#06 傷痕 その2

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 ここからは、主に連邦側の動きを。

 まず、アロウズの指揮官クラスの確執。


 掃討作戦に批判的なカティを、リントは挑発していきます。この性根の悪さは凄いですね。そして、さすがは矢尾さんです。

 リントはカティがかつてAEUの戦術予報士であったことや、クジョウと共に例の事故を起こしていたことを知っており、そこにつけこんでいきます。


 思わず激昂するカティ。

リントとカティ

 もしかしたら、例の事件さえなければ、カティも掃討作戦を厭わない人物になったかも知れない、というところが絶妙で、リントがただの浅薄な悪人になっていないところが良いです。


 また、これはちょっと分かり易過ぎる演出ではありますが、この件でクジョウを思い出し、改めてトレミーの指揮官がクジョウではないかという思いに至るというシーンがあります。



 続いて、ソーマ。


 セルゲイからの暗号文がソーマに届きます。アロウズに気付かれないよう、暗号は頂部のみで使用されていたものらしく、連邦は構成国家全ての技術を掌握しているわけではないことが分かります。


 暗号文の内容は、カタロン掃討作戦のいきさつをソーマに謝罪するというもの。

 ソーマはセルゲイが自ら味わっているであろう辛酸を顧みず、自分を心配してくれるということに感激します。


 しかし、セルゲイの「父性愛」を受け、ソーマは超兵=人殺しの道具であることの自覚を再確認してしまうことになります。

 この心象の機微は分かりにくいのですが、セルゲイの「無償の愛」は、元々超兵という「作られた殺人兵器」であるソーマにとって、不相応に感じたのではないでしょうか。

 セルゲイにソーマが甘える資格は本来充分にある筈なのですが、ソーマはそれによってセルゲイが苦しむのではと考えたのだと思われます。

ソーマ


 以前、ソーマが養子になることを躊躇していたのは、ピーリスという名を失うことで、その名で呼ばれていたことを忘れてしまうのが寂しかったとされており、現在の意味とは真逆です。

 この当時は、人並みの幸せを得ることに抵抗がなかったと見られます。


 アロウズに配属されたことで、ソーマは否応なく超兵としての自覚を促されてしまったわけです。



 リントは、カタロン構成員(つまり沙慈のこと)の尋問を行う為(...だと思う)、セルゲイの元を訪れます。

 しかし、ご存知の通りセルゲイは沙慈を逃がしており、「カタロンの構成員に逃げられた」咎でリントに頬を張られます。

セルゲイとリント

「我々は、政府直轄の独立治安維持部隊。連邦軍の階級と同じにしてもらっては困ります」


って、モロにティターンズな発言。

 そういえば、アロウズは「A-LAWS」で、「俺が法律だ」という匂いがプンプンした、ある意味ティターンズより過激な組織です。本当に極端なので政治的にリアルかと言われれば、「ちょっと...」と答えざるを得ませんが、まぁ、昔はこういう軍隊が世界中に沢山あったわけです。



 そして、いよいよ本格的にルイスが参戦してきます。

 カティの元に、ジニン大尉の部隊が補充部隊として着任。ジニン隊には勿論ルイスも居ます。

ルイス

 そして、ルイスをソーマに会わせるという趣向が用意されます。


ソーマ「あなた、無理をしている。私の脳量子波がそう感じる。あなたは心で泣いている」

ルイス「そんなことは...」

ソーマ「誰かをずっと思っている」


 この会話で、脳量子波がESPに近いものとして設定されているのが分かります。

 しかし、ここは今のソーマが心で泣いているから、ルイスの感情に同調したと考えた方がいいでしょう。「脳量子波」というタームは、あくまでソーマの自己解決の為のエクスキューズだと思います。


 そこへアンドレイが登場。ルイスに一目惚れ...したのか?

アンドレイ

「乙女だ...」


という、父親譲りな発言が笑わせてくれます。

 確かにこのシーンのルイスは可愛い(笑)。



 さて、ここからは戦闘シーン目白押しのクライマックス。

 セカンド・シーズンは、エピソードの土壇場に派手な戦闘を持ってくるという、王道パターンを割と守っているような気がしますが、これいかに。


 トレミーは光学迷彩を解除して、目立つ海岸線へと向かい、そこでガンダムを発進させます。

ティエリア

アレルヤ

ロックオン

刹那

 光学迷彩は、ファースト・シーズンでガンダムエクシアが何度か披露したテクノロジーですね。


 トレミーを感知したアロウズがやって来ると、早速激しい戦闘に。


 今回は「本気モード」のロックオン。いきなりジンクスIIIを1機撃破します。

ケルディムガンダム

 海上をギリギリで滑空しつつ射撃するのがカッコいい。


 しかし、順調というわけではなく、トレミーのオートでの砲撃は的を射ず、ラッセは


「リヒティが居てくれれば...」


と思わず漏らします。

 結局、イアンが砲撃にまわることになり、ラッセは操艦に集中することに。

ラッセ

 沙慈は「何か手伝わせて下さい」と言って、イアンの砲撃の手伝いを志願するのですが...。


 その頃、カティは粗削りな戦術を見て、


「クジョウではないのか」


と呟きます。

カティ

 これでスメラギの存在をどう見るか、これからのカティの動きが楽しみですね。


 一方、乙女座のブシドーさんは、単独でダブルオーガンダム迎撃のみに動くと宣言。

ミスター・ブシドー

 ジニンの、


「ドライヴ2つのガンダムは任せますよ、ミスター・ブシドー」


という呼びかけに、


「望むところだと言わせてもらおう」


という、ブシドーらしい回りくどい言い方で応えています。


「射撃も巧くなった...それでこそだ少年!」


というセリフには、刹那との戦いに無上の喜びを覚えている様子を確認できます。


 一方、ティエリアのセラヴィーガンダムは少々苦戦中。

セラヴィーガンダム


 ここからは怒涛の展開。


 ソーマはアリオスを狙い、ソーマだと気付いてマリーと呼びかけるアレルヤ。

 そして、ルイスがトレミーに突撃。

 それを惚れているアンドレイがサポート。

 沙慈が砲撃のトリガを握る。

 ルイスとアンドレイのジンクスIIIが接近。

 沙慈は散々逡巡。

 引き金を引くのか~!?

沙慈

 ...というところでエンディングテーマ。



 エンディング後は、何と沙慈の砲撃を次回に引っ張ることが判明!


「手を抜くか、それとも私を侮辱するか!」

「ガンダム!引導を渡す!」


という、時代劇がかったセリフと共に、ブシドーの猛攻!

ブシドー・アヘッドVSダブルオーガンダム

 刹那は、イアンから止められていたトランザムを発動します。


 そしてまた場面転換。


「やめてくれマリー!僕だ!アレルヤだ!」

「私は、超兵だ!」


 ソーマの一撃がアリオスを貫きます。

アリオスガンダム


「マ、マリー!」


...で終了。


 結局、沙慈(とルイス)、刹那、アレルヤ(とソーマ)の件は次回に引っ張られました。


 次回をお楽しみに、ということで。