ストーリー
洸を説得するため、行動を開始する涼子と仁。その2人の言から、堀口博士を拘束しているのが別の人物だと察知した天馬は、まず御園木に連絡する。だが、御園木はカリン=アケロン人に襲撃されてしまう。間一髪、カリンがその力を一旦失ったことで危機を脱した御園木は、自らの考えが誤りだったことを悟り、グランセイザーの後方支援に徹することを決意する。
カリンの姿に戻ってしまったアケロン人は、洸の元へ戻る。カリンを心配する洸。彼はカリンに特別な感情を抱いていた。カリン自身も、洸が地球攻略に邪魔なグランセイザーでありながら、彼だけは特別な存在と考えるようになってしまった。カリンは正体を知られるのを恐れ、洸の元から姿を消してしまう。そこへ現れる涼子と仁。2人の説得に耳を貸さない洸。激しく激突する風のトライブ。
一方で、カリンと対峙する天馬。互いの力が激突したとき、それに気付いた洸はカリンを守ろうとする。しかし、洸の信じる「グランセイザーの使命」とアケロン人カリンの行動に矛盾を感じた洸は、遂にカリンを撃つ!
解説
洸とカリンの関係にスポットが当てられた、超好編! 恐らく誰もが予想しなかったであろう、カリンの「洸さん」という呼びかけ。侵略者でありながら、一人の男に惹かれてしまったという構図は、それまでのカリンの冷徹な言動からすれば、衝撃的ですらある。その変化は唐突にも思えるのだが、洸の誠実さと、力を次第に失っていくカリンの切迫感が交わる絶妙な構成で違和感を感じさせないのはさすが。
互いの信念のみで衝突する風のトライブのアクションも、縦空間を生かす演出になっており、立体感を創出している。結構長めの格闘アクションが用意されており、洸の信念が強固であることを印象付けるものとなった。また、タリアス対アケロン人のアクションは、逆に合成のオンパレードで、強力なパワーが激突する様を派手な画面作りで演出していて面白い。
「南署の管轄だ」と言って、堀口博士の救出に手を出さないおかしな豪の言動が炸裂するも、ラストはあまりに衝撃的。カリンから教えられた「グランセイザーは地球を守るために存在する」という言葉だけを胸に、カリンを打ち抜く洸。カリンが欺瞞の為に使った一句が、自らの身を滅ぼしてしまった。しかし、洸はカリンを撃ってしまったことを、心の傷として抱えてゆくのである。