第38話「超古代からの来訪者」

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ストーリー

 黒神山の採石場で発見されたアンドロイド状の物体が、国防省によって回収された。早速御園木によって堀口博士が招聘され、調査を依頼。未加が着替えと食事を持ってきたとき、アンドロイドの胸部が怪しく発行する。そして、突然目覚めるアンドロイド。アンドロイドはオメガと名乗り、言語による意思の疎通が可能だと告げる。ところが、博士の研究中に姿をくらましてしまう。研究員へと擬態したオメガは、未加を追って街へ出た上、若い男性に擬態して未加に近づいた。どうやらオメガはデータの収集に関して未加の協力を仰ぎたいようだ。

 未加とオメガは、仁と豪に出会うが、オメガは風のトライブと大地のトライブを確認などと口走る。堀口博士はある仮説を立てていた。未加に反応して封印された12のプログラムのうちの1つが起動したことから、オメガはグランセイザーの仲間なのではないかと推測したのだ。一方、言語の学習を進めるオメガの前に、オメガを回収しようとする国防省のエージェントが現れる。しかし、柳生十兵衛を学習したオメガはホウキで峰打ちして撃退してしまう・・・。

 未加が天馬と剣にオメガを引き合わせ、さらに蘭が現れたその時、蘭に超古代のヴィジョンが甦る。オメガはウオフ・マナフの戦闘艇に乗っていた! そしてオメガはウオフ・マナフのロボットだという記憶を取り戻した。オメガはグランセイザー12人を認識したとき、封印されたプログラムがすべて開放され、恐るべき破壊兵器へと変貌するのだ! オメガ自身の結論を訊きたいと問いかける未加だったが、オメガは戦闘を仕掛ける・・・!

解説

 天馬と未加のペア編ではなく、あくまで未加編となった本エピソードは前後編。イケメン(蘭談)に擬態したオメガにほんの少しときめいたり、無知ゆえの純朴さに満ちたオメガに振り回される未加の魅力が堪能できるエピソードである。「ロボットが発掘される」、「ロボットは一度主人公側の人物と交流する」、「ロボットの素性は敵」という3要素は、これまでヒーロー番組で何度か描かれたものだが、グランセイザー1人1人に出会うことによって封印が解けていくという構成は、ドラマ的にも面白いものとなっている。

 オメガの行動が可笑しさを呼ぶ演出は、サラリと爽やかさを引き立てるものでありながら、なかなかマニアックであり、学習のために音読していた「柳生十兵衛」が、その後の行動に影響を与えるくだりは実にユーモラスである。そんなオメガに振り回されつつも微笑む未加の姿も印象的。さらに、天馬と口ゲンカしてオメガに「ケンカするほど仲が良い」と評されるシーンなどは、もはやキャラクターが醸し出す雰囲気だけで成り立っているような印象がある。第3シリーズを経て、キャラクターが更なる深みを帯びていることが分かる。

 前後編のためか、アクションは少なめ。しかしながら、未加の素面アクションがしっかり盛り込まれた上、装着後のミトラス単独アクションもバッチリ。珍しい畳まれた状態のスワンセクターも見ることができ、未加メイン編に相応しいアクションシーンとなった。さて、後編は如何に・・・?