ストーリー
18歳、IQ300の超天才物理学者アヤ・ステイシーが来日。ところが、移動中に謎の異星人によって襲撃されてしまう。なぜか、そのままアヤは失踪してしまった。事態の収拾の追われる御園木は、堀口博士にグランセイザーの協力を要請するのだが、本来警察や国防省の仕事であろうこの依頼を素直に受けたのには、ワケがあった。実はアヤは超古代の記憶装置たる水晶板の一部を所持しており、堀口博士のたっての頼みで国防省経由の招聘となったのである。
一方その頃、豪は仁に合コンへと誘われ、迷いに迷いながら付き合っていた。途中、現金を所持していないアヤがタクシー運転手と口論になっている場面に遭遇する。アヤの世間知らず振りに翻弄される豪だったが、次第にアヤのことを本気で心配するようになっていく。やがてアヤの素性を知らされた豪は、すぐに国防省に連れて行こうとするが、アヤの「せめて一日、自由な時間を」という言葉に付き合うことに。
そして、そんなアヤをまたもや異星人が襲う。キラード星人と名乗るウオフ・マナフからの使者は、まんまと本来の目的である水晶板のかけらの破壊を果たし、アヤの命をも狙う。豪は、彼を探していて合流した天馬と仁とでキラード星人を倒す。再び日本を離れるアヤを、豪は静かに見送るのだった。
解説
名編! 完全にヤラれた・・・。キャラクタードラマとしての頂点だと断言できそうな名エピソードである。派手さはないが、各人のセリフと演出でじっくりとドラマを見せていく。プライベートでも、どうしても公務を意識してしまう豪のキャラクターは、ここでも生かされているが、アヤの意志を優先させるなど、堅物だけではない深みが与えられており、それが「豪ならでは」という自然さには唸らされる。ラスト、私服で見送る豪が敬礼をするくだりは、公務を果たしたという報告のつもりか、はたまたアヤに対する豪最大限の思いやりか。
本来、セリフだけ抽出するならば、豪の言葉はかなり説教くさいと思われるのだが、それが感じられないのは、豪の実直さと優しさ故だろう。それは豪のキャラクターが完全に一人歩きを始めている証拠だと思う。計算だけではこんなキャラは作れない。一方、仁のキャラクターも益々暴走中。執拗な合コンの誘い、未加にそれを一蹴されてたじろぐ場面、豪の女心への鈍さを指摘する場面。これらはとても魅力的に演出されていて、素面のアクションに至っても、相手の背中に飛びついて投げ飛ばされたり、驚きの演出が続く。
素面のアクションは何といっても豪と仁VSキラード星人の前哨戦だ。豪のアクションは、柔術っぽいテクニカルなもので、警察官らしさを演出。仁のアクションは、ケンカなど知らない軟派なお兄さんが夢中で立ち向かうといった趣(これが実にウマい)。装着後のアクションシーンでは、タリアス、ダイル、トラゴスという珍しい組み合わせで展開され、今回の主役であるトラゴスのペネトレートサンダーに至る各人の必殺技連発が爽快! ダイルの久々の活躍に胸躍らされたファンも多いのでは。