ストーリー
かつてドルクルスが出現した兜山を再び調査すべく訪れた堀口博士と天馬、未加、剣、そして蘭は、新たな洞窟を発見する。その奥は明らかに人工物であり、そこには球状の遺物が存在していた。天馬が逸って触れると全員のナックルライザーが反応、蘭と堀口博士は衝撃を受けて倒れてしまう。一方、ベルゼウスの命を得て地球に降り立っていたマリウス星人・ルカは、天馬が触れた球状の物体にエネルギーを与え、凶暴な絶滅者・ボスキートを復活させてしまった。失敗とみたルカはギグファイターを差し向けるが、ベルゼウスに報告するが、その答えは「絶滅者の欲するままに命を与えよ」という理不尽なものだった。ボスキートはウオフ・マナフの敵対者でもあるのだ。天馬は13人目のグランセイザーと思い込んでボスキートに加勢する。しかし、ボスキートはバーニングファルコンを天馬に放つ!
ルカは天馬をひとまず助けるも、グランセイザーもウオフ・マナフの敵であることから苦悩する。星を汚し人間同士で争う地球人だが、それでもグランセイザーとして星を守りたいとする天馬に、ルカは生命のエネルギーを与えて救う。その頃、ボスキートを探すべく風のトライブの面々は閑散とした兜村に到着、そこで衣服のみとなった人々を目撃する。それはボスキートの仕業だった。
そして、ボスキートと風のトライブが戦闘状態に。さらに、ウオフ・マナフにグランセイザーの抹殺を命ぜられたルカが天馬を襲う・・・!
解説
遂に最終シリーズ開始。最終章の幕開けに相応しいミステリアスな雰囲気と、ノスタルジックな描写が同居した不思議な感触を持つエピソードとなった。久々に風のトライブが一団で行動しているのも嬉しい。
第3シリーズで再々描かれてきた冷徹かつ狡猾なウオフ・マナフの刺客たちのイメージとは、全く異なるルカのイメージは第3シリーズあってこそ強烈であり、それと敵対しつつさらにグランセイザーとも敵対するボスキートの存在感も抜群である。黙して語らない部分が不気味さを一層高めている。村全体の人々の命を片端から吸い取っていくシーンは、グランセイザー全体を通して見てもかなりショッキングであり、最終シリーズという印象をより強烈に高めている。
一方、ボスキートが民家の居間でテレビを見ながら頷いているシーンなど、所々に残酷さを抑制しようという動きがあるのも確か。テレビを見て頷いているのは恐らく情報を学習しようとしているのだろうが、テレビの型の異様な古さなどが場面に可笑しささえ与えており、面白い趣向だ。
アクションはボスキートの華麗かつ凶悪な立ち回りが中心。ラスト、風のトライブが素面アクションを披露するシーンも必見だ。また、天馬が生身でバーニングファルコンを受けるシーンでの、痛そうな倒れ方にも注目だ。