトレミー防衛戦。
「アロウズの殆どの戦力」がモビルスーツ36機+モビルアーマー1機というのは小規模な感じもしますが、実はアヘッドやジンクスIII、ガデッサやガラッゾ、そしてイノベイターを配するということだけで、既に連邦軍全体を圧倒するだけの戦力になっていると解釈するのが妥当でしょう。少数精鋭というヤツです。
では、後半も時系列で追っていきます。
いきなり刹那の夢の中から開始。
夢の中で、幼い頃の刹那=ソランに出会う刹那(ややこしい)。
「お前がしていることは、暴力を生みだすだけの卑劣な儀式だ!」
と、刹那はソラン少年の愚行(つまり両親を撃つという行為)を阻止したつもりが、現れたロックオン=ニールにこう指摘されます。
「刹那、過去によって変えられるものは、今の自分の気持ちだけだ。他は何も変わらねぇ。他人の気持ちや、ましてや命は」
響く銃声。
ソランは両親を撃ったのです。刹那がふと手を見ると、取り上げたはずの銃がないという演出が見事。
「刹那、お前は変われ。変わらなかった、俺の代わりに」
ニールは最期まで復讐という枷から逃れられませんでした。
刹那には、それを超えろと訴えているわけです。
勿論、これは刹那の夢であるからして、この言葉は刹那の内部でくすぶっている感情の発露と言えるでしょう。
刹那は子供達の歌で目覚めます。
刹那はすぐにでも出ようとするのですが、マリナは必死に引きとめます。
マリナは「人と人が分かりあえる道を、その答えを探してる」という4年前の刹那の手紙の内容を持ち出し、
「分かり合う為には、互いを知ることから始めないと。その時間くらい、あってもいいでしょ」
と言います。
ここで子供達は気を利かせて部屋から出ますが、このあたり実に可愛らしい。
ここでマリナはクルジスの戦いのときの刹那を知り、マリナの過去も少しだけ明らかになります。
マリナはごく普通の家庭に育ったが、血統故に皇女にまつり上げられたという経緯を持っていました。
「確かに、あんたは一国の皇女より、音楽を奏でる方が、似合って見える」
「あなたも同じに見えるわ。無理をして、戦っている...」
という会話には、2人の心情のシンクロが始まっている様子が現れています。
そこに池田が登場し、トレミーがヨーロッパのカタロンと接触したという情報を持ってきます。
ここからは一気に戦闘モードに突入。
といっても、刹那は殆ど関わりません。
まずは、嵐の前の静けさから。
カタロンの補給物資のおかげで、外壁は殆ど補修できたが、潜水モードは不可能、火器管制にも不具合という状況で、戦闘に耐えられない状態のトレミー。
防衛戦はガンダムに頼るしかないわけです。
疲れ果てて眠ってしまったミレイナに、ティエリアが毛布をかけるシーンが。
「ありがとう。君がいてくれて、良かった」
「惚れてはダメれす...」
と、ティエリア高感度グングンアップなカットが満載。
ここまで来ると、さすがにティエリアの行く末を心配してしまいます。
早々のタイミングでの退場はしないで頂きたいものです。
と、ここでトレミーの位置はアロウズにバレてしまいます。
アニューの位置が捕捉されているのは間違いないところですが、本人はおろか、ロックオンも「アニューの言ってたとおり...」と呟く程度で、まだ誰も気付いていないようです。
敵総数は36機。指揮官機アヘッド1機にジンクスIIIが3機の構成で1ユニットになる為、イノベイター組を除いて8ユニットが攻撃を仕掛けてくることになりますか。
ガンダムで迎撃し、トレミーは山脈を盾にして退避します。
パトリックはカティと共に指揮官機に残っています。
「不死身のコーラサワー」にあやかりたいというカティですが、その実多くのパイロットが犠牲になることを鑑みていたのではないでしょうか。
カティに私情が入ったことで、私はここから先のカティの戦術がガタガタになるものと予想しましたが、その予想は見事に外れました(笑)。
また、分かりにくいですが、エンプラスにはルイスが乗っているわけではなく、あくまでデヴァイン機です。
エンプラスは「ルイス専用モビルアーマー」ではなく、「ルイス専用になる筈のモビルアーマーのプロトタイプ」なんですね。
プロトタイプということで、イノベイターのデヴァインが試験運用しているということでしょうか。
対するトレミーは、まずケルディムガンダムのトランザムでガデッサを超える射程のビームを発射し、遠距離射撃で出来るだけ数を減らす作戦に出ます。
いつもガデッサの射程を超えると気にするリヴァイヴが笑えます。
「そうさ、狙い撃つぜ!」
語尾上がり気味なのがライル。
静かに言い放つように叫ぶのがニール流(ファーストシーズンが見られる方は聞き比べてください)。
トランザム故に限界時間は早々に訪れ、ケルディムガンダムのGN粒子チャージまで、アレルヤとティエリアが迎撃を担当します。
ところが、エンプラスのGNフィールドを破って侵入してくる兵器による電撃攻撃で身動きが取れなくなります。最近アレルヤいいとこなしでショボンです...。
その隙に1ユニットが最終防衛線を通過し、トレミーに接近してきます。
接近するソーマ専用アヘッドを見て驚くマリー。
沙慈はルイスの機体だと直感します。
一方、刹那は苦戦しているであろう仲間の元に駆け付けるべく、重症を押して出ようとします。
コクピットでの鎮痛剤や簡易医療ユニットが細かくて非常によろしい。
ここで気になるカットを一つ。
これ、ルイスが脳量子波を使っているように見えませんか?
確かにソーマ専用アヘッドは超兵向けにカスタマイズされている筈で、脳量子波による性能向上を図ることが出来るものと思われます。
しかし、ルイスは本当に脳量子波を使えるのか?
リジェネに拾われた(?)ことから、イノベイターが保有する技術を駆使して、脳量子波を使えるようにされた可能性はあります。
とすると、ルイスが頻繁に発作を起こしたりするのは、強化人間的な演出としてとても納得できるのですが...。
さてここで、カティが驚愕の通信を受信。勿論クーデターの報です。
一方、GNアーチャーだけが出られる状態と知ったマリーは、GNアーチャーで出ようとします。
久々のパイロットスーツ。まだアロウズのものを持っていたようです。
結局、アロウズ撤退の報を聞き、出ることは無かったのですが。
図らずも、アレルヤとティエリアは生命の危機を脱し、トレミーも攻撃を逃れることが出来ました。
この流れ、予定調和的でないギリギリの線を狙っていて秀逸でしたね。
軌道エレベーターは、クーデター派によって占拠されました。
アロウズは上層部からの司令を受けて、そちらの処理に回されたのでしょう。
そして、皆さんお待ちかね、乙女座の男登場です。
刹那がクーデター現場であるアフリカタワーへと向かう途中での出来事。
「アフリカタワーでの出来事を知れば、必ず会えると信じていた!」
「引け!貴様などに構っている暇は!」
「邪慳にあしらわれるとは。ならば君の視線をくぎ付けにする。とくと見るがいい。我が盟友が作りしマスラオの奥儀を!」
お、奥義って...(笑)。
機能だろうよ...。
それはさておき、マスラオにトランザムが搭載されているであろうことは、容易に予想出来ていたんですけどね。
トランザム状態のマスラオを見ると、何となくトランザムありきのデザインになっている気もします。
明らかに光っている状態の方がカッコいいですね。
それにしても、リボンズですら知らなかったトランザムの理論を解析寸前まで行っていたエイフマン教授は凄いですね。
「トロポジカル」事件さえなければ...。
いや、「トロポジカル」が間違っているとは言い切れませんけど(笑)。
何となくオチとしては、ツインドライヴのトランザムには、機能的に到底及ばないというあたりになりそうな気もしますが、ブシドー氏の奮闘を期待します。
それにしても、ブシドーはもはやアロウズにとって、もうどうでもいい人物になっているのではないでしょうか。
あれだけ勝手に行動されたんじゃ、管理のしようがありませんしね。
既にブシドーの存在意義って、劇中でも「単なる刹那の敵」という位置づけでしかないような気がします。まぁ好きは好きなんですけど。
めおら
ビリーとマネキンって面識ありますよね?
スメラギ回想シーンの大学キャンパス内で。
初めて会う感じに演出されていませんか?
SirMiles(管理人)
言われてみれば、ホントその通りですね!
恐らくクジョウにいつも付き纏っていた筈ですから(笑)、カティが知ってても絶対おかしくないですね。
すっかり忘れているというのもちょっと不自然ですし、ビリーほどコネのある男なら、上級仕官に顔が知れてもいい筈。
「技術屋が…」という言葉からすると、知ってて邪険に扱った可能性もあるかもしれません。