ストーリー
ルシアを失ったロギアは、起死回生を狙い巨大ロボット・ダイロギアンを召喚する。しかしロギアの上官は、宇宙連合=ウオフ・マナフの最高会議が、インパクターの作戦撤退を決定したことから、すぐさま母星に帰還せよと命じる。ロギアは当然、それには応じられない。
ダイセイザー登場の際、唯一人ダイセイザーの名を聴いた蘭は、堀口博士の持つ水晶板に触れたいと申し出る。水晶板は蘭の意識に多量の情報を流入したことにより、蘭は4億年前の超古代の戦いについて、ある程度を語ることができるようになる。ウオフ・マナフと呼ばれる宇宙の連合組織が地球を襲ったこと、最初に建造された超星神がガントラスであり、ガントラスのみが完全な自律性を備えたロボットだったということ、そして、「グランセイザーの中心がクラウドドラゴン」という一文が聴こえたこと・・・。
ダイロギアン到着まで、ロギアは各トライブのリーダーを次々と襲撃する。直人、洸が隙を突かれて敗れ、次に誠が襲われるも、間一髪水のトライブが揃ったことにより危機を脱出。そんな中、愛はロギアからルシアの死を告げられ、ひどく気落ちする。次に狙われるのは天馬だ。洸と直人が、天馬を怒らせて冷静さを失わせる作戦を看破し、怒る天馬をたしなめる。そして、米軍の衛星ミサイルをものともしないダイロギアンが、遂に地球に到達する!
解説
宇宙連合がウオフ・マナフという名称を持つこと、ガントラスが超星神のプロトタイプであったことなど、重要なキーワードが頻出。そしてロギアの上官も登場し、インパクターの組織的なスケールを垣間見ることができる、重要なエピソード。多量の情報をスッキリ見せるためか、全体の流れや演出は割に淡々としており、濃厚なエピソードが連続してきた当クールの中では異色の存在。
ただし、ロギアの復讐劇という一面を持つだけあり、アクションは満載。特に第一ラウンドの対直人戦は、素顔でのスピーディなアクションと、装着後のパワフルかつ様式美に溢れたアクションのコントラストが良い。対直人戦の素顔での一連のアクションは、敵の姿の隠蔽、空中での互いの一撃、仁王立ちの後ダメージを露わにするなど、往年の空手アクション映画を思わせる演出が楽しい。その後の対レムルズ戦では、レムルズらしい冷静な動きが中心となる切れ味の鋭いアクション、対水のトライブ戦ではよりスピード重視のアクションと、それぞれの戦いに特徴を持たせ、全体が惰性で進むことの無いよう、配慮されている。
全体に淡白なエピソードでありながら、それぞれのキャラがそこかしこで見せる行動には要注目。追い詰められた者を的確に表現するかのように、目がイってしまっているロギア、トレーニングに励む直人、天馬を茶化して平常心を取り戻させようとする洸、倒れ込む蘭を真っ先に助けようとする剣、ルシアの死に涙する愛、何故かネコを撮りまくっている(表情が可愛い)誠、その誠はいつの間にか天馬をグランセイザーのリーダーと認めている。なかなかキャラ描写が贅沢な一編だ。