ストーリー
仕事の合間、とある人物にメールを送る愛の元へ、辰平と沖田がやってきた。沖田によれば、国防省からインパクター・ルシアの行方を追跡するよう警察へ要請があり、ルシアの顔を見た愛にその協力を依頼しにきたとのこと。その頃、堀口の研究室に和久井博士と星山が訪れ、オーパーツについて判明した事実を報告していた。オーパーツはガントラスを操る為のコントローラーに間違いないのだが、一部が欠けており、高性能のチップが必要であった。
その頃、城西署の刑事が、宇宙人だとは知らされないままルシアの行方を追っていた。そんな中、沢村刑事はアケロン人のような宇宙からの脅威に関係があるのでは、と豪に告げる。沢村刑事の娘は、アケロン大星獣襲撃の際負傷していた。豪は、グランセイザーがいなければ、一般の人々が巻き添えにならずに済むのではと悩む。
インパクター・ロギアによっておとなしくするよう命じられたルシアは、尾行する沢村刑事を襲う。そこへ駆けつける天馬と豪。沢村刑事が驚く中、装着する二人。ロギアも参戦し、苦戦する。豪は自らの命を差し出して、インパクター星への帰還を提案するが、ロギアにとって豪の命は全地球人類抹殺の序奏に過ぎず、間一髪天馬=タリアスによって救われる。一方、ロギアは和久井研究室に向かう。その姿は星山と化す…! そして、堀口博士の元に、和久井博士拉致の連絡が!
解説
ロギアがいよいよ行動を開始する。ラディアを失ったルシアの悔恨の念、あくまで冷静な姿勢を崩さないロギア。そして、ルシアがロギアに対し思わず言葉遣いを正すなど、二人の間で過去に何かがあったことを伺わせる絶妙な演出が施されている。今回の影の主役はルシアとも言え、「重心を崩して投げる、面白い」というセリフがカッコいい。その直後投げ技を使っているのにも注目だ。
今回本編の主役は基本的に豪である。豪らしい単純な面も多々見せてくれるが、一方でグランセイザーが戦闘の火種になっていないかと悩む一面を描き、キャラクターに深みを持たせている。この「正義側の存在が敵を呼び込む」というジレンマは数々の作品で描かれたものだが、ここはグランセイザーらしくスパっとその点に対しての回答を用意している。それは「インパクターは間違いなく全人類抹殺を狙っている」という明快なもので、ドラマが重くなりすぎないように配慮されており好感が持てる。
さて、今回のアクションだが、敵味方共に素顔のアクションがふんだんに用意されている。ルシアの直線を意識した華麗な立ち回り、沢村刑事の実戦格闘技、天馬と豪の装着後を意識した動き、キャラクター描写をアクションに持ち込む余裕が感じられる。勿論、装着後の戦闘も充実。かなり速い動きで魅せている。