拭えぬ過去。
最も表面的なところで行けば、スメラギの逃れられない過去。
もう一つ目立つところでは、刹那のKPSAだったという過去。
それと対比されるロックオン=ライルの、過ぎ去った過去を悔いてもしょうがないという姿勢。
そんな要素を散りばめつつ、トレミーの大気圏離脱における攻防を描きます。
冒頭とクライマックスにバトルを持ってくるという、前回とのバランス感覚も見事。
今回もいつものように各陣営ごとにシーンをまとめてみます。
冒頭は、サーシェスの駆るアルケーガンダムによる急襲!
「速い」「前とは違う」と刹那&ティエリアが漏らす等、スローネタイプから性能が格段に向上している様子が伺えます。
刹那「生きていたのか!アリー・アル・サーシェス!」
サーシェス「おうよ。けどな、お前らの所為で体の半分が消し炭だ。野郎の命だけじゃ物足りねぇんだよ!」
刹那「貴様ぁ!」
サーシェス「再生治療のツケを払え!てめぇの命でな!」
会話からは、サーシェスの執拗さと、先の戦いで半身をほぼ失う程の重傷を負ったことが分かります。
それにしても、この時代の再生治療は凄まじい成果を上げているようですね。
ロックオン=ニールの敵だと知ったティエリアは、
「敵討ちをさせてもらう!」
と向かって行きます。サーシェスは、
「自業自得だ!右目が見えねぇくせに戦場に出て来るたぁ!」
とロックオン=ニールを愚弄。やはりティエリアは怒りに燃えます。
ここで両者の隠し腕対決!
セラヴィーガンダム側の隠し腕機構は、Ζガンダムに登場したジ・Oへのオマージュでしょうか。セラヴィーガンダムは、背面の巨大なガンダムフェイスなど、怪物性を強調していますが、「セラヴィー」が「セラフ(熾天使)」を語源とするならば、この怪物性は納得できるものがあります。
一方のアルケーガンダムの隠し腕は、爪先がビームサーベルを使うという変わり種。足先が器用な人というイメージ(笑)。
にしても、アルケーガンダムを含めたサーシェスの強さは尋常ではなく、やはりガンダム00最強の敵役はサーシェスということになるでしょうか。
ここでロックオンとアレルヤ到着。サーシェスは後退します。
ティエリア「何故止める!ヤツはロックオンの敵だ!」
ロックオン「兄さんの...敵?」
ティエリアは怒りのあまり深追いをしようとし、ロックオンは兄ニールの敵の存在を知ることになるのです。
私はこれで、一気にライルがティエリア寄りになると思っていましたが、アテが外れることになります。
ソレスタルビーイング関連のシーンを続けます。
トレミーがガンダム4機を収容すると、スメラギは12時間以内に敵が包囲網を敷いてくると予測。この時点では、当然アロウズの戦術を握る人物が誰か気付いていませんが、優れた指揮官がいることは理解しているようです。
スメラギは包囲される前に宇宙に上がり、ガンダムの補修とオーライザーの受け取りを果たそうと作戦を立てますが...。
その頃、刹那は沙慈にルイスと会ったことを話し、これで沙慈とルイス双方に、それとなく互いの近況(?)を伝えたことに。
そして、ロックオン=ライルは、兄ニールの敵であるサーシェスのことをティエリアに尋ねるのですが...。
ロックオン「なるほどね。兄さんは家族の敵を討つ為に、そのサーシェスってヤツを...」
ティエリア「何を笑う?」
ロックオン「世界の変革より私怨か。兄さんらしいと思ってな」
ティエリア「不服なのか?」
ロックオン「いや、尊敬してんだよ。家族が死んだのは10年以上前のことだ。俺にはそこまで思いつめることはできねぇ」
ライルのある種突き放したような、クールさを伺えます。
ここに突如刹那が口を挟みます。
刹那「敵が、ここにいるとしてもか」
ロックオン「何?どういうことだ?」
刹那「俺はKPSAに、お前から家族を奪った組織に、所属していた」
刹那は自爆テロを実行しようとする仲間を止めようとしたが、止められなかったと語ります。刹那は、その為にロックオンの家族がテロに巻き込まれたと言います。
しかし、ロックオンはたとえ刹那が止めたとしてもテロは起こり、そういった流れは変えられないと言います。
過去を悔むより未来の為に戦うんだとロックオンは言うのですが、これがニールに対する皮肉なのか、それともカタロンとしての誇りが言わせているのかは、少し判別し難い面があります。
ティエリアはロックオンの言葉を受けてか、己の正義に準じて生きる(イノベイターと敵対する)ことが、未来につながるのかどうかを悩み始めます。
その後、トレミーの大気圏離脱作戦が開始される直前、刹那はティエリアにパーティでの出来事を尋ねますが、その答えを聞く前にアロウズの襲撃が開始されてしまいました。
ティエリアは、イノベイターとロックオンの間で揺れています。
さて、ここからはそのイノベイターの動き。
リジェネは、リボンズにティエリアを仲間に引き入れる役目をはたして欲しかったらしく、少々不満気。
しかし、リボンズはティエリアに敵対者であって欲しいとしており、ヒリングも、
「ソレスタルビーイングが活動すればするほど、アロウズは世論から支持を受け、その行動が正当化される。いいんじゃない?相手がカタロンだけじゃ物足りないわ。戦闘用である私の出番がなくなっちゃうもの」
と発言。
ここで注目すべきは「戦闘用」という言葉。
リボンズとヒリングが同種DNAを有すると考えると、リボンズが非戦闘型でヒリングが戦闘型。同じくリジェネとティエリアで行けば、リジェネが非戦闘型、ティエリアが戦闘型ということか。
他にもリヴァイヴと、ラスト近くに映った赤い髪のイノベイターが存在。それぞれに戦闘用と非戦闘用の存在が推測できますが、果たして?
ちなみに、ツインドライヴがイオリアの遺産かどうか、イノベイターは把握していない模様。
王留美は、このソレスタルビーイングとイノベイターの対立構造を理解しており、
「イノベイターとの対立は、変革を加速させる...楽しみだわ」
と呟いています。
後半は、アロウズの動きと、トレミー怒涛の大気圏離脱を。
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